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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『QED 諏訪の神霊』高田崇史(講談社文庫)

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『QED 諏訪の神霊』高田崇史...
前作の 『QED~flumen~九段坂の春』 に次ぎ、<QEDシリーズ>15冊目になる本書です。

長野県・諏訪大社は、急な坂を大木でもって滑る落ちる「御柱祭」で有名ですが、今回はその祭りで事故死したことがらをプロローグとして物語は始まります。

諏訪大社の「七不思議」を解き明かそうと、<桑原崇>と<棚旗奈々>は諏訪神社へ旅行に出向き、旧友の<鴨田翔一>達と合流して、大社をめぐりますが、<鴨田>が住む新興住宅街で起こる連続殺人事件と遭遇してしまいます。

本書も著者の諏訪大社に対する博学的な歴史的知識が満喫でき、並行して起こる殺人事件と1200年を超える諏訪大社の謎が絡み合う構成で楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『吾郎とゴロー』川渕圭一(幻冬舎文庫)

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『吾郎とゴロー』川渕圭一(幻冬...
帝都大学医学部を優秀な成績で卒業した<青山吾郎>は、意に反して帝都大学附属病院の本館ではなく、医療設備も古い分院にて内科研修が始まりました。

同期研修の3人<哲也>・<のり子>・<皆川>(著者と同様に脱サラ後、37歳にて医者になった人物)は皆優柔不断で、<吾郎>は深夜の中庭でひとり愚痴をこぼしていたら、この病院で6年前に亡くなった<菊池ゴロー>という幽霊と遭遇してしまいます。

彼は急性骨髄性白血病のためわずか13日の入院で亡くなった患者ですが、「心に残る未練」があり、<吾郎>に対して「医者とは何か」を諭すように毎夜現れてきます。

遺伝子の分野で世界的に権威のある医者を夢見ている<吾郎>でしたが、<ゴロー>との出会いを通して、改めて「医者とは?」・「医療とは?」を考え直し、「心に残る未練」をも解決に導き、人間的に成長する<吾郎>の姿に共感を覚えながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『架空の球を追う』森絵都(文春文庫)

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『架空の球を追う』森絵都(文春...
収められているのは11わの短篇で、大上段に構えたものではなく、どこにでもある日常生活をとらえて、著者のするどい目線で切り込む作品が詰め込まれています。

どの作品も特別なドラマが展開されているわけではありませんが、登場する人物たちの立ち居振る舞いや台詞に、妙に「にやり」と苦笑いが出てしまいます。

特に『パパイヤと五家宝』の笑える結末には、してやられたという感があり、してやったりとした著者の顔が浮かんでしまいます。

さりげない日常生活に浮かび上がる出来事を、ていねいな文章で綴られ、小気味よい読後感が残る一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『県立コガネムシ高校野球部』永田俊也(文春文庫)

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『県立コガネムシ高校野球部』永...
長野県の片田舎にある県立佐久沼高校の野球部を舞台に繰り広げられる、痛快野球小説が本書です。

ニューヨーク在住から東京大学を卒業、今でははITビジネス界の新進実業家となった30歳の<小金澤結子>はプロ野球球団のオーナーになろうとしますが、<百川勘太郎>に拒否され、彼の孫が通う甲子園出場常連校の「長野光陵学園」を倒す執念のため、金銭にモノを言わして「佐久沼高校」の野球部長に納まります。

指導方法は<結子>がビジネス業界で培ってきた経験と知識を駆使して、キャプテンの<菊池昇平>やエースの<熊谷辰雄>、マネージャーの<池野あずみ>などを巻き込みながら、県大会へと進んでいきます。

スポーツマン根性と真っ向から反するような指導方針が続きますが、やがて<昇平>たちは<結子>の考え方に同調、見事決勝戦まで登り詰め、ユーモアと人情味を交差させながら、優勝候補の「長野光陵学園」との手に汗握る試合展開にのめり込める一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『深川にゃんにゃん横丁』宇江佐真理(新潮文庫)

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『深川にゃんにゃん横丁』宇江佐...
ライフワークとして40年近く『早川ポケットミステリー』シリーズを読んできていますが、最近は好きな作家たちが次々と亡くなり、少しばかり遠のてしまいました。
待ち遠しいのは、<デボラ・クロンビー>の「キンケイド警視シリーズ」、<R・D・ウィングフィールド>の「フロスト警部シリーズ」、<P・コンウェル>の「検屍官ケイシリーズ」ぐらいなものでしょうか。

そんな折り、最近江戸時代を舞台にした女流作家ものが多く出ているのに気が付きました。
一昔前までは、<山本周五郎>・<池波正太郎>・<司馬遼太郎>・<藤沢周平>などが人気で、名前がすぐに浮かびます。
海外ミステリーに熱中しているあいだに、本書の<宇江佐真理>をはじめ<諸田玲子><北原亞以子><藤原緋沙子>等の女流作家が江戸時代を舞台に活躍されています。

江戸学といえば、早くして亡くなられた<杉浦日向子>さんを思い出しますが、待ち遠しいミステリーが発売されるまで、人情味あふれるお江戸話しを読んでみようかなと考えています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『! ビックリマーク』二宮敦人(アルファポリス文庫)

