中国で社会的な競争を避けようとする「横たわり族」と呼ばれる20、30代の若者が増えているようです。特徴は、物質的な欲求が乏しく、勤労や結婚、出産に積極的でないこと。共産党体制側は経済成長の阻害要因になるとみて警戒しています。
3日付の共産党機関紙・人民日報系の『環球時報』(英語版)は、仕事上のストレス、家族のトラブル、経済的な困難を経験し、「横たわり族」になった若者を紹介しています。
中国では幼い頃から習い事や受験で厳しい競争にさらされる。2016年に生まれた「朝9時から夜9時まで週6日働く」ことを意味する「996」と呼ばれる過酷な労働慣行が広がり、若者に徒労感がまん延しているとのこと。
また有力紙『光明日報』は、「『横たわり族』は明らかに経済社会の発展にマイナスだ」と訴えています。経済発展の実績は、選挙を経ずに独裁体制を維持する共産党の大義名分となってきています。「頑張らない」風潮の広がりに共産党体制は懸念を強めているようです。
同紙は「企業は努力した人に満足できる成果を与えるべきだ」と強調していますが、努力する意欲を失った若者を奮起させる具体策は見えてこないのが現状のようです。
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