《 三浦半島で見る春の花〝4月花II〟》
神奈川県三浦市三崎は、マグロ漁港として有名。
又、三浦半島突端、東京湾の入口でもある場所。
港の相模湾側に諸磯という場所があり油壷湾に通じる。
更に横須賀市方面側には小網代湾があり別荘地。
別荘地は、丘陵地帯で海岸性森林があり貴重な場所。
これ以上の開発は、植物環境悪化につながる。
ここ三浦市は、海岸植物の隠れたる宝庫である。
地形的にも面白い所で慎重に整備して貰いたい。
三浦市諸磯に自生していた植物のヒメハギ(姫萩)。
日当たりのよいやや乾いた斜面に見られる植物。
茎は硬く基部は分枝し地を這い、上部は斜上する。
草丈は花期では15㎝程だが花後は30㎝にまでなる。
葉は、短い柄があり光沢あって互生、卵形~長楕円形。
茎の頂部でなく途中の葉腋から蝶形の紫色花をつける。
花は合弁花植物のように見えるが、
5枚の花弁が癒着して筒状になった筒状花。
花冠は淡紅色~淡紅紫色で筒先は3裂する。
上側の裂片2個(側花弁)は円い。
下側の裂片1個(竜骨弁)は先が細く裂けている。
白色~淡紅色の房状になる付属体がある。
萼片は5個あり、内側の2個が大きく、
左右に開いた花弁の様に見える(翼wings)。
外側に3個(上に1個、下に2個)の小さな萼片がある。
花の風変わりな形状は、ラン(蘭)と勘違いしてしまう。
神奈川県内全域で見られるが、三浦半島周辺では点在程度。
しかしながら減少傾向にあり希少種になりつつある。
受粉を手助けしている昆虫も減少しているのかも知れない。
「令和陸年(皇紀2684年)4月3日、記」