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本書には、「御厩河岸」・「竈河岸」・「佐久間河岸」・「本所・一ツ目河岸」・「行徳河岸」・「浜町河岸」の六つの河岸を舞台に、人情味あふれる市井の生活や生き様が描かれています。
どの話も江戸の情緒あふれる生活や文化が丁寧に描かれていますが、第二話の『浮かれ節』は、ひょうひょうとして出世を諦めた小普請組の<三土路保胤>を主人公として、当世人気の出てきた都々逸の即興名人<扇歌>との掛け合いが面白く印象に残りました。
前作 『おちゃっぴ』 に登場した神田の岡っ引き<伊勢蔵>が、『身は姫じゃ』に娘<小夏>の婿となった<龍吉>共々登場、また、薬種問屋「丁子屋」の若旦那<菊五郎>も、タイトルとなっている『神田堀八つ下がり』に登場、女房<おかね>とも安定した生活をしている姿が描かれていて、楽しめました。
著者は東京工業大学建築学科卒を卒業された一級建築士で、紀行作家として活躍されています。
設計事務所勤務を経て、建築プロデューサーという職業についていますが、
自己研修のために訪れてきた世界中の「ホテル」を舞台に、短篇が31話納められています。
建築を志す者がそうするように、貧乏旅行をしながら「ホテル」の見学にかける情熱が伝わるとともに、ホテルマンやそこで出会った人物たちとの交流が、ほのぼのとした文章で語られています。
末には登場する31の「ホテル」の解説もあり、読者にも「まだ見ぬホテル」へと誘う構成で、ガイドブックとしても貴重な資料になる一冊でした。
本書のタイトルでもある『ちょいな人々』を含め、7話の短篇が収められています。
どれもユーモアにあふれた話しが描かれていて、どこにでも起こりそうな日常の話題が主体で、笑わせてくれます。
阪神タイガースファンとしては、『くたばれ、タイガース』のタイトルが気になり購入です。
巨人ファンの父親のところに阪神ファンの男が、娘との結婚を承諾を取りに出向きますが、そこは長年のライバル同士ということで、戦々恐々のやり取りがほのぼのと楽しめました。
また『いじめ電話相談室』は、相談員の<聡子>の奇抜な「いじめ」への対策が楽しめ、ユーモアを含みながらも含蓄ある内容で、著者の鋭い視線に感心してしまいました。
主人公<長谷清七郎>は、<長谷半左衛門>と下女<おしの>の間に生まれた厄介者で、2歳年上の嫡男<長谷市之進>のもと家士として不遇な生活を強いられていましたが、22歳のときに家を飛び出します。
25歳の現在、絵双紙本屋「紀の字屋」の筆耕等で生計を立てていますが、彼が「紀の字屋」の主<籐兵衛>から、店を継いでくれないかというところから物語は始まります。
「紀の字屋」には、店の引継ぎ話しに反感を抱く絵師の<与一郎>や、昔は巾着切りだった<小平次>といった生い立ちに関する出来事が主体となり、登場人物たちの人間模様が語られていきます。。
また、<50歳の<籐兵衛>に寄り添っているまだ年若い<おゆり>の素性も残したまま、<清七郎>は<清七>と名を改め「紀の字屋」を継ぐことになりますが、まずは念願であった江戸の「切り絵図」(地図)作成に着手していきます。
副題の<切り絵図清七>とありますように、これからシリーズとして続巻が刊行されて行くと思いますが、今後のの少年<忠吉>の成長や<おゆり>の正体などの展開に興味が尽きません。
<警視庁捜査一課・貴島柊志>シリーズとして、『「死霊」殺人事件』 に次ぐ第4作目が本書です。
元中学教諭<日比野功一>の妹<ゆかり>が20歳が、家庭教師のアルバイトの帰宅時に、何者かに誘拐されたところから物語は始まります。
同時期に、鍵とチェーンの掛かった密室状態の7階のマンションから大学生の<前島>の転落死亡事件が起こり、中野署の<倉田>刑事が現場に急行、本庁から<貴島>が出向いてきますが、二人は第一作目の 『i(アイ)鏡に消えた殺人者』 で女流作家の殺人事件を担当しています。
捜査にあたった<貴島>は、<前島>の仲間として中学時代の同級生<坂田>・<江藤>を調べ出しますが、6年前に<日比野功一>が受け持ったクラス仲間であり、当時彼ら3人のイジメにより自殺した<吉本>という生徒の父親を疑い始めますが、<坂田>は殺され、<江藤>も襲われ、重体で発見されます。
<ゆかり>が行方不明になって一週間後に、彼女は交番の巡査によって保護されますが、事件の結末は意外な所で解決していきます。