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『! ビックリマーク』二宮敦人...
聞き慣れない文庫名ということもあるのですが、表紙のイラストが何とも不気味な感じで手に取ってみました。

俗に言われるホラー小説3篇が納められていますが、どれも今の時代を反映してか、「携帯電話」がいい小道具として扱われています。

『クラスメート』は、偶然に拾った電話にクラスメートの惨殺死体が撮影されていたことにより、<渡辺ケイタ>と<藤島タツヤ>は犯人をおびき寄せる作戦を立て、待ち伏せを考えます。
『穴』は、予備校生の<私>が偶然に壁に穴を空けてしまうのですが、向こう側には殺人鬼が住んでいるようで、殺伐とした受験環境の中で「私」は姿の見えない殺人鬼と置手紙を通じて心を通わしていきます。
『全裸部屋』は、突然朝目が覚めたら窓も入り口もない白い壁の部屋に「私」は閉じ込められている状況で、初めは3メートル四方の部屋が、時間と共に縮まってゆく状況の中で、必死に「携帯電話」で外部に助けを求めるのですが、救出されない「私」の心境がつづられていきます。

どれもホラーらしい構成で読者に最後の展開を予測させることなく、最後まで読まざるを得ない内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『はなたちばな亭恋空事』澤見彰(角川文庫)

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『はなたちばな亭恋空事』澤見彰...
時代は文政(1818~1830)年間、神田蝋燭町界隈にある「橘屋」の離れを無償で借り受けて、美人で地味で、ちょっと変わり者の17歳の<お久>は近所の子供たちを集めて手習い小屋「たちばな堂」を営んでいますが、厳しい指導で「鬼師匠」と呼ばれています。

大師匠の父<杢兵衛>は床に臥せっており、母<お咲>は、家を出て行っておりません。

「橘屋」の手代<金一>は<お久>と幼馴染で同い年、ある日彼は両国橋で、狸が化けた白色で目の周りに黒い模様が入る子犬を見つけ、<お久>のもとに届け<クマ>と名付けられます。

そんな「たちばな堂」の<お久>や<金一>を中心として起こる奇怪な事件を、落語調の軽快な語り口で楽しめる一冊でした。
続巻が続くようで、母<お咲>の謎や狸である<クマ>の真相、<お久>と<金一>のその後が気になるシリーズになりそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『チヨ子』宮部みゆき(光文社文庫)

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『チヨ子』宮部みゆき(光文社文...
人気作家の著者としては珍しく、本書は1999年から2010年に書かれた五つの中短篇で構成された2冊目の文庫オリジナルで、個人短篇集未収録作品です。

超常現象を題材にした作品や、表題の『チヨ子』のようにぬいぐるみの思い出にまつわるファンタジー的な作品が納められています。

『チヨ子』以外の作品は、殺人事件に絡むミステリーっぽい内容で、どれも見事な結末でまとめられているあたりは短篇の名手としてのうまさを感じ、面白く楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『仏果を得ず』三浦しをん(双葉文庫)

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『仏果を得ず』三浦しをん(双葉...
高校の修学旅行で見学に出かけた主人公<健(たける)>は、「人形浄瑠璃・文楽」の<太夫>が語るエネルギーに感化され、研修生として2年間をすごし、師匠<笹本銀太夫>について修業をつんでいます。

ある日師匠から、三味線の相方として<兎一郎>を指名され驚く<健>ですが、お互い文楽にかける情熱は半端ではなく、<銀太夫>と<兎一郎>との伏線を忍ばせながら、稽古に励む<健>が描かれていきます。

<健>は、ボランティアで小学校で文楽を指導していますが、教え子の中に<おかだみらい=サラ>がおり、<健>はこの母親<真智>に一目ぼれしてしまいます。

芸としての文楽の修業と<真智>に対する恋心とが揺れる状況は、まさに文楽で描かれる<男と女>の世界に通ずるものがあり、また納められている8編はどれも有名な演題が付けられており、読みながらにして文楽の知識が身に付くというありがたい一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『三悪人』田牧大和(講談社文庫)

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『三悪人』田牧大和(講談社文庫...
講談社文庫の<田牧大和>の作品としては、『花合せ 濱次お役者双六』 に次ぐ2冊目になります。

文政4(1821)年の師走、目黒・祐天寺が付け火で焼け、眼の見えぬ僧<笙雪>が焼け死に、一人の身元不明の女の焼死体が見つかるところから物語は始まります。

蕎麦屋の用心棒として居候している<遠山金四郎景元>は、火事は寺社奉行<水野左近衛将監忠邦>が仕組んだもので、亡くなった女は彼の従妹である<清姫>であることをネタに、<忠邦>を強請ろうと仲間の<鳥井耀蔵>と共に屋敷に出向いていきます。

<金四郎>は吉原に馴染の遊女<夕顔>がおり、その弟が<笙雪>であり、不運な出生を秘めていますが、足抜けをさせたあと<忠邦>に彼女の関所破りに協力させようと計るのですが、策略家の<忠邦>は迎え撃つ作戦を考えていました。

狐と狸の化かし合い宜しく、それぞれの思惑を心に秘めながら策略家らしい知恵比べが面白く楽しめ、心地よい読後感が味わえる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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