《眼福(195)“浜辺の夏花(2)!?!”❖21-232❖》

三浦半島毘沙門湾
ハマナタマメ(浜鉈豆)   マメ科(Fabaceae)
学名:Canavalia lineata (Thunb.) DC.
《”浜鉈豆”三浦市毘沙門湾❖’21/08/06❖》
ハマナタマメ(浜鉈豆);
ハマナタマメ(浜鉈豆)は、主に熱帯から亜熱帯の海岸に生育する海岸植物。
地下茎は地の中を長く伸び、地表では、他の植物に良く巻き付きながら成長して行く。
茎の生育も旺盛で群落を形成しながら浜辺の広い面積を覆おようになる。
葉に特徴があり、黄緑~濃い緑色の葉は小葉が左右に一枚、先端に一枚(三出複葉)。
厚くて質感に富んだ丸みのある円形~卵形の葉。長さ6~12cm、幅4~10cm。
葉腋から長い柄を出し、その先に薄桃色の可愛らしい花を総状に付ける。
マメ科独特の蝶形花は3cm程、花柄はその重さに耐え切れず垂れ下がり花序は逆さま。
他のマメ科の花と比べ上下が異なる。花言葉が「忍ぶ楽しみ」!?!
*      *      *      *      *
毘沙門湾は神奈川では唯一のハマナタマメの自生地。
他の木に絡みついているものや砂浜を這っているものなど色々だ。
花色は濃淡があり、大きい花。花粉はハナバチが媒介しているようだ。
南方系植物、九州、沖縄、小笠原等で多見、太平医用側の北限は房総半島。
日本海側では、隠岐諸島が知られるが、島根や京都の海岸では越冬株は見ない由。
毘沙門の海岸では、花が毎年咲き実が実る安定的に自生地として特筆される。
年々土地開発が進み今や神奈川の絶滅危惧種Ⅰ類蔓性草本になってしまった。
「令和参年(皇紀2681年)8月19日、記」




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《眼福(194)“浜辺の夏花(1)!?!”❖21-231❖》

ハマナデシコ(浜撫子)  ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Dianthus japonicus Thunb.
別名:フジナデシコ



時折、訪れる西伊豆松坂町海岸岸壁に咲いている“浜撫子”を思い出す。
自然環境保全を思う。(画像は、松崎町HPから拝借)


《”浜撫子”鎌倉・稲村ヶ崎❖’21/08/18❖》
ハマナデシコ(浜撫子) ;
海岸にはえ、茎高15~50cm。茎は下部が木質化してやや這い、上部は直立する。
葉には根出葉と茎葉があり、どちらも厚み・光沢があり、全縁。
根出葉はロゼット状で単葉、長さ5~9cmの倒披針状長楕円形。
茎葉は対生で単葉、長さ4~8cm、幅1~2.5cmの長卵形~長楕円状披針形で先が円い。
茎の先に集散花序を出し、密に多数の花がつく。1花序の花はほぼ同時に開花。
花序の基部には3対の楕円形の苞があり、苞の先は尾状に伸びる。
花は直径1.5cmほどで紅紫色の5弁花。別名の“フジ”が藤色を意味するなら色的には??
花弁は先端が歯牙状に浅く切れ込み、爪状となり基部は筒状に合生し萼内に隠れる。
*      *      *      *      *
前の東京オリンピック前頃、海岸線の道路整備のおり総てなくなってしまった浜撫子。
道路整備後、ほぼ元の所に三浦半島・毘沙門岬から移植したのが根付き、今がある。
今の稲村ヶ崎海岸道路姥ヶ谷入り口に昭和の偉人“有島生馬(画家)”邸があった。
海岸道路から上のお宅までの斜面、お花で飾られ海岸散歩者を楽しませくださっていた。
道路に接した枝折戸からの景観は素晴らしかった。あの優雅さは今は消えてしまった。
鎌倉の環境保全とは、と思い起こす花でもある“浜撫子”!!
※有島生馬邸(通称「松の屋敷」)は、長野市信州新町上条に移築され、
1982年10月に有島生馬の鎌倉の家、記念館として保存されている。 ※
「令和参年(皇紀2681年)8月18日、記」





