両生類に進化する途中の化石@「エルピストステゲ・ワトソニ」
Mar
20
カナダのケベック大学とオーストラリアのフリンダース大学の研究チームが、英科学誌『ネイチャー』に発表しています。鋭い歯があり、当時の浅瀬では最大級の肉食動物だったとみられるとか。
この化石の学名は「エルピストステゲ(属)・ワトソニ(種)」。同公園の地域で1938年に初めて化石が発見された際は頭骨の一部しかなく、原始的な両生類とされていました。しかし、2010年に長さ1メートル57センチのほぼ全身がそろった化石が見つかり、魚ではあるが両生類に向けた進化が始まっていることが判明できています。
カナダ北部エルズミア島の約3億7500万年前の地層からも、両生類に進化する途中の魚「ティクタアリク(属)」の化石が見つかっています。「エルピストステゲ」の胸びれをコンピューター断層撮影(CT)で詳しく調べたところ、先端骨格が「ティクタアリク」より細かく指のように分かれ、両生類に近づいていました。
魚と両生類の線引きは難しくなり、研究チームは「エルピストステゲ」を最も原始的な両生類に分類することもできると指摘しています。