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- <グーグルロゴ>(167)センメルヴェイス・イグナーツの手洗い提唱を称えて
現在、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大しており、予防策として「手洗い」と「うがい」が、推奨されています。本日の<グーグルロゴ>は、この「手洗い」の創始者といわれるハンガリー王国ブダ市生まれの産科医<センメルヴェイス・イグナーツ>(1818年7月1日~1865年8月13日)を称えて変更されています。
「手洗い」の概念が生まれたのは今からたったの150年前。それまでは病原菌の存在が明らかではなかったことと、「医師が汚れているはずがない」という考えから、手術前であっても手を洗う習慣はありませんでした。
<ゼンメルヴァイス>は、産婦が死亡率が高い産褥熱で苦しむ妊産婦の姿を何度も目の当たりにしました。そして、産婦が産褥熱で死亡するのは仕方がない、防ぎようがないという当時の常識に疑問を抱くようになります。
病原菌という概念がなかった当時、<ゼンメルヴァイス>は「死体の何か」が手に付着したことが産褥熱の原因であると仮説を立てました。今でいう接触感染の可能性に気付いたのです。
臭いでしか判断できなかったため、脱臭作用のある塩素水でそれを洗い落とせば、付着した「何か」も取り除けるのではないかと考え、試行錯誤の末、ゼンメルヴァイスは塩素水消毒とブラシ洗浄を組み合わせた方法を生み出しました。現代でも行われている消毒法の始まりです。
彼の革新的な主張は、外国の医師やウィーン学派の一部の人間に大きな感銘を与えました。しかし、幅広い支持を受けることはなく、医師が汚れているという容易に受け入れられない学説を発表した<ゼンメルヴァイス>は、上司や権威者から糾弾され、1850年にウィーン総合病院から追放されてしまいます。手洗いの重要性を伝えようと数々の病院を回りますが、彼の指示は半ば強要や脅しに近いものでした。 医学会から危険人物として扱われた<ゼンメルヴァイス>は、最後まで認められることなく、錯乱状態となり精神病院で47年の短い生涯を終えています
<ゼンメルヴァイス>が生涯をかけて主張した「手洗い」は、彼が亡くなってから10年以上も後に「消毒法」と名を変えて世に普及します。命を救うために必要なものは、プライドや時代が生んだ文化でもない。「仕方がない」と諦めていることに疑問を投げかけ、それを究明すること。 彼が人生をかけて教えてくれたことは、今も医学の根底にあるのではないでしょうか。
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