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《眼福(192)“高原の夏に咲くラン科の植物!?!”❖21-229❖》

古い画像。
シテンクモキリ(紫点雲切) ラン科(Orchidaceae)
学名:Liparis purpureovittata Tsutsumi, T. Yukawa & M. Kato
(以上画像は、借り物です)
《”初耳の花”❖’21/08/16❖》
クモキリソウ(雲切草)⇒シテンクモキリ(紫点雲切);日本固有種
昔、浅間山麓にある湯の丸高原周辺の植物観察に幾度か訪れた事があった。
浅間山の噴火によりできた湿原が、池の平湿原。ここは、高山植物の宝庫である。
今は、環境整備され軽装で行けるようだが、訪れた頃は、人と会うこともなく静かだった。
コマクサ・レンゲツツジ・ヤナギラン・マツムシソウ・リンドウ等、春から秋にかけて楽しめた。
この周辺、数百種以上!?!の高山植物が記録されているらしい。
夏(8月中旬?)に散策した折、可愛いラン科の植物と思える花を見つけた。
帰宅後、調べてみるとクモキリソウ(雲切草・ラン科クモキリソウ属)ではないかと??
友達は、アズミクモキリ、チクマジガバチソウ、フガククモキリ等々勝手に言っていた。
以来、特定できず忘れていた。所が、どうも新種の植物であったらしい!!
最も、分かったのは2008年3月の日本植物分類学会で新種として発表された事に寄る。
そんな専門的発表は、知る由もなく今日まできたが分析標本が池の平湿原の物らしい由。
今朝、友人と談笑している中で知った。紛れも無く新種のシテンクモキリ (紫点雲切)!! 
画像を比べてみると、同一種のようだ。来年、確認しに訪れてみたい。
*      *      *      *      *
茎高10〜25cm位。山地の明るい林床に生える。葉は2枚。
卵形の楕円形、縁は全体または一部が波打ち中心線が窪んで縦に二つ折りにみえる。
先端は鈍頭かやや鋭頭で長さは5~13cm、幅は2~5cm、光沢があり無毛。
葉柄は長さ2~6cmで翼がある。北海道〜本州中部地方に分布、花期は6〜7月。
*      *      *      *      *
新種発表論文では、形態学的な研究成果と遺伝子解析による特定が掲載されている。
遺伝子解析となると難しく中々理解できない。が、花の外見でも特徴があるようだ。
#クモキリソウとの相違点、蕊柱と唇弁以外の花被片がやや緑色がかった淡紫色。
クモキリソウは花全体が淡緑色(黒褐色の花をつけるものもあるらしいが)。
#「紫点雲切」は、唇弁の中央から基部へ続く暗紫色の部分が特徴的。
唇弁は中央部で強く反り返っており、先端付近は強い反り返りはない。
正面から見ても先端部が見えるが、クモキリソウは、先端付近まで強く反り返る。
正面から見ると唇弁の先端部が見えないことが多い。
シテンクモキリは、総体的にクモキリソウ、フガクスズムシなどに似るが、
唇弁の色や形、ずい柱の翼の形、側萼片の巻きや幅などで区別できる。
側萼片はねじれ、強く外側に巻き、唇弁基部の幅は急に狭まる。
唇弁は緑色、中央の溝に紫点がある。これが、特徴的と「紫点雲切」の名がついた。
「令和参年(皇紀2681年)8月16日、記」








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《眼福(191)“暑さニモマケズ、不思議な花!?!”❖21-227❖》

