今年の読書(16)『ヒトイチ』濱嘉之(講談社文庫)
Mar
23
本書には、3篇が収められています。主人公は、人事一課観察係長<榎本博史>です。警視庁という大組織の中で囁かれる噂や、匿名の内部告発に基づいて、仲間の警察官の不祥事をあばいていきます。
「職務上警察官は権力を持っています。権力を盛った者には誘惑も多い。誘惑に弱い者は、不正になびいてしまうのだろう」という<兼光>課長の言葉が、どの査察対象者にも当てはまります。
殺人事件を解決するミステリーではありませんが、警察組織の裏側が垣間見れるシリーズとして楽しめそうです。