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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『求愛』柴田よしき(徳間文庫)

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『求愛』柴田よしき(徳間文庫)
主人公は、29歳のフランス語の翻訳者<小林弘美>です。元彼の<新藤幹久>と結婚した親友の<由嘉里>が自殺、その後届いた葉書の文面から自殺とは信じられず、<幹久>の姉<容子>が関与していることを突き止めます。

<容子>は、夫<幹久>の素行調査を頼んだ悪徳調査事務所の強請に合っており、お金絡みで<由嘉里>を殺めてしまいました。

又その後、息子を亡くした<袴田弓枝>と知り合いますが、<弓枝>が交際相手と無理心中で亡くなってしまいます。この事件も三角関係のもつれだと見抜き、かかわり合った私立探偵<梶本真二>と知り合い、<容子>を落としいれた悪徳探偵事務所に復讐するために探偵事務所の調査員となります。

様々な探偵の仕事をこなしながら、成長していく<弘美>の姿が描かれていて、タイトルの『求愛』の意味が、最後にわかる重厚な構成でした。
#本 #読書

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『その夜の雪』北原亞以子(講談社文庫)

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『その夜の雪』北原亞以子(講談...
本書には、表題作を含む7つの短篇が納められています。

単行本として刊行されたのは1994(平成6)年ですが、江戸時代を舞台とする物語は、どの作品も色あせることなく、市井に生きる庶民の生き様として心に響いてきます。

表題作の『その夜の雪』は、著者の<慶次郎縁側日記>シリーズに登場する「仏」と呼ばれる人情派の定町廻り同心の<森口慶次郎>が初登場、祝言を間近にひかえながら暴漢に襲われ自害、<慶次郎>は家の取り潰しをも心に刻みながら、周年で下手人を探し出すのに紛争、愛娘の敵を討とうとします。

この表題作以外は、誰もが経験するような親子・夫婦の日常生活の喜怒哀楽を主軸に、最後には前向きに人生を歩もうとする登場人物たちの姿に感動を覚える短篇集でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『あそび遍路』熊倉伸宏(講談社文庫)

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『あそび遍路』熊倉伸宏(講談社...
著者の職業は精神科医で、特定の宗教を持っておらず、またどちらかといううと宗教に関心を持つこともありませんでしたので信仰心もなく、タイトルとして「あそび」という言葉を使用されていますが、やはり一精神科医としての目線をくずすことなく、遍路旅を続けられた記録として面白く読み終えれました。

88か所を休みを利用して歩かれていますが、全行程を歩き続けることを「遠し」、お寺に参ることを「打つ」、時計回りの反対に回ることを「逆打ち」など、遍路特有の言葉が出てきますので、<遍路>の解説本としても参考になります。

<歩ききれるか、否か。それを分けるのが脚である>という文章が何回か登場してきますが、<四国遍路は循環と皆既の行為で、基本的な終わりがない>という言葉と合わせ、やはりみずからの脚で回らないと、本当の<遍路>の意味が見いだせないことを、改めて自覚できました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『東京島』桐野夏生(新潮文庫)

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『東京島』桐野夏生(新潮文庫)
夫<隆>と世界一周のヨットの旅に出た<清子>は、暴風雨に会い、無人島に流れ着くところから物語は始まります。

当初は夫婦二人きりの生活でしたが、やがて日本の若者21人が島に流れ着き、女性は46歳の<清子>一人という共同生活が始まりますが、夫<隆>は亡くなります。
日本人だけでの生活でしたが、ホンコンと呼ばれる謎めいた11人のグループが流れ着いてきます。

紙の一枚、鍋のひとつもない無人島でのサバイバル生活を通して、各登場人物たちの人生の隠れた秘密が描かれ、文明社会との対比でもって、人間の本能に迫る迫力ある場面が展開、面白く読み終えれました。

特に夫を4人も替えながら、女一人で男の中を渡り歩く<清子>のしたたかさが印象的で、ラストの鮮やかな締めくくりは、「谷崎潤一郎賞」受賞という名に恥じない構成でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『任侠スタッフサービス』西村健(集英社文庫)

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『任侠スタッフサービス』西村健...
本書は2部構成で、第一部は『小説すばる』に掲載された7話からなり、第二部は文庫本のために書き下ろされています。

第一部では、福岡を拠点とするヤクザの<馬場組>が、フロント企業として<倶利伽羅紋々スタッフサービス>を立ち上げ、読者に目的がわからないまま零細旅行会社社長<飯田>、旅館<武富>の主人<芦野>、コンパニオン会社の経営者<岡田>、県労働局の役人<西丸>、パソコンが得意な大学生<鈴木>、大型ドライバーの<大胡>、居酒屋店主<藤枝>、など7名をヤクザな手口で誘い込み、<倶利伽羅紋々スタッフサービス>の社員として引きずり込まれます。

第一部に登場する7話それぞれが楽しめる内容で、すっかり福岡弁の世界に引きずり込まれました。

第二部では、集められたメンバー達が<倶利伽羅社>の目的を推理するなか、暴力団滅亡を掲げる警察の面々が登場、結末が予測できないなか、怒涛のノンステップミステリーが展開、ハラハラドキドキのコンゲームが楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『偽りのホワイトハウス』スコット・マクレラン(朝日新聞社)