メドハギ(筮萩) マメ科(Fabaceae)
学名:Lespedeza cuneata (Dum. Cours.) G. Don
《”筮萩”大和市西鶴間❖’21/08/10❖》
メドハギ(筮萩) ;
初秋に草地などにメドハギが繁殖、控えめだがハギに似た花を沢山つける。
一見、木の枝に見える茎が真直ぐに伸び一年で枯れてしまう、當に草の仲間。
メド(筮)とは易占いに使う棒の事、かつては茎を用いていた(今は竹を用いている)。
筮萩の茎高は、0.6〜1m位になり木質化する。伏毛があり、よく枝分かれする。
葉は3小葉で枝に沿って密生。小葉は長さ1〜2.5cm、幅2〜4mmのくさび形〜倒披針形。
花は葉腋に数個ずつつき、淡黄白色で長さ6〜7mm。旗弁に紅紫色の斑点がある。
閉鎖花もでき、豆果は主に閉鎖花から出来る。萼歯は1脈が明瞭で、先が鋭く尖る。
閉鎖花から出来た豆果の萼歯は普通の花から出来た豆果のものより短い。
萼の基部に短い小苞がある。
変種のハイメドハギは、地を這うように生え旗弁全体と花弁先が紫色、蕾は紫色に見える。
カラメドハギ、シベリヤメドハギ、オオバメドハギ等が確認されている。
また、絶滅危惧種にサガミメドハギ(Lespedeza. hisauchii)がある。
この種は、オオバメドハギに似て、小花柄に腺毛があり、葉両面に毛がある。
「令和参年(皇紀2681年)8月14日、記」




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《眼福(190)“暑さニモマケズ、不思議な花!?!”❖21-226❖》

ヤブツルアズキ(薮蔓小豆) マメ科(Fabaceae)
学名:Vigna angularis (Willd.) Ohwi et Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et Ohashi.
Phaseolus nipponensis Ohwi(basionym)


借り物画像、矢印・・文字だけでは要領を得ないが、画像だと良く分る。
こちらも借り物画像。一目瞭然。
《”薮蔓小豆”大和市西鶴間❖’21/08/10❖》
ヤブツルアズキ(薮蔓小豆) マメ科(Fabaceae)
学名:Vigna angularis (Willd.) Ohwi et Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et Ohashi.
Phaseolus nipponensis Ohwi(basionym)
ヤブツルアズキは、草地に生える蔓植物。蔓が長く草等に巻きつく様は、強生命力を感づる。
茎や葉に黄褐色の毛がある。葉は3小葉からなり、小葉は、狭卵形~卵形で浅く3裂する。
花は黄色で2個が合着して筒状の竜骨弁はクルリとねじれ、左側の翼弁がかぶさっている。
右側の翼弁は竜骨弁を抱くようにつきでる。
蝶形花冠はマメ科特有の花冠で左右相称が普通。
上位の旗弁1個、中位の翼弁2個、下位の竜骨弁(舟弁) 2個からなる。
竜骨弁は合着して雄蕊雌蕊を包むのが普通だが、
ヤブツルアズキは非相称で花が左に偏って渦を巻いているのがユニークで面白い。
(竜骨弁とは、蝶形花(ちょうけいか)で、翼弁の下位につく左右一対の花弁。舟弁。)
*アズキ Vigna angularis はヤブツルアズキを品種改良したものといわれている。*
ヤブツルアズキ、花構造は不思議なほどに面白い!!
マメ科で見られる、上側にある大きくてよく目立つ1枚の花弁は「旗弁」といい、
昆虫に花の存在を知らせる旗印の役割をしている。
旗弁の根元には昆虫に蜜のありかを教える模様(ガイドマークまたは蜜標)がついている。
花の下側には重なり合った4枚の花弁があり、一番内側の2枚を「舟弁または竜骨弁」といい、
雄ずいと雌ずいを左右から包み込んで保護している。
舟弁の左右には翼のように張り出している「翼弁」が2枚あり、昆虫の足場となるようだ。
このようなマメ科に見られる花を「蝶形花冠」と呼んでいる。
雄ずいと雌ずいが舟弁に包み込まれているために、
昆虫が花に来てもうまく受粉されるのだろうかと思ってしまうが、うまくできている。
花を訪れた昆虫等は、旗弁のガイドマークを目印にして旗弁の根元に頭をもぐり込ませる。
そのときに脚に力が入って翼弁と舟弁を押し下げる。
そうすると舟弁の中にある雌ずいと雄ずいの先端が花弁の外側に出てきて、
昆虫に触れる仕組みになっている。昆虫が飛び去ると翼弁と舟弁は元の位置に戻る。
また、雌蕊と雄蕊にも、この仕組みに対応した工夫がみられる。
マメ科の多くは1本の雌ずいが、花糸同士くっついた雄ずいに囲まれているために、
まとまって一緒に花弁の外に出す。マメ科の多くは10本の雄ずいがある。
また、蜜は雌ずいの付け根にあり、10本の雄ずいがすべてくっつくと、
昆虫は蜜が吸えない。だが10本の雄ずいのうち1本だけが離れている(両体雄ずい)。
この離れた1本の隙間で昆虫は口を差し込みやすくなり蜜が吸える仕組みになっている。
「令和参年(皇紀2681年)8月13日、記」



