「シベリアチョウザメ」(画像:近畿大学)
近畿大学は9日、人工ふ化したチョウザメに女性ホルモンを与え、全てを雌化させることに成功したと発表しています。世界三大珍味の一つのキャビアは「チョウザメ」の卵の塩漬け。生産時、雄か雌かの判別に最もコストがかかるといいます。全雌化が実用化されれば、キャビアを手ごろな価格で味わえるようになる可能性が出てきます。
雄と雌の判別は、3歳程度の「チョウザメ」の腹部を1匹ずつ切り開き、生殖腺の色や形を確認して行う。腹を縫い合わせて池に戻す作業もあり、生産者の労力がかかる。雄と分かるまで約3年育てるコストもかかります。
近畿大水産研究所によりますと、人工ふ化から4カ月目の「シベリアチョウザメ」の稚魚150匹に、女性ホルモンのエストラジオールを混ぜた餌を6カ月間与えました。その後、通常の餌で飼育し、無作為に45匹を調べたところ、全てで卵細胞が確認できたといいます。残りのチョウザメはふ化後5年まで育て、実際にキャビアが生産できることを確認します。
同研究所は1995年から「チョウザメ」の研究を開始し、2008年から「近大キャビア」を発売。キャビアの品質向上や効率的な生産に取り組んでいます。今後、女性ホルモンと似た作用をする食品由来の成分「植物エストロゲン」による全雌化を目指し、早ければ5年後に実用化させたいとしています。
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Posted at 2019-12-09 14:04
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Posted at 2019-12-09 14:09
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