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『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』
宮部 みゆき・著
文藝春秋 (2013/6/28)
江戸は神田。
叔父の三島屋へ行儀見習いとして身を寄せるおちかは、
叔父の提案で百物語を聞き集めることになる。
事始の『おそろし』、事続の『あんじゅう』の次に
参の続が出ているのを図書館で見つけました。
今まで、主人公のおちかが何となく鼻に付いていたのですが、
『おそろし』がテレビドラマになったこともあり、今回はさらっと読めました。
魂取の池◇くりから御殿◇泣き童子◇
小雪舞う日の会談語り◇まぐる笛◇節気顔
百物語までには、まだまだ続きがありそうです。
内容紹介
ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、
クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、
翌日からは彼の予言どおりに
第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する
炉辺でクリスマスを祝う、貧しいけれど心暖かい人々や、
自分の将来の姿を見せられて、
さすがのスクルージも心を入れかえた……
ディケンズが贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント
掃除をしていると、使っていない本棚から文庫本が出てきました。
『クリスマス・カロル』村岡花子さんの訳です。
村岡花子さんといえば、『赤毛のアン』シリーズで有名ですが、
私にとっては『少女パレアナ』『パレアナの青春』『スウ姉さん』の村岡花子さんです。
平成7年の85刷・・・20年前・・・義兄が帰省した時に持ち込んだ本でしょうか?
有名な本ですが、読んだことがありませんでした。
むかし、むかし、あるところに・・・ではじまり、
めでたし、めでたし。で終わるお伽噺のような本でした。
王道の本ですね。
現在は、2011年に新装版『クリスマス・キャロル』が出ています。
『つくも神』伊藤遊
ポプラ社 (2004/11)
内容(「BOOK」データベースより)
マンションの放火騒ぎの翌日、ほのかはエレベーターの中に、
こわい顔をした奇妙な置物があるのを見つけた
それ以来、ほのかと兄の雄一のまわりで不思議な事件が続く
ほのかはなぜか隣の家のおばあさんと土蔵にひかれてゆくが…
長い時を経て魂を宿した道具たち、「つくも神」の物語
本の検索をしていたところ、「伊藤遊」さんに巡り合いました。
はじめて読んだ作品は、随分前に遡るのですが、
『えんの松原』=夏休みの読書感想文の課題図書でした。
その本が面白くて、『鬼の橋』を続けて読みました。
その後、『ユウキ』を読みました←これは現代版ですが、とても面白い本でした。
伊藤さんの作品ならば、ぜひ読みたいと思い、図書館で借りることにしました。
今までの作品の中で、幼い気がしましたが、
それでも面白くて、あっという間に読了しました。
田園発 港行き自転車 上
宮本輝
集英社 (2015/4/3)
田園発 港行き自転車 下
宮本輝
集英社 (2015/4/3)
最初にケチがついた本だったけれど・・・
図書館にリクエスト予約しても、なかなか本が入荷しなかったので、
再び他のネット書店で購入しました。
今回は、汚れもなく届きました。
「上」を読み始めて・・・あまりの都合のよさに「やっぱり買わなくてもよい本だったわ」と
感じて、ガッカリしました。
「下」に入ると、追い風に乗って、すらすらと読むことができました。
この本に出逢ってよかった!!
読後は、爽やかな気分になりました。
最近の輝さんの本は、皆が幸せに向かっていると思います。
この本は、まだその幸せの途中で終わるのですが、
これからも幸せが続く安堵感があります。
この世の中、これほど、人と人が繋がって、すんなりと事が運ぶとどれほど素晴らしいでしょうね。
内容(「BOOK」データベースより)
絵本作家として活躍する賀川真帆。
真帆の父は十五年前「出張で九州に行く」と言い置いたまま、富山で病死を遂げていた。
父はなぜ家族に内緒で、何のゆかりもないはずの富山へ向かったのか―。
長年のわだかまりを胸に、真帆は富山へ足を向ける。
東京の暮らしに疲れ、仕事を辞めて、故郷の富山に帰ってきた脇田千春。
実家でふさぎ込んでいたが、親戚の中学生・夏目佑樹と触れ合ううち、自分らしさを取り戻していく。
父のいない子として生まれた佑樹は、不思議な懐の深さを持つ青年へと成長していて―。
富山・京都・東京、三都市の家族の運命が交錯する物語。
吉村萬壱・著
文藝春秋 (2014/6/11)
気になる方のブログにこの本が紹介されていたので、図書館で借りて読みました。
意味不明・・・何がいいたいのか?私には理解できませんでした。
読解力がないのか?
読後に他の方々のレビューを見て、なるほど・・・少し理解できました。
内容(「BOOK」データベースより)
生れ育った町が忘れられず、人々は長い避難生活から海塚に戻ってきました。
心を一つに強く結び合い、「海塚讃歌」を声を合わせて歌い、
新鮮で安全な地元の魚を食べ、ずっと健康に暮らすことができる故郷―。
密かにはびこるファシズム、打ち砕かれるヒューマニズム。
ディストピア小説。
誰が正常なのか誰が異常なのか?