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《眼福(189)“暑さニモマケズ、公園の花!?!”❖21-225❖》

謎の壺!?!
ソクズ(蒴藋・曽久豆)     ガマズミ科(Viburnaceae)
学名:Sambucus chinensis Lindl.
Sambucus javanica Blume subsp. chinensis (Lindl.) Fukuoka
synonym Sambucus javanica Blume
別名: クサニワトコ (草接骨木)



《”蒴藋”大和市西鶴間❖’21/08/10❖》
ソクズ(蒴藋・曽久豆) ;
草地などに生え、背丈が1.5m近くにまでなることがある大型な多年草。
人の生活圏と森林との境目にある草地などで見かける。
茎高1〜1.5m。葉は大型の奇数羽状複葉で対生する。
小葉は5〜7個で長さ5〜17cmの広披針形または狭卵形、細鋸歯縁、先が尖る。。
茎の先に直径3~4㎜の白花を多数つける。花冠は深く5裂、皿のように開出する。
花には蜜はないが、オレンジ色(赤みを帯びた濃い黄色)の謎の壺が混じるのが特徴。
これは蜜を溜めておく腺体らしく、アリ(蟻)が登って頭を突っ込むのを見掛ける。
5個の太い雄蕊を突き出す。花姿は、ヒヨドリバナ(鵯花)やオトコエシ(男郎花)を思わせる。
葉や実がニワトコに似ていることからクサニワトコ(草接骨木)とも呼ばれている。
「令和参年(皇紀2681年)8月12日、記」






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《眼福(188)“暑さニモマケズ、庭の花!?!”❖21-224❖》

オオセンナリ(大千成)    ナス科(Solanaceae)
学名:Nicandra physaloides (L.) Gaertn.
別名: センナリホオズキ




《”大千成”大和市西鶴間❖’21/08/10❖》
オオセンナリ(大千成);
ホオズキ同様に実を包む殻が乾燥すると、網のような脈を通し透けて見える実。
その実は、赤色ではない。江戸時代に渡来し、観賞用に栽培されて来た。
茎は直立し分枝する。茎高は、30~150㎝位で無毛。
葉の大きさは色々、卵形~長楕円形、縁が不規則に切れ込む。
葉柄は長さ1.5~6㎝。葉身は単葉、花は花柄の先に葉と対生して単生する。
花冠は直径3㎝前後の鐘形、先が浅く5裂して平開し、裂片が淡青色~青色。
筒部が白色、筒部の奥に濃青色の班紋がある。萼は下部が突き出て尖る。
雄蕊は突き出ず花冠筒部につく。花糸は細い。葯は楕円形、縦に裂開する。
子房は3~5室、胚珠は多数。花柱は糸状。柱頭はほぼ頭状、3~5裂する。
園芸的改良種は、世界中で多数、栽培されている。
代表的品種は、'Alba' , 'Black Pod' , 'Blacky' , 'Splash of Cream' , 'Violacea'等。
オオセンナリは、有毒植物だが切り花・ドライフラワーにも用いられている。
又、かつてはハエ(蝿)が嫌いな匂いを出す事でゴミ箱やトイレの近くに植えられていた。
オオセンナリの園芸品種にクロホオズキ(黒鬼灯・黒酸漿)があり、多く販売されている。
「令和参年(皇紀2681年)8月11日、記」

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《眼福(187)“暑さニモマケズ、白い花!?!”❖21-223❖》

