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- 今年の読書(43)『猫弁と指輪物語』大山淳子(講談社文庫)
美人獣医<柳まこと>の依頼で、世間を賑わした「世田谷猫屋敷事件」を解決した弁護士の<百瀬太郎>は、それ以降「猫弁」と呼ばれ有名になりますが、日本最大手の弁護士事務所「ウェルカムオフィス」を解雇になり、自分で弁護士事務所を開きますが依頼はなぜかペット関係です。
今回は大女優の<白川ルウルウ>から、家の中で飼っている猫が妊娠している真相を確かめ、相手に損害賠償を求めたいという依頼があり、<百瀬>は調査を始めていきます。
<柳まこと>の動物病院には、いらなくなったからと「ビルマニシキヘビ」が持ち込まれ、また車ではねてしまったというトラック運転手が灰色の猫を運び込んできたりしますが、ひとつひとつの出来事が物語全体の伏線になっており、最後にぴたりと納まる構成は見事でした。
<百瀬>の所員<野呂>の過去が、これまた大女優<白川>とクロスし、独身の<野呂>が結婚指輪をしていた秘密が、ほろ苦く心に残りました。
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