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花壇の寄せ植えの中に、顔をのぞかせていた<アラビス>の品種【スプリングチャーム】で、いかにも春咲き出す花としての名称だとおもいます。
アブラナ科アラビス属の多年草で、原産地はヨーロッパ南部の山岳地ということで、非常に寒さにはつよく、-15℃まで耐えますが、逆に高温多湿には柔く、暖地では一年草扱いになっています。
アブラナ科らしい4弁花の形状で、花径は1センチ程度、草丈は10~20センチ程度です。
あまり見かける品種ではないと思いますが、白色の「コウシカ」という品種もあります。
きれいな花姿の【ミヤコワスレ】が、咲き出していました。
キク科ミヤマヨメナ属の多年草ですが、本種は「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」の園芸品種で、花径は3~4センチ、花色は濃青紫色・淡青紫色・白色・桃色などがあり、草丈は、矮性種では20センチ程度、高性種では70センチぐらいに育ちます。
日本固有の園芸品種として、江戸時代から栽培・改良されて育成されてきました。
名称は漢字で書くと「都忘れ」ですが、由来は諸説あるようで、順徳天皇が佐渡島へ島流しにされたとき、この花を見て都を思い出したとの逸話が有名ですが、残念ながら鎌倉時代には本種は存在していませんので、別のキク科の花だったとおもいます。
清楚な白い花弁を持つ【リキュウバイ】ですが、漢字で表示しますと「利休梅」となり、茶人の<千利休>が好んだ茶花のようにおもえますが、日本に導入されたのは明治時代末です。
バラ科ヤナギザクラ属の落葉低木で、原産地は中国、別名として「バイカシモツケ(梅花下野)」や「ウメザキウツギ(梅咲き空木)」、また「マルバヤナギザクラ(丸葉柳桜)」と呼ばれています。
開花時期は4月~5月、花径4センチほどの梅に似た白い5弁花を、新芽と同じぐらいの時期に咲かせ、花弁の形状には変化があり、花弁の付け根は細くなっています。
満開に咲き出しても豪華さはあまりなく、清楚な佇まいが、茶花として人気がある所以だとおもいます。
斜め上に枝を伸ばし、鮮やかな黄色の4弁花を咲かせている【シナレンギョウ】を、公園の生け垣で見つけました。
モクセイ科レンギョウ属の落葉広葉樹で、原産地は中国、春に葉とほぼ同時に黄色の花を咲かせ、雄しべは2本、花柱は雄しべよりも長いです。
秋になる果実には<ルチン>が含まれていて、民間療法としでは消炎や利尿・解毒に効くとされています。
大気汚染や病虫害に強く、どんな土壌でもよく育ちますので、公園や生け垣などに用いられています。
【オオシマザクラ(大島桜)】は、大島をはじめとする伊豆諸島に自生しているのが名称の由来で、古くから薪炭用として植えられていたため、「タキギザクラ」の別名があります。
本種は、「エドヒガン」との一代交配種として「ソメイヨシノ」などの園芸品種を生み出している野生種です。
花期は3月~4月にかけ咲き出し、葉の成長と共に枝の先端から数輪の白い5弁花を咲かせます。
葉は長さ5~10センチ程度で、先端が尖った倒卵形もしくは楕円形で互生、細かい鋸歯をもち、晩秋に紅葉する落葉高木です。
和菓子の「桜餅」は、この【オオシマザクラ】の若葉を塩漬けしたモノが用いられ、独特の香りは「クマリン」という成分が主体で、秋の七草 である「フジバカマ(藤袴)」と同じ香りです。
右上の花弁に、長さ4ミリほどの黒い糸状のモノが写っていますが、孵化したばかりの毛虫ですが、さすがにこの大きさではどの「蛾」の幼虫かの同定は難しいのですが、バラ科に発生する「オビカレハ」の幼虫かなと見ています。
<ファルコン植物記>としては、なるべく「花」を大きく撮影していますが、今回はあえて遠目にしてみました。
「プラタナス」などが植えられている車道と歩道の境目の生け垣として、【ボケ】が高さ60センチほどできれいに剪定され、その中から赤い花を咲かせていました。
道路脇の植え込みとしては、「ヒペリカム」 ・ 「クチナシ」 ・ 「シャリンバイ」 ・ 「ユキヤナギ」 などを見かけますが、【ボケ】というのは初めての発見です。
葉だけで、赤色の花が無ければ【ボケ】だとは気付かずに、見過ごしていたと思います。
以前に 広卵形の花芽 を見つけた【ヒュウガミズキ(日向水木)】ですが、足を向けてみますと黄色い花が満開でした。
マンサク香トサミズキ属の落葉低木で樹高1~2メートル程度、葉は柔らかな印象で、新芽は赤くてきれいです。
3月中旬頃から花が咲き出し、あとから葉が出てきます。
花は鱗が重なったような形をしており、雄しべは黄色、下向きに咲いています。
属名の「Corylopsis」は、ギリシア語の「corys(兜)+opsis(似ている)」が語源で、花の形に由来しています。
長田神社へ向かう赤い山門の手前にバス停があり、周辺に松の木などの植え込みが点在しています。
その根元に小さい株ですが、白色の【シバザクラ(芝桜)】が咲きだしていました。
【シバザクラ】は、草丈が10センチと低く、横に這うように株を広げ、また花の形が「桜」に似ていることから名付けられていますが、バラ科サクラ属ではなく、ハナシノブ科フロックス属の多年草です。
開花時期は4月~5月、花色も多彩で、花の絨緞として色分けされた図案や配色が、目を楽しませてくれる花材です。
昨日は、湊川神社の境内に咲く 「ケイオウサクラ(敬翁桜)」 を取り上げましたが、その近くにこの【プリンセス雅(みやび)】が、「第64回全国植樹祭(3月26日)記念植樹」と墨書きれた木製の碑と共に植えられています。
現在の「皇太子殿下・雅子様」のご成婚(1993年6月9日)を記念して、<雅子様>の「雅」に一字をいただき、「雅(みやび)」として品種登録されています。
大島系山桜と緋寒桜との自然交配種だと考えられており、原木(親木)は<(株)埼玉植物園>にて保存されています。
<蕚筒>は釣鐘状で、<蕚筒>・<萼片>と共に暗濃紅紫色、花弁はやや細長く、花は濃紅紫色、花弁は一重咲きで花序は3~4花まとまって咲いています。
湊川神社の境内には種々の<サクラ>が植えられており、まだ花が咲いていない品種もありますが、きれいに咲いています【ケイオウザクラ(敬翁桜)】です。
1930(昭和5)年、久留米市山本の<良永敬太郎>が、中国製の「シナザクラ」を台木に、「ヒガンザクラ」の枝変わりとして栽培された品種で、同じ久留米市に住む<弥永太郎>が、<敬太郎>の一字を取って(敬翁桜)と名付けました。
枝の伸びが良く、枝を切りこんでも弱ることがありませんので、生け花の花材として重宝されている品種です。
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