コボタンヅル(小牡丹蔓)  キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Clematis apiifolia DC. var. biternata Makino
Clematis apiifolia DC. var. biternata Makino
Clematis brevicaudata DC.
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」



《”小牡丹蔓”泉の森❖’21/08/09❖》
コボタンヅル(小牡丹蔓);
ボタンヅルより小型という名前なんだろうが、花や葉の大きさはほとんど変わらない。
葉が2回3出複葉。ボタンヅルは、葉が1回3出複葉という微妙な違い。共に在来種。
葉の形は、広卵形で先は鋭り、大型の粗い鋸歯がある。
茎は強いが皮は縦に裂け易く枝は、暗紫色を帯びる。葉は対生、長柄があり2回3出複葉。
小葉は長さ2~4㎝、長楕円状披針形、先は鋭形、粗い鋸歯があり、両面に短毛がある。
葉腋に短い円錐状の集散花序を出す。花は多数つき、白色、直径1.5~2㎝。
花弁は無く4枚の萼片が十字形に開く。雄蕊は多数で萼片より短い。葯は長さ2~3㎜。
蔓性の落葉藤本(とうほん)で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。ボタンヅルの変種。
神奈川県内では丹沢や箱根では多く見かける普通種なのだが。。。!
仙人草の勢力が強い湘南・鎌倉・三浦半島では大磯丘陵や三浦半島北部で見かける程度。
名前が紛らわしいコバノボタンヅル(小葉の牡丹蔓)という別の近似種もある。
「令和参年(皇紀2681年)8月10日、記」






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《眼福(186)“怪我の巧妙??で見れた花!?!”❖21-222❖》

カントウカンアオイ(関東寒葵) ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)
学名:Asarum nipponicum F.Maek. var. nipponicum
Heterotropa kooyana (Makino) F. Maek. var.nipponica (F.Maek.) F.Maek.
別名: カンアオイ
随分と昔、藤沢市・新林公園(未だ公園として整備される前)で冬に観た葉っぱ。
何故か花の写真が見つからない。可愛い葉っぱで、撮したのかもしれない。
《”寒葵”泉の森❖’21/08/09❖》
カントウカンアオイ(関東寒葵);
徳川の家紋で有名なフタバアオイの仲間で寒い時期に青々と茂ることから寒葵名がある。
日本には50種余りのカンアオイがある由。だが多くが絶滅の危機に瀕しているらしい。
身近で見れるカントウカンアオイという種は冬咲きで、葉に隠れ地面すれすれに花を見せる。
ましてや昨今の開花は、早まり夏頃に花を開花させる。周りの草花に隠れ見えずらい。
所が、春に公園管理者が下草刈り、樹木の間引き等で林床がはっきり見えてきた。
以前は見れなかった花を見ることができる様になった。寒葵も同じである。
葉は互生し、卵形~卵状楕円形、基部は心形。形や大きさは変化が多いらしい。
葉柄は長く、紫色を帯びる。萼筒は直径約10㎜、長さ10~12㎜の円筒形。
開花すると、花に見えるのは花弁でなく3枚のガク片。直径2㎝、長さ1㎝程で暗紫色。
花は直径2~3㎝。萼裂片は長さ7~15㎜、やや波打ち先は尖った三角形。
萼裂片基部の萼筒の口部(口輪)は白っぽく縁どられ、網目隆起線は縦10本、横4~6本。
雌蕊より短い雄蕊12個、雌蕊6個、花柱の上部は2裂して尖り基部に柱頭がある。
関東葵名は、三浦半島~静岡県の関東地方に自生していることによる。
仲間には多摩丘陵などに生育す タマノカンアオイ 、伊豆半島の シモダカンアオイ 、
新潟県の コシノカンアオイ などの固有種がある。
カンアオイ仲間の花は、観葉植物として栽培されており単に寒葵と云うと関東葵を指す。
カンアオイ類は分布域が狭く地方ごとに非常に多くの種類があり、分類も混乱している。
例を示すとスズカカンアオイは東海、近畿、北陸西部地方に分布、
網目の隆起線は縦約10本、横2~4本。萼裂片は萼筒よりかなり長く、長三角形。
イワタカンアオイは静岡県西部と愛知県東部に分布し、網目の隆起線は縦約30本,、横約10本。
ヒメカンアオイは本州、四国に分布し、網目の隆起線は縦18~21本、横4~6本。
乱葉葵は、関東南西部~山梨県、静岡県 に分布、葉身に光沢があり基部が著しく張り出す。
萼筒内部の縦の隆起線は9~12本、横約5本。柱頭が小さく、点状。
越の寒葵は、山形県~福井県に分布、葉が厚く黒色を帯びて光沢があり花の直径が3~4㎝。
厚身寒葵は、近畿地方・紀伊半島に分布し、葉が多肉質で厚く、葉脈が窪む。
南海葵は、兵庫・和歌山・徳島・高知各県に分布、萼筒上端内側が括れ蕾萼の基部が凹む。
都葵は、近畿以西~島根県・四国西部に分布、萼筒口部が狭まり萼筒が巾着形。
山陽葵は中国西部・四国南西部・九州北部に分布、萼筒は巾着形で外面に6個縦膨らみがある。
*         *         *
久し振りに地元の里山林床で拝めた。偶然の出会い、背の高い野草が周りに無かったので。
絶滅危惧種の植物が、力強く生きている姿に出会うとホッツとする。
「令和参年(皇紀2681年)8月9日、記」



