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- 今年の読書(68)『極北』マーセル・セロー:村上春樹訳(中央公論社)
舞台はアメリカからロシア移住してきた住人が住んでいた(村)を舞台としていますが、年代は定かに書かれていません。
背景には、放射能汚染で地球が廃墟となり、シベリアの「極北」に人間がポツリポツリと生存している近未来小説です。
女主人公<メイクピース>は、一人で(村)に住み、自らを警察官だと自覚して日課としてパトロールをしていますが、ある日<ピング>と名のる妊娠した女の子と出会い、共同生活が始まります。穏やかな生活も出産をすることなく<ピング>は病死、、自分も自殺をしようとした時に空を飛ぶ飛行機を発見して、まだ地球のどこかに文明が残っているんだと信じて旅に出かけるのですが・・・。
ツンドラ地帯の過酷な自然環境を舞台に、人間が生き抜いていく過酷さを感じさせながら、<メイピークス>の5年間の人生が語られていきます。壮大な叙事詩を読んでいるように語られ、最後に一抹の希望の灯りが見いだせる終わり方でした。
奇しくもこの作品は、2011年3月に起こった福島の原発事故以前に書かれた作品で、単なるフイクションとして読み流すことができない示唆にあふれています。
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