今年の読書(64)『天の梯』<みをつくし料理帖>髙田郁(ハルキ文庫)
May
12
主人公<澪>は、享和2(1802)年7月1日に発生した淀川の大洪水で両親を失い、8歳のときに料理屋「天満一兆庵」の女将<芳>に引き取られ、主人の<嘉兵衛>は、<澪>の料理への天分を見出します。
大阪の店が焼け<嘉兵衛>をなくした<芳>は<澪>連れ、東京の江戸店を任せていた息子<伊兵衛>の店に来てみれば店は人手に渡り、行方知らずになっていました。
「天満一兆庵」の再建を願う<芳>とともに<澪>は、勝手の違う江戸で女料理人として名を馳せていきます。
想い人である御膳奉行<小松原>との縁談も料理の道のために諦め、洪水で身売りされ、今は吉原の「翁屋」にて<あさひ太夫(野江)>となった幼馴染の身請け金4000両の工面に悩む<澪>でしたが、自分が考案した「鼈甲珠」のレシピを「翁屋」に売ることで<あさひ太夫>の身請けをの解決を図ります。
女が女を身請けしたとなると江戸中で問題になるだろうとということで、<澪>は一計を案じ、札差し<摂津屋助五郎>に協力を求め、<野江>と生まれ育った大阪で暮らすことを決意します。
いつもそばにいて<澪>を見続けていた医者の<源斉>は、ご典医の誘いを断り士分を捨て、大阪に医者の学校を作る夢を語り、<澪>との婚儀を整えて先に大阪に旅立ちます。
<澪>の長年の夢である<あさひ太夫>の吉原の大門からの送り出しの場面では、思わず涙腺が緩んでしまいました。
Posted at 2015-05-12 15:37
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Posted at 2015-05-12 16:57
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