お茶菓子(763)黒糖饅頭
Jun
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「黒糖饅頭」は、その名の通りまんじゅうの生地に黒砂糖を練り込んだ和菓子です。小豆を使ったあんこを黒糖入りの生地で包み、ふっくらと蒸しあげることで仕上げられ、全体的に茶色く地味ではありますが、表面はつやっとした光沢があります。
詰められているあんこは店によって粒あん、こしあん、小倉あんなどの差はありますが、生地の風味を邪魔せず、口当たりが滑らかなこしあんを使っている場合が多く、これもそうでした。
かつて、黒糖まんじゅうは生地に温泉の湯を使ったり、饅頭をふかすのに温泉の蒸気を使っていました。このことから温泉饅頭とも呼ばれるようになっていますが、最初にこの饅頭を作ったのは群馬県の伊香保温泉と言われています。伊香保温泉の茶褐色の湯を表現するために生地に黒糖を練り込んだのが始まりだと伝えられています。
1934年の陸軍特別大演習で<昭和天皇>が群馬県に行幸された際に、この饅頭を大量に購入されました。このことに影響され、伊香保以外の温泉地でも、黒糖まんじゅうを作るようになり、温泉まんじゅうとして有名になったという歴史があります。
黒糖の香りをひきたてるために生地とのバランスを考えて上品な甘さの漉し餡は、甘さ控えめで、おいしくいただきました。