天皇陛下の即位を受けた10月22日からの「饗宴(きょうえん)の儀」で、かつて「幻の酒」とも呼ばれた老舗酒造メーカー日本盛(兵庫県西宮市)の江戸時代末期に丹波杜氏流の酒造法を考え出した名醸家<岸田忠左衛門>が極意の酒として完成した銘酒「惣花」が提供されることが2日、発表されています。皇后雅子さまとのご成婚の際にも納められた由緒ある銘柄。その名には、祝い事にふさわしく、「すべての人に至福と愛を」との思いが込められています。
関係者によると、純米吟醸酒の「惣花」は1899年、清酒として初めて宮内省(現宮内庁)の御用酒に指定されました。明治時代以降、多くの品評会などで賞を受けています。宮内庁が調達する4種類の日本酒の中で最も多く納められ、大正、昭和、平成の天皇即位式でも使われています。
江戸時代、宴席で参加者に等しく祝儀を配る習慣を「惣花」と呼んだといい、銘柄名には「あまねく愛す」との意味が込められています。1959年に行われた上皇ご夫妻の「納采の儀」や秋篠宮さまと紀子さまのご結婚の際も結納品となり、祝宴などで各国の来賓に振る舞われた実績がある銘酒です。
独自の酵母を使うため生産量は少なく、戦時中の物資統制などもあり、かつては「幻の酒」とも呼ばれました。現在は、宮中に納入されるものとラベルなどが異なるものの、ほぼ同じ味わいが楽しめる市販品もあります。
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