31日、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を協議し、政策金利を4会合連続で据え置くことを、全会一致で決めています。米国のインフレ率は低下傾向にある一方で、景気は想定以上の強さを示しており、(FRB)は利下げ時期を慎重に探る構えです。
政策金利は現行の年(5.25~5.50%)と、2001年以来23年ぶりの高水準で維持されます。
(FRB)は声明で「インフレが持続的に(2%)へ向かうと一層確信を得るまで、利下げは適切と予想しない」と指摘。また、「経済見通しは不透明で、インフレリスクに引き続き大いに注意している」として、今後の政策判断の際に指標などを精査していく意向を改めて示しました。
一時約40年ぶりの高さとなったインフレを抑制するため、(FRB)は2022年春以降、大幅な利上げを断行。コロナ禍による供給網の混乱が収まったことも奏功し、インフレ率は目標の(2%)に近づきました。昨年12月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比(2.6%上昇)でした。
速やかなインフレ鈍化を受け、(FRB)は前回12月の(FOMC)で、2024年内に(0.25%)の幅で3回の利下げを行うシナリオを提示していました。
一方で、実質国内総生産(GDP)伸び率は昨年10~12月期が(3.3%)と、米経済は市場予想を大幅に上回る「堅調なペースで拡大している」(FRB声明)。拙速な政策金利の引き下げは景気過熱を招き、インフレを再燃させかねません。(FRB)は利下げを急がず、景気やインフレの動向をさらに見極める方針です。