新種の「ジンベエドロノミ」(画像:広島大学)
「ジンベエザメ」の口の中に生息する新種の「ヨコエビ」が見つかったと、広島大学の<富川光>准教授(動物系統分類学)らの研究グループが発表しています。小型甲殻類の「ヨコエビ」類は生命力が非常に強いことで知られていますが、他の生物の口の中で生息することが明らかになるのは初めてといいます。新種は「ジンベエドロノミ」と命名されました。
「ヨコエビ」はミジンコなどに近い甲殻類に分類される生き物で、これまでに1万種ほどが確認されています。
体長は約5ミリで茶褐色。脚に毛が多く、プランクトンの死骸などの有機物の破片を食べて生活しているといいます。
「ジンベエザメ」を飼育する「沖縄美ら海水族館」(沖縄県本部町)の健康診断で見つかり、少なくとも1000個体以上が「ジンベエザメ」の口の奥にあるエラの部分に生息、繁殖していたとか。<富川>准教授は「親と同じ形で生まれ、すぐに環境に順応する力を持つ「ヨコエビ」の特徴が、エラで繁殖できた一因ではないか」とみています。
「ジンベエザメ」の口のエラの一部は、スポンジのような構造をしていてつかまりやすく、呼吸や摂食により水通しがよいため新鮮な海水や餌の供給が常にある。さらに、天敵もほとんどいないため、「ヨコエビ」にとってメリットが大きいようです。
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