「ボリス・アクーニン」はロシアの作家らしいアクセントですがペンネームで、日本語の「悪人」=アクーニンから考え出した名前だそうです。
刑事役の「ファンドーリン」を主人公に、全11冊の<ファンドーリン捜査ファイル>シリーズが刊行されており、これは第3冊目に当たります。
どれも19世紀末から20世紀初頭にかけてを舞台とし、歴史がらみを背景にした推理小説です。
19世紀末、パリでインドの財宝をコレクションしている富豪が、使用人10人ともども殺される事件が起こります。
富豪の手には、イギリスからインドまで処女航海する「リヴァイアサン号」の乗船客に配られたバッジが握られていたことにより、パリ市警の「ゴーシュ警部」が客船に乗りこんで、犯人捜しを進めてゆきます。
海上を航海する船の中という、ある意味密室状態の中で、それぞれに怪しげな乗客と<ゴーシュ警部>の駆け引きが続けられ、乗客として乗り合わせた<ファンドーリン>が見守る中、二転三転と事件が起こり、思わぬ結末を迎えることになります。
乗客の一人として日本人が出てきますが、著者の日本人びいきの洞察力には感心しました。
イギリス、フランス、インド、ロシア、日本とそれぞれの国民性がよく表れた乗客の設定とともに、なるほどなと思わせる結末で、面白く読み切れました。
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Posted at 2012-08-27 01:38
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Posted at 2012-08-27 13:17
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