輝きたい時があるのさ 年中じゃないけど ここにいるぜ そんな勢いで飛び出し ロックンロールがないと 張り合いがでねえ そんな自分を思い出し やってやろうじゃないか とやかく言う奴なんて 気になんかしていられない 笑われたら笑い返し 自分を駄目にしないぜ さあ、行こうじゃないか 晴れ舞台が待っているのさ 俺ってそういう人間だろ なあ、自分よ 勘違いじゃない 必然のロックンロールだよ やらなきゃ俺じゃない 声高らかに叫んでやるぜ
玉ねぎ、人参を切る 胡麻油で炒めてみた 入れすぎたのか 部屋中に胡麻油の匂いが 牛肉が白くなり 砂糖、酒、醤油、みりん 味がよくわからない 砂糖と醤油を足す お湯を入れ ジャガイモを入れ強火、蓋 でも怖い 焦げないだろうか 気になって蓋を開け 混ぜてみる やはり僕には度胸がない 味を何度も確認したり 蓋を開けてしまう なんだかんだで しらたきを入れ忘れ 仕上がる直前に入れる そして出来上がった肉じゃがを 器に移して食卓へだす あれっ このしらたきずいぶん長いよ そう言われ気づく 洗ってから切るのを忘れていた ご愛嬌、ご愛嬌 料理も経験とセンスなのかなあ 美味しい肉じゃが このハードルはなかなか高い いつしか納得いく 肉じゃが出来たのなら 泣いてしまうかもしれない 肉じゃが こりゃ奥深いぞ 僕の夢がひとつふえた 美味しい肉じゃがを完成させ 涙して食べるという そんな夢もいいじゃないか
壁を見るガイコツ 透けた目で青を感じている 君はモノと人間の 少し人間よりにいて 喋り出しても不思議はない その模る冷たさに移入し 僕はもしかすると 言葉を待っているのかも 不思議を取っ払い 世界が変わる時には 口をポカンと開けるだろう 感動の真逆を旅するまえに 君は僕に 何を話してくれるのだろう さあ なんでも言ってみてくれ もう準備は出来ているのだから
火曜日は不思議 月曜日より気持ちがどんよりして 詩を書かない頻度が高い 自分が書かないのなら 掲示板に投稿されている 誰かの詩を読もう そう思って覗いても 新しい作品はなかったりする 今日は火曜日ということで もう詩という気分でなかったが 敢えてそこに仕掛けたくなるのは 私の性分なのだろうか 一丁やってみますか それでこの詩を書いているが…… 火曜日というのはやはり 想像力を吸いとってしまうのか カピカピの発想しか出てこない 姑息に姑息をのせ 継ぎ接ぎだらけの詩になりそうだ やる気のない魔物がいて そいつと戦ってへなへなになって 燃えるような火ではなく 明日に水で消される 現実に面食らってのことか 火曜日は無気力に働いても 詩を書く者としては この二十四時間が 修練の時かもしれない 火曜日という雰囲気に 負けてはいけない いつでもどんな時でも 詩を書き続けよう この詩もぼちぼち仕上がるぞ 火曜日になんか負けていられないぜ
どんなきれいな言葉を連ねても 澱んでしまうのは きれいな詩を書こう なんて思ってしまうから そこにひとはもう飽き飽きしている 君の千作品を読んでも 同じ詩にしか思えないのは 頑張って詩を書いているからさ 頑張らない努力を知らないから そうなってしまうんだよ 君はどこかで自分の詩に酔いしれて 恥ずかしの園にいるのさ 詩を書いて充実を得ようなんて 甘すぎるんだよ そんな次元で言葉は生まれないし 心が詩にあっては駄目なんだ 息を吸って吐くように 自然に言葉を出し入れして 詩を書く感覚すらなくすことから 始めなくてはならない 君はまだ詩を書いていないんだ やめた方がいいよ 詩を書いている振りなんて
今朝は底冷えのない 新しきを知るような香り まだまだ油断はできないが 少しずつ春へ向かっている 冬という山 今年も越えてひとつ おおきくなっていく精神 縮んでいく身体 心身は歳相当のながれに 任せてながら変化を知る 重ねる日々に 昨日と違う今日の自分 その気づきが年々よく見えてくる 歳をとるのも悪くはない 見えなかったものが 見えてくるのだから だから見逃せない 自分の仕上げを考えたりする もう少し寒さに耐え 年輪の波状を変化させ 心身の順応で 乗り切っていこうじゃないか
砂ぼこり 切ないカントリーが流れ 僕はギターを背負って 目指すところがあるんだ 想い出は想い出のまま 何も変わりやしないのさ 古巣ではいつでも バンジョーとギターが弾けて 僕の弱さを包んでくれる 何処にいても 音楽が耳からは離れやしないさ 都会ではどう響くだろう 僕の世界の向こう 伝える喜びに微笑みながら 声を高らかに歌うのさ 飛ぶことを忘れようとする 鳥にはなりたくなくて 今は振り返らずに 僕に流れるカントリーともに 旅立つのだから 何も恐れることはないさ ただこの切ないカントリーに 涙を流したことだけは忘れないよう 歌っていこうと思うんだ
あれっ、夢と花がデカくなっている。 ある日、突然にウチで飼っている猫が巨大化しているのだから、もうびっくりだ。でも、これが現実なんだから普段のように暮らさなければならない。ああ、猫ちゃんのトイレを片付けなければ。「がちょーん、ウンコ、デカっ」いったいなんだよ、このデカさは。俺の大きさの三倍ってところだな。しかも臭いし。どうすればいいんだよ。トイレでは流れそうにないし。とりあえずビニールを二重にして縛った。オシッコは……。「ああ、ダメだ。風呂場で処理だな」。こんなこんなで、いつもこんなに大変だったかな、と思うが「これ、リアル日常だよな」とあきらめる。 「ビヤーン!」、「ガビョーン」と夢と花が俺に近づいてくる。なんだろう、いつもヤバイなんて思ったことないのに、これっ、ヤバイ。ジャレてくる二匹。おっと背中を引っかいている。多分、キズが深そうだ。でも、あまり痛くない。顔面もやられた。ヤバイ、ヤクザみたいになってしまう。二匹が俺を猫パンチで倒し、のっかる。ああ、重たくて息ができない。あれっ、首あたりを齧られている。俺はメスじゃないぞ、夢。おいおい、おいーい。俺を食べるなよ。餌がないからって、頼む、食べないでくれ。ちょっと待てよ。全然、痛くないし、食べられていること自体がそんなに嫌なことでもない。俺は夢と花に食べられている。意外とこれは幸せな終わり方なのかもしれない。幸せな。そう幸せななんだ。 「なあ、夢、花。俺は癒されているぞ!」
頑張れのかわりに 手拍子が聴こえてきました イヤホンから流れるライブ演奏は 感情に合わせて入ってきます オアシスには随筆感があり 大人のちょっと手前 僕らにあるジレンマと これからを考えています 小さな歴史の彷徨い 投げやりのファッション 口には出さないが 笑い声に重ねた叫び声は 冷たい風に隠しながら 進んで行くのです それが僕らの飾らない パッションなのです