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上下巻合わせて1318ページという分量の、読み応えのある長編小説でした。
香港の中国返還目前の1997年から、中国本土からアメリカへと運び出されるヘロインの流通ルートが何者かによって閉ざされてしまいます。
新規ルートの開拓に、シチリアマフィアの代理人<パラッツォ>がロシアに出向いたとの情報で、連邦司法省麻薬取締局(DEA)の捜査官<ベリコフ>はロシアに飛びます。
日本では麻薬取締官<三崎>が、新宿の中国人組織に潜入捜査中に仲間を射殺され、運良く昔の縁で助かります。自らも表向きは死んだことにして日本最大暴力団<坂本組>との接触を続け、世界の麻薬市場を一人締めしようとする<ホワイトタイガー>なる人物の捜査に乗り出してゆきます。
ロシア・日本・中国・マカオ・台湾・ミャンマー等の裏社会の現状や、麻薬にまつわる話題も豊富で、また元CIAの工作員<タイニー>や、<ホワイトタイガー>の右腕としての不詳の女性<アニタ>などの脇役も多彩で、かなりの長編でしたが、最後まで結末が予測できずに一気に読める長編でした。
女料理人<澪>を主人公とする<みをつくし料理帖>も、 『夏天の虹』 に次いで8巻目になりました。
前作では吉原の大火(1816:文化3年)にて、翁屋の料理人<又次>が<あさひ太夫>を助け出しますが、自らは助かりませんでした。
<又次>を偲んで「つる家」の一同は、彼の初盆を迎えるに当たり、世間で流行の疫痢(疾風)で子供をなくした親たちのためにもと、「三日精進膳(面影膳)」を提供、客からも喜ばれます。
そんなある日翁屋の<菊乃>から、<芳>が探している息子<佐兵衛>と思われる人物の情報を得て親子の再会を果たすことができましたが、<佐兵衛>はもはや「天満一兆庵」としての料理屋を再建することは望んでいませんでした。
一流料亭の「一柳」の主人<柳吾>と、家を飛び出して版元ととなった<坂村堂>にも親子の確執があり、心労から<柳吾>は倒れ、<芳>が看病することになってしまいます。
戯作者<清右衛門>は、「つる家」の主人<種市>に<澪>と<あさひ太夫(野江)>との関係を教え、翁屋が仮宅での廓営業が終える頃に、<澪>を「つる家」から解放してくれるように依頼、<澪>は新しい料理の道を歩むべく、<又次>が料理の基本を教え込んでいた<ふき>に、引継ぎを考えて料理を教え込んでいきます。
副題に<警視庁特別捜査官・藤江康央>とありますが、主人公は<藤江康央>を室長とする複合事件を取り扱う捜査第一課に新設された特別捜査室の活躍を描いています。
捜査一課として、組織犯罪対策室や公安部などとの合同捜査はタテ社会の警察組織においては人間関係がこじれやすく、捜査に支障をきたすのを避けるために、新設された特別捜査室です。
開設後間もなく、大商社「日美商会」の御曹司の誘拐事件が発生、<藤江>は責任者として任務に就き、パスモ、Nナビ、防犯カメラ、偵察衛星等のデジタル機器とコンピューターを組み合わせて情報を分析、誘拐犯を追い詰めていきます。
主人公の<藤江>とその先輩<倉田>巡査部長は、共に兵庫県出身ということで、二人が関西弁で会話をするのは余録として楽しめました。
ただ、<藤江>が赴任していた韓国の女優<チェ・アジュン>の関係や、部下である<大谷久美子>と<加納久美子>との二股をかける描写は、いらぬ読者サービスに感じました。
前作 『トリックスター』 に続く警視庁総務部企画課情報室室長<黒田純一>を主人公としています、文庫書き下ろし作品です。
恋人とハワイで休暇中の<黒田>は、偶然に暴力団極盛会組長の<宝田>を発見、体調不良と見られ姿をくらましていたはずが、入国できないアメリカでバカンスを楽しんでいることに疑問に感じます。
調べてゆくと<宝田>はアメリカの病院で臓器移植手術を受けたようで、調査の過程で臓器密売ルートの組織が浮上、持ち前の分析力と人脈を駆使して、組織の解体へと突き進んでいきます。
いつもながら情報官としての緻密な分析と、情報室の部下たちへの思いやり、タテ社会の警察組織のなかでノンキャリアとしての行動等、<黒田>の人間性がよく描かれていました。
この捜査の成功で<黒田>は昇進して万世橋警察署長として赴任することになり、情報室長から離れてしまいます。
この先、後任の<吉田宏>を主人公に新しい情報室としての物語りが展開するのか、警察署長としての<黒田>の活躍が楽しめるのか、期待がかかるところです。
小児科医として勤務している<押村悟郎>のもとに、18年間音信不通の姉<千賀子>が銃弾に見舞われ、意識不明の状態だとの連絡が入ります。
警察から事情徴収を受ける<悟郎>ですが、なにも答えられない自分に愕然としてしまいます。
<千賀子>は街の金融業者の事務所に出向いて被害に遭いますが、反面ガソリンをまき事務所を放火した容疑もかけられています。その背後には妻殺しの前科のある<伊吹>と前日に婚姻届を出しており、相手の男も事件との関わりがあるのか、入院先の病院にも姿を現しません。
