今年の読書(17)『ザ・万歩計』万城目学(文春文庫)
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エッセイ集ということで、紹介は難しいのですが、略歴は、清風南海高等学校卒業後、1浪ののち京都大学法学部に入学。卒業後は化学繊維会社へ就職、静岡の工場に配属され経理マンをしながら小説を書いていましたが、26歳の時東京本社への転勤を言い渡され、残業続きで書く時間がなくなることを危惧し、辞令が出る前に退社し東京へ移ります。このころの出来事が後の『バベル九朔』(2016年3月19日刊行)に活かされています。
2年で芽が出なければ社会復帰を決め投稿生活を送るも成果が出ず、資格の学校に通い再就職の準備をし始めた矢先、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し2009年映画化された『鴨川ホルモー』(2006年4月19日刊行)で作家デビュー。このあたりの予備知識を持って、本書を読めば、エッセイの背景がよくわかり、面白く楽しめると思います。
といっても、番外的な「ゴキブリ」噺や実家で飼っていた愛猫<ねね>のはなし、「モンゴル」での旅行記等、楽しめる話題に事欠きません。