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- 宇宙線「ミューオン」を利用して調査を実施@箸墓古墳
「箸墓古墳」(画像:YouTube)
奈良県立橿原考古学研究所は9日、邪馬台国の女王・卑弥呼(ひみこ)の墓との説がある同県桜井市の「箸墓古墳」(全長約280メートル、3世紀後半)で、物質を透過する宇宙線「ミューオン」を利用して敷地外から内部の様子を探る調査を実施していることを明らかにしています。宮内庁が天皇・皇族関連の施設として立ち入りを厳しく規制する「陵墓」で「ミューオン」を使った調査は初めてになり、古墳の実態解明につながるか注目されています。
橿考研の共同研究員のグループは、宇宙から飛来する「ミューオン」の軌跡を映す高感度フィルム(縦13センチ、横30センチ)4枚を取り付けた装置(縦40センチ、横90センチ)を2018年12月、古墳周囲の4カ所に設置。フィルムを交換しながら2020年4月まで調査を続け、解析します。
「ミューオン」は、物質を構成する最小単位、素粒子の一つで、厚さ1キロ程度のものも突き抜けます。古墳内に空洞があると透過しやすく、ミューオンを捉えたフィルムをコンピューターで分析すると空洞を可視化できることになります。
「ミューオン」を使った調査は同県斑鳩町の春日古墳や同県大淀町の「石神古墳」でも実施され、いずれも内部の空洞を確認。エジプトでは、クフ王ピラミッドに未知の巨大空間があることが分かっています。
「箸墓古墳」では、宮内庁の調査で埴輪(はにわ)や土器が出土。後円部からは「特殊器台」と呼ばれる、吉備地方の墳墓に特徴的な遺物も見つかっています。
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