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- 今年の読書(22)『名探偵のはらわた』白井智之(新潮文庫)
奇妙なタイトルに惹かれて手にしたのは、<白井智之>の『名探偵のはらわた』です。 2020年8月に単行本が刊行され、2023年3月1日に文庫本が発売されています。「はらわた」は、おぞましい臓物などの意味ではありませんでした。
本書の主人公は、浦野探偵事務所のアルバイト「原田亘」こと「はらわた」です。本書にはは4篇の連作物語が収められていますが、第一章で探偵事務所の所長「浦野灸」が亡くなってしまう展開で以後どうなるのかと心配しましたが、思いもよらぬファンタジックな展開で、過去に起こりましたか猟奇的な殺人事件を中心に物語は展開していきます。
日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、地獄から蘇りまた殺戮を繰り返し始めます。新たな悲劇を止められるのは、頭脳に勝る名探偵だけという状況で、善悪を超越した推理の力を武器に、蘇った「七人の鬼」の正体を暴き、この世から滅ぼすべく「はらわた」の活躍が計算された伏線を散りばめた展開で楽しめまる一冊でした。
伏線が多く、粗筋を書くだけでもネタバレになりそうな、緻密な構成でした。
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