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2021.5.30
そのひと皿って、どんな料理?
美味しそうな料理?
◇あらすじ◇
戦禍とコロナ禍を生きる17歳
1946年戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京で飢えと貧困に苦しむ。
放浪の果てにたどり着いた上野の地下道、そして闇市で、きょうを生き延びるためにもがき続ける。
2020年都内の私立高校に通う洲崎駿は、新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛生活を強いられる。
父の勤務先が倒産したのをきっかけに、平穏だった家族の日常は崩壊していく。
ものがたりは、戦禍の時代とコロナ禍の時代で、平行して進んでいくが、
最後にふたりの過酷な青春が74年の時を経て、鮮やかに交錯する。
最後は、こう繋がったか ! お見事です。福澤くん。
夕食は、焼きそばを作って食べました。
【本】
(2021/3/30)
弥勒シリーズ第十弾。
桜の装丁に戻りました。
◇内容◇
口入屋の隠居と若女房が殺された。
北定町廻り同心木暮信次郎は、二人の驚愕の死に顔から、
昔、亡き母が呟いた「死の間際、何を見たのであろうか」という言葉を思い出す。
岡っ引伊佐治、商いの途に生きようと覚悟する遠野屋清之介とともに、江戸に蔓延る闇を暴く。
すんなり事件は解決されたとばかり思っていると・・・まだまだ頁が残っています。
事件は、更なる展開を見せ、解決の先に、再び新たなる新事実へと。
面白く読めました。
赤ん坊だったおこまちゃんが大きくなり、物語に花を添えています。
2006年から始まった弥勒シリーズ。
飽きることなく、まだまだ続きます。
【本】
祥伝社 (2018/4/20)
読んだ本は2019.1.30 6刷
友人のおすすめの本です。
たんたんとした孤独を感じる本でした。
熱熱のコロッケとやさしさが詰まっていました。
アクのない作品です。
◇内容◇
両親を亡くし、大学をやめた二十歳の秋、
見えなくなった未来に光が差したのは、コロッケを一個、譲ったときだった…
【本】
この後、6月に入り、この作者の本を2冊読みました。
『まち』祥伝社 2019.1120
尾瀬おぜ ヶ 原はら が広がる群馬県 利根とね 郡 片かた品しな 村で 歩荷ぼっか をしていた祖父に育てられた 江藤瞬一 。
高校卒業とともに上京し、引越の日雇いバイトをしながら荒川沿いのアパートに住んで四年になる。
かつて故郷で宿屋を営んでいた両親は小学三年生のときに火事で亡くなった。
二人の死は、自分のせいではないかという思いがずっと消えずにいる。
近頃は仕事終わりにバイト仲間と他愛のない話をしたり、お隣の母子に頼まれて害虫退治をしたり、町の人々に馴染みつつあった。そんなある日、突然祖父が東京にやって来ると言い……。
ひとがつながり まちができる。
僕にもうひとつ、帰る場所ができた。
人と交わり、強く優しく成長していく若者の物語。
『縁(ゆかり)』講談社 2019.9.17
「親御さんと、こう、親しすぎるんじゃないかと」
室屋忠仁、38歳。少年サッカークラブでコーチのボランティアをしていたが。
「こんなふうになるからもう無理だってこと」
春日真波、28歳。デート中、鈍い彼氏にきつくあたってしまったら。
「おれなら土下座だってしますけどね」
田村洋造、52歳。25歳の息子が女子高校生と付き合い、その父親に呼び出されて。
「何とかするよ。百万で、いいかな?」
国崎友恵、52歳。息子の就職の口利きのため、お金が必要に。
人は人を傷つける。けれど、予期せぬ「縁」がそれを救うこともある。
どの作品も東京の空の下、人々が繋がっている感じです。
人間臭い作品でした。
読みながら、少々疲れました。
新刊が出ると知った2月の終わりに予約をして、ようやく読むことができました。
六之続は、分厚い本でしたが、七之続は三話のみで薄めの本でした。
◇内容◇
江戸は神田の三島屋で行われている変わり百物語。
美丈夫の勤番武士は国元の不思議な〈火消し〉の話・・・火焔太鼓
団子屋の屋台を営む娘は母親の念・・・一途の念
そして鯔背な老人は木賃宿に泊まったお化け・・・魂手形
について、富次郎に語り捨てる。
主人公の富次郎が『おまえさん』の淳三郎のあじわいを醸しています。
【本】
2019.12.1 偕成社
続きが出たのは知っていたのですが、ようやく読みました。
面白い。期待を裏切らない展開です。
白狐であることが人間に知られて、時代は、天保まで来ましたが、まだまだ続きそうです。
◇内容◇
約130年ぶりに江戸の町をおとずれた白狐魔丸は、大泥棒・鼠小僧次郎吉と出会う。
盗んだ小判を町屋の屋根からばらまくことで知られた鼠小僧だったが、それはにせ者のしわざだった。
為一と名乗る画家・葛飾北斎との旅に同行したのち、白狐魔丸は仙人のすすめで大坂へと向かう。
そこで出会ったのは、白い狐の面をつけた盗賊と、それを追う与力・大塩格之助。
格之助の父・大塩平八郎は、凶作が続き、飢饉に苦しむ民を救おうとしない幕府や奉行所に怒り、反乱を企てていた。
時代をこえて生きる狐・白狐魔丸の目をとおして、人間社会の不条理を見つめる。第7弾。
【本】
集英社2020.9.10
10月初めに図書館に予約して、2ヶ月で届きました。
普通(この定義は難しいのですが)の人間が崇高になる作品でした。
人間は、誰もが崇高なのかもしれません。
◇内容◇
『神の歴史』の本の間から見つかった亡き妻宛ての古いハガキ。
差出人は大学生の男。亡き妻の知られざる過去を追い、男は灯台巡りの旅に出る。
人生の価値を伝える長編。
マーガレット・ワイズ・ブラウン さく
フレーベル館
絵本から離れて、長いじかんが過ぎました。
今朝、卒業式に合う詩に何かない?と友人から聞かれました。
すぐに『たいせつなこと』が思い出されました。
忘れていた!!「たいせつなこと」
久しぶりに声に出して絵本を読みました。
こころが救われました。
(2019/12/10)
2月29日に図書館に予約して未だ順番が100番以上待ちでした。
本は、なるべく買わないようにしているのですが、
不特定多数の方々が触れて回ってくることを考えると怖くて、
どうしても読みたい本なので、久しぶりに購入しました。
<三島屋変調百物語>シリーズ第6弾
江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。
これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいったので、
次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。
気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する富次郎。
おちかが聞き手だったころ、ふとした縁の導きがあって三島屋に入り、百物語の守り役となったお勝。
富次郎が幼いころから三島屋に奉公してきた古参の女中、おしま。
この三人で語り手を迎え、新たな百物語の幕が開く。
再会した友が語り始める一家離散の恐ろしい運命 第一話「泣きぼくろ」
村の女たちが<絶景の丘>に登ってはならない理由 第二話「姑の墓」
妻子を失った走り飛脚が道中めぐりあう怪異 第三話「同行二人」
異形の屋敷に迷い込んだ者たちを待つ運命第 四話「黒武御神火御殿」
「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」
怖ろしくも愛おしい極めつきの怪異と不思議。
心揺さぶる江戸怪談、新章突入!
