奥付の(令和元年10月25日初版発行)だけを見て、<池井戸潤>の最新作かと購入しました『民王』ですが、本書は2010年5月にポプラ社にて刊行、2012年6月に文藝春秋において文庫化され、2015年7月期にテレビ朝日系にてドラマ化されているのを、あとがきで知りました。
混迷する政局の中、前任総理が早々と辞任、熾烈な総裁選を勝ち抜いて内閣総理大臣に就任した与党民政党の政治家「武藤泰山」は、低迷にあえぐ支持率を上げようと意気込んだのも束の間、まさかの「事件」に巻き込まれてしまいます。
総理大臣の「武藤泰山」と、息子で大学生の「翔」の人格が国会答弁中に突然入れ替わってしまう出来事が発生。混乱を避けるため、周囲には秘密のまま互いの仕事や生活を入れ替わった状態で、秘書の「貝原」の協力を得て過ごすことになります。
「翔」は政治に全く興味がなく、ろくに漢字も読めないため首相として「貝原」の用意した国会答弁を読むのも苦労する状況で、国民に醜態をさらすことになります。一方「泰山」は、「翔」の就職活動で面接官と口論、大学の授業の代理出席で講師ともめて苦闘することになります。
政権交代を目論むアメリカ企業の陰謀で脳波をコントロールされていることが判明、直面する国家の危機はことなきを得ますが、「武藤泰山」は政治家を志した頃の初心を思い出すのでした。
読みながら<中山七里>の総理の身代わりとなる 『総理にされた男』 を思い出しておりました。内容的に似通っており、著者の作品としては、軽薄なコメディー作品で、読後感はよろしくありませんでした。
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Posted at 2019-12-27 04:54
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Posted at 2019-12-27 10:53
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