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- 今年の読書(33)『アクセス』誉田哲也(新潮文庫)
物語は、17歳の不良処女<雪乃>が同級生の悪友<翔矢>に、ネットも携帯電話も無料になるプロバイダーを紹介するところから始まります。すぐに無料になるわけでなく、次に誰かを紹介した時から自分の権利が発生します。
また<雪乃>と従姉妹の<可奈子>は、同じ17歳の自殺した同級生の<尚美>の葬儀に母<和泉>と一緒に参列していましたが、<尚美>の死の原因は三角関係にあった<秀則>が原因で、自分にあると心を痛めていました。
<尚美>の自殺に始まり、<秀則>が行方不明、母親を日本刀で惨殺する事件等奇怪な事件が起こり、どうやら無料で登録したプロバイダーつながりの人物たちが危険な目に合っていると<可奈子>達は付きとめるのですが、そこにはネットの中に潜む仮想現実の残虐な世界が関連していました。
「ホラー」と「サスペンス」が合体した構成で、デビューまもない2004年の作品ですが、ネット環境を素早く取り入れた時代背景は今読んでも遜色ない出来ばえで、最後の結末も面白くまとめてあり楽しめました。
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