推理小説としての構成には、納得できない部分(ネタバレになりますので書きません)もあり、また最後の「エピローグ」が必要なのかなともおもえましたが、それなりに楽しめました。
明日24日から26日まで、元町商店街の海文堂書店の2階ギャラリーで【女子の古本市】が開催されます。
筑摩書房のPR冊子「ちくま」に、「古本屋は女に向いた職業」というタイトルで連載されていました岡崎武志さんのコラムが、『女子の古本屋』として2008年に刊行されています。
著者のトークイベントも、25日(土)14時~17時に行われますので、ファンが詰めかけることでしょう。
参加店は仙台から沖縄まで、全国各地の女性の古本屋が50店舗ばかり集まり、神戸も「トンカ書店」をはじめ5店舗が参加しています。
どのような店主さんが全国から集まるのか、今から興味津々です。
1995年、44歳の主婦<井口美恵子>にとっては、高校受験に失敗した息子と製薬会社に勤める夫がいる専業主婦の生活をしていました。
ある日高校時代からの友人<かおり>から借金の申し込みを受け、万が一のことを考えて「フォー・リバース」というコンビニに勤め出します。
専業主婦からパートの生活に馴染んだ頃、自由奔放な性格の<かおり>からバンド結成の話しが持ち上がり、万引きで知り合った<雪見>、募集してきた元プロミュージシャンの<新子>が加わり、4人は<ディープ・パープル>の『スモーク・オン・ザ・ウォーター』一曲に絞り練習を開始していきます。
コンビニのアルバイト<石川>から、高校で阪神・淡路大震災のチャリティー・ステージが開催されることを知り、舞台に立ちたい一心でさらに練習は過激さを増していきます。
40歳代のオバチャンパワーがひしひしと伝わってくるエンディングは圧巻で、1995年を中心に現れる歌謡曲などのタイトルも、懐かしく散りべられていました。
主人公は、遠く離れた被害者の恐怖を察知する能力を持つFBI捜査官<ルーカス・ジョーダン>です。
彼は<ノア・ビショップ>をチーフとする「SCU(スペシャル・クライム・ユニット)」のメンバーとして、特殊能力を買われ5年前から捜査に参画していました。
ノースカロライナで起こった誘拐事件が、この一年半捜査している連続誘誘拐事件に関連すると見た<ルーカス>と相棒の<ジェレミー>は現地に赴きますが、そこで今回の誘拐を予知したカーニバルの占い師であり、かっての恋人であった<サマンサ>と再会します。
<サマンサ>は、この誘拐事件の犯人は<ルーカス>に対する挑戦だと告げますが、犯人は<サマンサ>の予測と違う人物を拉致して殺してしまいます。
お互いに暗い過去を背負っていることにより特殊な能力が身に付いた<ルーカス>と<サマンサ>の心の葛藤を通じ、猟奇的連続誘拐犯を追いつめていくラブサスペンス・ミステリーとして、楽しめました。
日本の数学教育がおろそかにされているのを憤慨した天才数学者「ドクターピタゴラス」こと<高木源一郎>は、数学テロ組織「黒い三角定規」を立ち上げ、数学教育の確立という自分の要求が通るまで国民を人質として殺戮を繰り返すと動画サイトで訴えてきます。
彼の作成した教育ソフトで勉強した日本人は予備催眠を埋め込まれており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなってしまいます。
警視庁の対策本部は、この20年間<高木>の数学教育を受けた人物を動員するわけにいかず、数学の天才中学生<浜村渚>の力を借り、事件解決に乗り出していきます。
僕こと対策本部の刑事<武藤龍之介>の目線で事件は語られ、「四色問題」・「数字のゼロの意味」・「フィナボッチ数列」・「円周率」等の数学的話題を織り込みながら、数学ミステリーとして楽しめました。
世の中自分の思い通りに生けていけるほど甘くはなく、また一人だけの世界で生きていけるわけにもいかず、かならず人間関係が良くも悪くも付きまといます。
本書は女性を主人公に据えて、嫉妬や欲求不満、不信感、欲望といった感情を通して、殺意という行動が芽生える事件などが6篇納められています。
不妊に翻弄される女、殺人事件の起こったマンションの部屋に引っ越してきた女、結婚願望の女を落としいれる女、母親への愛情を感じられない女などが登場、身勝手な女たちは、誰の身の周りにもどこでもいそうです。
「んん~」と唸らせる各短篇の終わり方に、心理サスペンスとして楽しめた一冊でした。
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