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- 今年の読書(37)『ラブ・ミー・テンダー』小路幸也(集英社文庫)
新聞広告で、「東京バンドワゴン」シリーズの第13作目『ヘイ・ジュード』の文庫本発行を知ったのですが、前回に11作目の 『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』 以後の12作目の本書を抜かしていることに気が付きましたので、遅まきながら13作目の『ヘイ・ジュード』と一緒に購入してきました。
さて、十二年経って十二支が一巡りした今回の新刊のタイトルは『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』です。 いつも通りに、前作のすぐ何日か後からの「堀田」家の四季の出来事を追う〈本編〉ではなく、オリンピックの様に四年に一度回ってくる〈番外編〉でした。
今まで、終戦直後の若き「勘一」と「サチ」の出逢いを描いた4作目『マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン』、いろんな時代の「堀田」家と常連の皆の語りでそれぞれの日々を描いた8作目『フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン』と、〈番外編〉がありました。
今回12作目は、時代は昭和四十年代です。まだ二十代の若者だった「堀田我南人」と、その最愛の妻であった「堀田秋実」の出逢いを描いた物語になりますが「秋実」さんはまだ高校生です。
本編のタイトルはいつも〈ビートルズ〉の曲名ですが、番外編に関しては除外されているようです。今回、<エルヴィス・プレスリー>の名曲である『ラブ・ミー・テンダー』なのは、ロックミュージシャンである「我南人」のルーツは「ビートルズ」だけではなく、それ以前のロックンロールミュージックにもあるからです。 『マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン』で描かれたた「勘一」と「サチ」が親しみ演奏したジャズやブルースから来た音楽の流れがロックになりポップスになり、「我南人」に、そして孫である「研人」へと受け継がれています。
ライブの帰り、「我南人」はチンピラに絡まれている女の子を見つけます。彼女の名は「秋実」。歌手として活躍する親友を窮地から救うため、東京に来たといいます。「我南人」と「東亰バンドワゴン」の一同は、彼女のために一肌脱ぐのですが、思わぬ大騒動に発展してしまいます。いつも通りに「堀田」家とそこに集う人たち騒動が、昭和四十年代を背景に描かれています。
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