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- 今年の読書(5)『悲嘆の門 (中)』宮部みゆき(新潮文庫)
前回(4)の 『悲嘆の門 (上)』 に続く 『悲嘆の門 中)』になります。
アルバイト先のサイバーパトロール会社「クマー」の同僚「森永」の行方不明事件を追及している「三島孝太郎」は、探し出した通称「お茶筒ビル」に潜入しますが、そこで元刑事の「都築」と鉢合わせしてしまいます。「都築」も屋上のガーゴイルのその後が気になり忍び込んでいました。
前回「都築」が訪れたときにありました屋上の鳥形のガーゴイルが消えうせ、「都築」と「孝太郎」は、夜通し交代で屋上を見張っていましたが、鳥の怪物ともいうべき女戦士「ガラ」と遭遇します。「ガラ」は<言葉という精霊(すだま)の生まれ出ずる領域>の<三之柱を守護する戦死>であり、この<領域(リージョン)>に紛れ込んたとの説明を受ける「都築」と「孝太郎」ですが、二人には「ガラ」の言っていることが理解できません。
その後、「孝太郎」の前に<狼>と名乗る女子高生<森崎友理子>が現れ、言葉を読み取る「ガラ」の存在意義を説明します。
かたや、「孝太郎」の憧れである「クマー」の女性経営者「山科鮎子」が京都にて連続殺人事件の手口で殺される事件が起こり、正義と復習に燃えた「孝太郎」は「ガラ」と取引をすることを決意、「山科」の殺人犯を「ガラ」の餌食として捧げます。
この(中巻)の後半部分において、「悲嘆の門」の意味が登場します。小説という物語の中に物語の<始源の地>を登場させ、悩ましい<領域>の<輪>を再認識させながら中巻(342ページ)を読み終えました。
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