やはり理解できませんでした。
『海うそ』梨木香歩・著
岩波書店 (2014/4/10)
---ただただ無心に漏れ来る光の林よ---
色即是空 空即是色
久しぶりにこころに響いた本です。
梨木さんらしい本でした。
最近、本は買わないことにして、図書館で借りることにしています。
物を増やさない生活・・・と言いつつも、確実に物は増えていますが。
7月27日に図書館に予約して、昨日、ようやく手元に届きました。
新刊は、長~~~く待たなければ、読むことができない
文化の香らない市に住んでいます。
【内容】
昭和の初め、人文地理学の研究者・秋野は南九州の離島へ赴く。
かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、
無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、秋野を惹きつけた。
地図に残された「海うそ」という言葉に導かれ、
彼は島をひたすら歩き、調査に打ち込む――。
平家の落人伝説も絡んで・・・。
50年後、秋野は不思議な縁で、再び島を訪れる。
愛する人びとの死、アジア・太平洋戦争の破局、
経済大国化の下で進む強引な開発……。
いくつもの喪失を超えて、秋野が辿り着いた真実とは・・・。
この本は、手元に置いてよい本でした。
それにしても・・・
残して伝えたいと思うことが伝わらずに風化して行く。
それが歴史の闇なのでしょう。
日常の小さなことでもそれはよく感じることです。
そのことが悲しいと思っていましたが、
この本を読むと、風化も然り・・・と思えてきました。
『流氷への旅』渡辺淳一・著
現在は、この表紙の文庫しかないけれど
私が読んだのは単行本
『道化師の蝶』
20代後半の時代に読んだ作品。
この本を読んで、流氷を見に行って、人生を変えよう!!キャンペーンを企画しました。
結局、企画のみで、実行に移すことなく・・・結婚して、現在に至っています。
人生は、変わっていない?ような
変わっているような・・・よく分からない日々の繰り返しです。
しかし、人生修行は続いています。
内容(「BOOK」データベースより)
灰色の空と白い氷原に覆われた街・紋別。
竹内美砂は流氷研究家・紙谷誠吾を知り強く魅かれていく。
彼はかつての恋人を奪い自殺したという友人のことで心を閉ざしていた。
一途に燃える美砂の愛の炎は、そのわだかまりを解かすことができるのか。
二人は結ばれることになるのか。
移ろいゆく北国の四季の中で、
大切なひとを見失わないよう、
まっすぐな思いに自身を駆りたてる女性の豊潤な恋愛小説。
この本を読んだ美砂世代の頃は、彼女に共感するところもありましたが、
母親世代になると、なんて自分勝手な女!!なのでしょうと厭きれてしまいました。
独りよがりが過ぎて、陳腐な女に思えます。
作品も昭和色が強くて、古き時代が感じられるようになりました。
そのうち、古典になってしまうのでしょうね。
流氷に覆われた無音の世界が、現実の蝉の大音響の中、
ひしひしと感じられる作品でした。
先日、長男が「面白いから、この本を貸してあげる」と手渡してくれた
『道化師の蝶』円城塔・著は、
芥川賞なのに全く理解できずに途中で重い扉が閉じてしまいました。
何を表現したいのか?全く分からない作品でした。
『花や咲く咲く』
あつのあつこ著
実業之日本社 (2013/8/8)
戦争時代の話なのに、明るいのは、戦争を知らない世代が書いた作品だからでしょうか?
登場人物たちが逞しいです。
襲色を久しぶりに思い出し、本を広げるきっかけになりました。
【内容紹介】
あさのあつこが、初めて「太平洋戦争」を描いた、心ゆさぶる“戦時下"青春小説。
戦時色濃くなる昭和18年、ある温泉街の一室で、
女学生4人は闇物資の美しい洋服生地でブラウスを縫いはじめます。
美しいものへの渇望を抑えきれない少女たち。
しかし、学徒勤労令が発令、4人はそれぞれの運命をたどることになります。
戦争という抗うことのできない時代のなかで、夢と憧れを胸に生きようとする
少女たちの青春を丁寧に紡ぎだした、まったくあたらしい戦争文学の誕生です。
【著者メッセージ】
戦時下に思春期を過ごした私の母から当時の体験を聞き、
非常に心を動かされたことが、執筆のきっかけです。
現代にも通じる少女ならではの喜びや、悩みを描きたいと思いました。
男たちが戦争にのめり込んでいくなかで、主人公の三芙美(みふみ)は、
軍国少女ながらも
「美しいものを着たい。友だちと笑いあいたい」
という少女らしい欲望に忠実に生きようとします。
空襲、食糧不足といったわかりやすいものではないけれど、
現代の少女たちも、戦って、もがいています。
そんな少女たちにも共感できる物語になるようにと、
祈るような気持ちで筆をすすめました。
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