主人公<堀井香恵>は、教育大学に通いながら、マンドリンクラブに所属、万年筆の品揃えで有名な「今井文具店」でアルバイトをしています。
下宿にしているマンションのクローゼットに、前の住民が忘れたと思わしき一冊のノートを見つけ、持ち主が取りに来るだろうとそのままでおいていたのですがその気配もなく、興味本位でノートを読みだしていきます。
持ち主は<真野伊吹>という小学校の先生で、4年2組を担当した1年間の子供たちの手紙や自分の教育に対しての考え方が書かれていて、<香恵>は
面識のない<伊吹>に対して憧れの感情を抱きます。
留学して日本を離れている友人の彼氏から言い寄られ、またアルバイト先で知りあったイラストレター<石飛隆作>に思いを寄せている<香恵>は、思わぬところから<伊吹>と<隆作>の関係を知ることになります。
読み始めの頃はどのように物語が展開してゆくのかと訝りながら、また延々と続く「万年筆」談義も疑問に感じていましたが、読み終ると共に「なるほど」と納得のできる一冊でした。
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