2月1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比50銭円高・ドル安の「1ドル=146円35〜45銭」で取引を終えています。この日の円の高値は「1ドル=145円90銭」、安値は「1ドル=147円05銭でした。
米雇用関連指標が労働需給の緩和を示したのを受けて米長期金利が低下し、日米金利差の縮小が円を支えました。地銀の経営状況を巡る不透明感からも低リスク通貨とされる円は買われています。
米長期金利は一時、前日比(0.10%)低い(3.81%)と約1カ月ぶりの水準に低下しています。1日発表の週間の米新規失業保険申請件数が22万4000件と、市場予想(21万4000件)を上回って11月中旬以来の高水準となりました。1月31日発表のADP全米雇用リポートでも非農業部門の雇用者数が市場予想を下回っており、労働市場の過熱感や賃金インフレ圧力が緩和しているとの見方につながっています。
米地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が31日に発表した四半期決算が市場予想に反して赤字でした。商業用不動産向け融資の焦げ付きに備えて多額の引当金を計上しています。地銀の業績悪化懸念が広がる可能性が意識され、1月31日に続いて2月1日の米株式市場でもNYCBや他の地銀株への売りが出ています。一方で、相対的に安全な資産とされる米国債と円は買われました。
引けにかけては円は上げ幅を縮小しています。米株式相場が上昇したのに加え、2日発表の1月の米雇用統計を見極めたいとして買いの勢いがよわわりました。