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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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“ # ” のついたタイトルはツイッター詩(140文字以内)

おとなのことば

thread
ぼくが歩くと
「もっとむねをはりなさい」
おとなにいわれた

空を見て歩くと
「しっかり地を見て歩きなさい」
ちがうおとなにいわれた

下を見て歩くと
「まえを見て歩きなさい」
ちがうおとなにいわれた

ないて歩くと
「なくんじゃない」
ちがうおとなにいわれた

おとなはだれも
「どうしたんだい」
といってくれない

#詩

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#野球詩

thread
アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ!
じゃん拳をして負けた者が服を脱ぐ
大人たちが盛り上がっているテレビがあった
坂上二郎が負けると野次が飛ぶ
女優さんが負けると歓喜の叫び

学校でも流行って
気がつくと自分がパンツ一枚になっている
ヤバいと思った時に
チャイムが鳴りホッとした想い出

(野球拳)

#詩

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#クリスマス詩

thread
おい、今日はクリスマスだぞ

ケーキを食べるだけの日になり
気がつけば大人になっている息子

俺には関係ない日だよ

そう言って部屋に戻っていく
はしゃぎ回る子どもらを想い出し
ちょっと寂しくなる

サンタさんへの願いはなく
部屋からは「恋人はサンタクロース」が
聞こえてきた

#詩

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雲の上

thread
ほんとうに天国に居たんだね、ナナ
おいおい、そんなに喜んで飛びつくなよ
地上に落ちてしまうぞ
ナナ、ずいぶんと若くなっているな
すると俺も若くなっているのか
ほうほう、手のシミがなくなっている

おっとと、足元に茶々がいるじゃないか
相変わらずスリスリして
あんな事故でここへ来ることになって
ゴメン、許してくれるか

おおっ、父ちゃん
ずいぶん足どりも良く歩いているじゃないか
病室で俺が
もういいよ、楽になって
そう言ったら眠るようにこっちへ来たんだね
なんてことを言うんだ親に向かって
と、怒っているかなと思ったりしていたんだよ
笑っているね、父ちゃん

ああ、ここが天国なんだね
新入りの俺だけどよろしく頼むね

#詩

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ブーメラン

thread
自分が嫌いになった時
どうにもこうにも立ち上がれない

でも自分が嫌いになった正直さは
けして悪いことではないと思う
ひとりでないという証拠だ

あれもこれもそれも
敏感に反応してしまうが
無理に自分を好きになるよりも
嫌いな自分に慣れながら
#詩

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#シーラカンス詩

thread
この環境はいつまでも変わらないようだ
それなら陸に上がることもないか
やめよっ、居心地いいし
ずっとこの姿で生きてゆこう
笑う奴もいないし

おおっ、海底にあるコイツはなんだ
硬くて見たこともない感じだな
SPAMって書いてある
なんじゃこりゃ
まあ、俺たちには関係ないか

#詩

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#南極詩

thread
歩道にゴミが落ちていて
捨てる人と毎日拾う人がいる
自分さえ良ければという汚れた心
皆んなが良ければという拭う心

深い海の底にもゴミあって
南極大陸がゴミ大陸になって

地球のゴミは人の心を表している

#詩

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意見

thread
ひとに意見を言うのは難しい
自分の伝えたいことと
伝わることが違ったりする
どれだけひとを理解しているか
どれだけ自分を理解しているか
ひとと自分がいれば社会ができる
お互いの気持ちが
わかり合った社会がいい
ひとのために自分のために
勘違いされ勘違いしながらも
意見を言い続ける

#詩

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#美容室詩

thread
中学生の時
ストレスで髪が白くなり
美容室へ染めに行った

待合室にはファッション雑誌が並ぶ中
『ぼくは12歳』という本があった

表紙に「ひとり ただ くずれるのを まつだけ」
と書いてあった

自分も12歳で詩を書いていた
中を開かなくても分かった

美容室でその本を借りて帰った

#詩

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#百円玉詩

thread
自動販売機で使えない
100円玉があった
数字の左右にシマシマ模様があり
丸みのあるデザインで好きだった
自動販売機の表示に
この100円玉は使えません
と、絵にバツがつけられ
いつの間にか消えた100円玉

そんな話を休憩時間にすると
いつの時代ですか、と言われた……

#詩

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