<千賀子>と<悟郎>は幼い頃に両親を亡くし、分かれて親戚筋に引き取られているのですが、<千賀子>は若くして家を飛び出したままで、その後の生活は不明でした。
<悟郎>は、姉<千賀子>のその後の足取りを確かめるべく、一人で関係者を訪ね歩く中で、姉と結婚相手の<伊吹>との関係が分かり始めていきます。
語り手は<悟郎>の目線ですが、本書の主人公は寝たきりの<千賀子>の人生譚ともいえ、タイトルの『最愛』は最後の最後で意味が浮かび上がる仕掛けが秀逸な作品になっています。
<メトロこうべ>は、高速神戸駅側の(神戸タウン)と、新開地駅側の(新開地タウン)から成り立っており、この二つを結ぶ地下街にも、「メトロ卓球場」やゲームセンター「プレイランド」があり、古書店が三軒並んでいます。
一番東側にあります【上崎書店】では、6月11日(火)から9月30日(月)まで、1冊500円以上の書籍を30%引きでのセールが始まりました。
【上崎書店】は新開地本通1丁目に本店を構えられており、今では改装されてきれいになりました。
昔は本が山積みになり崩れかけたようなお店でしたが、本好きとしてはその園雰囲気が心地よく、いつも覗いておりました。
本離れが指摘されて久しい昨今ですが、古書店では意外な書籍が発見出来たりと、楽しみが詰まっている場所です。時間があるときには、棚を端から見てゆく楽しみができました。
以前に読んだ著者の山里の駐在所を舞台にした 『駐在刑事』 がいたく面白く、今回も山岳巨編ということで読んでみました。
登山家として世界に名を馳せた男<蒔本康平>は、自らの問題を抱えて登山を絶ち、北八ヶ岳の山小屋の主人<パウロ>としてひっそりと暮らしています。
そんな<パウロ>の山小屋に、コンピュータープログラマーとして挫折した<橘裕也>、アスペルガー症候群の<戸村サヤカ>、知的障害を持つ<勝田慎二>の三人が夏場の手伝いとして山小屋で過ごすうちに、ネパールの未踏峰の山を制覇する計画が持ち上がり、<パウロ>の指導のもと登山技術を身につけてゆきます。
世間からドロップアウトした三人が、自分自身を見つめ直し、生きるとは何かということに目覚めながら、山小屋の失火で命を落とした<パウロ>の思い出とともに、自分たちが名付けた未踏峰の山「ビンティ・チェリ(祈りの峰)」の制覇に向かっていきます。
ページ数が少なくなるにつれて、この三人が無事に未踏峰の頂にたどり着くことができるのかと先読みをしたくなりながら、最後まで緊張感を持たせる構成力が素晴らしい一冊でした。
560ページを超える長編でしたが、<杉田七重>さんの訳が物語に合い、一気に読めました。
主人公の<エヴァン>は、弁護士資格を持つSFの女流作家ですが、恋人は3年前のひき逃げ事件で車いす生活を余儀なくされている、年下の弁護士<ジェシー>です。
ある日偶然に街中で、ひき逃げ犯人として手配されている<カル>を目撃、ひき逃げ事故で親友を亡くしている<ジェシー>との、息詰まる追跡ゲームが始まります。
現代を象徴するIT業界を舞台に、大金がまつわる悪事が絡み、<エバァン>の活躍が八面六臂で繰り広げられてゆきます。
恋人<ジェシー>の過去が暴かれ、一時は不穏な状況に陥りますが、持ち前の明るさで切り抜け、舞台となるサンタバーバラの青い空を感じさせる気性が気持ちいいヒロインの活躍でした。
著者のシリーズとして、『ST警視庁化学捜査班』があり、「ST」は「Scientific Taskforce」の略称です。
それぞれに化学の分野に秀でたメンバー6名が<百合根>警部のもと、得意の知識や分野で活躍する物語りです。
この『心霊特捜』も神奈川県警本部の組織ですが、鎌倉署の一室に受注している「R特捜班」という架空の組織が活躍する6話からなる短篇集で、「R」は「霊(れい)」の頭文字です。
<番匠>係長をトップに、3人の特殊能力を持った刑事たちが、霊に絡む事件を解決してゆきます。
本部との連絡係という役目で<岩切大悟>巡査が、なぜか成り行きで捜査に加わり、事件ははこの<岩切>の目線で語られてゆきます。
<天野頌子>に <警視庁幽霊係>シリーズ がありますが、幽霊や霊魂などと警察組織とは相容れない設定だけに、息抜きできる一冊でした。
著者は、 『京都と闇社会』 と同じ<一ノ宮美成 + グループ・K21>です。
「日本維新の会」共同代表の<橋下徹>は、タレント弁護士としてテレビ番組で活躍していた影響でしょうか、かなり以前から政治の世界でも活動している感じですが、大阪府議に当選したのはわずか5年ほど前ということに改めて気付かされました。
いい意味でも悪い意味でも、短期間に名を馳せる行動力には驚かざるを得ません。
著者たちは「日本維新の会」が、安倍政権に接近する目論見は何なのかという視点に立ち、『週刊朝日』の出自問題を掘り下げ、府議・市議としての行動を分析し、「日本維新の会」の金脈・人脈に鋭い分析を試みています。
今年7月に行われる参議院選挙に向けて、<橋下>の従軍慰安婦発言で揺れる「日本維新の会」ですが、この先の動向から目が離せない政党であることは否定できません。
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