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『偽りのホワイトハウス』スコッ...
クーデターで失脚したタクシン元首相の支持者の反政府デモで、日本人ジャーナリスト村本博之さんが銃撃に遭い、亡くなられました。
告別式が執り行われてから、一週間が経ちました。
報道ジャーナリストとして、使命感に燃えていたことだと思います。改めてご冥福を改めて祈りたいと思います。

さて今日は『偽りのホワイトハウス』を読み切りました。
元ブッシュ大統領の報道官の回想録です。
ブッシュと同じテキサス州出身の著者ですが、冷静に、イラク戦争に突入した経過を包み隠さず書いています。

ジャーナリズムを選挙に勝ち抜くために利用し、勝ち抜いた後も情報操作を繰り返していた現状がよく描かれています。

報道と取材の自由をかけたジャーナリストが、今の日本に存在するのかと改めて疑問に感じました。
政府の発表記事を鵜呑みに、そのままの報道しているだけで、自らの目と耳と足で疑問点を厳しく問うこともなく、隠された真実を探ろうともしないメディアは、もはやマスコミの本質を忘れているのではないでしょうか。

安全な日本にいて、バンコクのデモ風景を眺めているでけではなく、各社それぞれのコメントを付けて報道すべきだと、村本さんの出来事に重ね合わせて読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『三四郎はそれから門を出た』三浦しをん(ポプラ文庫)

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『三四郎はそれから門を出た』三...
本書は全6章からなる、本とカルチャーに関するエッセイ集です。

元町田駅前の大型古書店「高原書店」に勤務していただけあって、本の虫の著者らしい読書内容を感じるとともに、多くの本が登場、著者の軽快な解説文が楽しめます。

第4章の『なんだよ風見鶏』は、雑誌『anan』に連載されたエッセイですが、神戸に訪れた際のページがあり、ちょっぴり嬉しくなりながら読みました。

文庫版のあとがきに、<「私は、あらすじ紹介に終始しない」・「最後の一、ニ行で、『しかし、これはいただけない』といったどんでん返しをしない」ことを心がけたつもりだ。>は、わたしも読書日記としてコメントを書いている立場として、「なるほど!!」と納得です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『千年樹』荻原浩(集英社文庫)

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『千年樹』荻原浩(集英社文庫)
全8話の短篇が納められていますが、どれも連作的に過去と未来が交差する構成で、どっしりと胸に重みを感じる内容でした。

冒頭は、9世紀ごろの地方豪族・浅子一族は、国司として派遣された夫婦と5歳の子供を追放しますが、やがて親子は冬山の中で餓死する場面から始まり、どのような物語が紡ぎだされるのか、わからないまま語り手の世界に読者は没入していきます。

現在では樹齢推定千年と言われる大木に育った「くすの木」は、「日方(ひかた)神社」のご神木となりますが、昔は「ことりの木」(=子盗りの木)と言われ、悲しい歴史を背負ってきています。

地方都市の高台にそびえ立つこの「千年樹」にまつわる人間ドラマが、時代を超えて交差する切ない物語が描かれており、特に『郭公の巣』は圧巻でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ブラックチェンバー』大沢在昌(角川書店)

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『ブラックチェンバー』大沢在昌...
元警視庁組織犯罪対策二課の所属していた<河合直史>は、警察捜査の限界を感じたところ、ロシアマフィアの一味に拉致され、殺されかけたところを『ブラックチェンバー』と名乗る組織に一命を取り留めます。

『ブラックチェンバー』とは、進化する国際犯罪に対抗するために非合法的に作られた地下組織で、<河合>は日本支部のリーダーである<北平>にスカウトを受け、台湾で一年間訓練を受けさせられます。
休暇としてバンコクに出向きますが、そこで<河合>を拉致して殺せと命令を出したロシアマフィアの<コワリョフ>と遭遇、彼は部下と共にホテルのバーで射殺されてしまいます。

北海道を縄張りとする<コワリョフ>ですが、バンコクやベトナムでの行動から、何がしかの大がかりな取引の計画が考えられ、<河合>は『ブラックチェンバー』のメンバーである元北朝鮮の女性工作員であるKキム・チヒ>と行動を共に動き出していきます。

ロシアナフィアと日本のやくざ「山上連合」の思惑が交錯するなか、おもわぬ国際的陰謀を突き止める<河合>の正義感ですが、『ブラックチェンバー』の「犯罪による利益を収奪する」という強欲な考え方の対立が見事に描かれ、最後まで気の抜けない展開で楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『λ(ラムダ)に歯がない』森博嗣(講談社文庫)

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『λ(ラムダ)に歯がない』森博...
監視カメラで一日中出入り口は録画されており、セキュリティーの施錠も行われているT建設技術研究所の構造実験棟で4人の銃殺死体が発見されました。

いずれも至近距離から撃たれており、4人のポケットには<λ(ラムダ)には歯がない>と書かれたカードが入っており、また4人とも死後に歯が抜かれていました。

殺人が行われた夜に研究所内の別棟で実験を行っていたC大学の2年生<海月及介>と院生の<山吹早月>は、N大学院生の<西之園萌絵>の協力のもと、事件の解明に乗り出し、事件に関連して<西之園>は、自分の抜け落ちた大切な過去を取り戻します。

建築の「免震構造」をうまく取り込んだトリックで、最終段階で真相にたどり着きますが、登場人物たちの個性がよく出ており、建築設計を生業としている立場としても、楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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