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《眼福(185)“小川に咲く夏の花!?!”❖21-221❖》

コウホネ(河骨)     スイレン科(Nymphaeaceae)
学名:Nuphar japonicum DC.
《神奈川県での稀少植物”河骨”神奈川県海老名市内❖’21/07/24❖》
コウホネ(河骨);
池や湿地の中に咲く植物。何処ででも見れる花ではない。又、不可思議な花名だ。
根茎が白く、骨のように見えることに由来するとか!?!中々、複雑な構造をしている。
葉には薄くて半透明な水中葉と、厚みのある水上葉がある。
冬期は水中に没している水中葉だけが残る。
いずれもスイレンの葉を細長くした ような長卵形で、長い葉柄がある。
水中葉は膜質で細長く、水上葉は光沢があり長さ20㎝位の長卵形、水面から出る(抽水形)。
花は直径約5㎝の椀形。花弁状に見えるのが萼片で5枚。花弁はヘラ状で小さく多数。
雄蕊多数、花糸の幅が広い。雌蕊の先は広がり柱頭盤を形成し、柱頭は放射状に並ぶ。
花茎の先端に黄金色の花を一輪咲かせる風情は瀟洒。花に比べ葉は大きい。
根茎に含むアルカロイドのヌハリジンが、止血剤とされセンコツ(川骨)という漢方薬)である。
神奈川県では、絶滅危惧IA類に指定されている程、保全対策が必要である。
*         *         *
色々と危惧された、2020東京オリンピックが1年遅れだが、無事・成功裡に終えた。
参加各国選手団から感謝の言葉を聞く。心底よかった、と関係者の尽力を讃えたい。
前、東京オリンピック、開・閉会式を観た感慨からしても、今回の大会、成功だったと思う。
前、東京オリンピックで出会った米国人親子、我が父の友達だった。
以来、今日までお付き合いさせて頂いている。なんとも不思議なご縁だ。
今回は、来日できなかったのが残念なことだったのだが。。。!
前、東京オリンピックの年は、都市開発、古都保存、自然保護、これ等が社会問題に!!
オリンピックもさることながら、古都鎌倉で古都保存か否かの大問題が勃発していた。
昨今では、ユネスコの歴史遺産登録を市民は要望しているが、、、??
経済優先の行政(鎌倉市)では、歴史遺産感覚に乖離する。
前東京オリンピック時の歴史的環境保全哲理を思い出すべきだ。
オリンピックでの外国人観光が反対署名や、カンパをしてくれていたのを見ている。
今の鎌倉市民の大多数は、自然環境・歴史的環境に対する感覚に欠缺、憂慮する。
「令和参年(皇紀2681年)8月8日、記」






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