本を読むのは、夜の独りの時間。
あちらで、家が軋んだり、こちらで物音がします。
ちょっぴり怖い・・・いえいえ、かなり怖い。
久しぶりに買った本は、紙のにおいが臭い・・・胸が悪くなるような妙なにおい。
本の紙の匂いが好きな私ですが、569頁もある本のにおいが気になりました。
あやかしのにおい?
「黒武御神火御殿」は、途中で面白くなくなって、本も臭いし、なかなか進みません。
半ばを過ぎると、ようやく読めました。
2020.3.30
昨年『群青の魚』を読んでから、数冊この作者の本を読み、ドラマも観ました。
先日は、新聞にも円熟のストーリーテラーとして紹介されていました。
今回もダークな世界が描かれています。
『白日の鴉』と『Iターン』と『ジューンブラッド』がミックスしたような作品でした。
この作者の作品は、凄まじい展開の後に最後は、ほっとすることが多いです。
今回は、ほっとというか完全燃焼できなかった感じです。
◇内容◇
食材偽装の告発に絡み、子会社に左遷された50歳のサラリーマン、入矢悟。
過酷な業務に耐えかねて本社への復帰を図ったが、冤罪での逮捕をきっかけに解雇され、家庭は崩壊する。
さらに悪徳プロダクションの罠にはまった大学生の娘に助けを求められる。
殺人現場を目撃した入矢は殺されそうになるが、必死に命乞いをして殺し屋四科田から半年の命の猶予を得た。
四科田の指示通りに動く日々が始まった。恐怖と凄惨な暴力に苛まれる悪夢のような日々。
入矢は孤独と絶望のなかで、しだいに変貌を遂げていく。
本文より
「先があると思うから、いまが―現在が苦しくなる」
「現在は誰にも認識できない。認識した瞬間、現在はすぎ去っている。つまり現在とは、すでに過去だ。過去は記憶にすぎず、未来は存在しない」
「過去は記憶、現在は感覚、未来とは想像だ。未来はクロノス―過去から現在そして未来へと直線的に時が流れるという時間認識によって生まれる」
「こうしてる何秒かの間にも未来はやってきていると思えるのは、その数秒間が過去として記憶されたからだ。そもそも時間とは認識だ。計測的にはおなじ一秒でも、体感時間は長短がある」
「現在とは感覚であり、一瞬前の過去だが、人間が生を実感できるのは、やはりその瞬間しかない。にもかかわらず未来を思いわずらうのは、過去の思い出に耽る老人と同じだ」
今回は、意識の問い・・・哲学的でもありました。
この本は、ソフトカバーでした。
本は、ハードカバーの単行本が好みです。
本を読んだという実感になります。
文庫本は、文字がぎゅっと詰まっているだけで苦手です。
新潮社 (2019/7/25)
エッセイは、あまり好まないけれど、
梨木さんらしいエッセイ集でした。
◇内容紹介◇
デビューから現在まで、25年の作家人生を映し出すエッセイ集。
森を歩き、鳥を観る。
きのこの生命に学び、人の未来を思う……物語を育む日常の思索を綴る。
「この文章が、いつか生きることに資する何かになってくれたら。受け手があって読んでくれて、初めて物語は完成する。作り手を離れ、そこから紡がれていく何かがあると思うのです。」
――創作の萌芽を伝え、読み手を照らす光が、胸に静かに届きます。
『家の渡り』が特に好みでした。
一言でいえば、空き家が更地になるおはなし。
私の家の周りでも、次々と古い木造家屋が壊されて、更地になり、建売住宅に様変わりしています。
珊瑚樹の生垣がぐるりとあった大きな日本家屋がありました。
主が亡くなったらしく、昨年、あっという間に家屋(しっかりとした日本家屋で解体されるとは思いませんでした)が解体され、生垣や庭木と共に伐採されて、更地になりました。
毎夏、珊瑚樹の花や赤い実を通りながら鑑賞させてもらっていました。
剪定した珊瑚樹をいただいて、珊瑚樹染めもしました。
時は、過ぎ去ってしまう・・・感じです。
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