今年の読書(59)『あの頃の誰か』東野圭吾(光文社文庫)
May
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人気作家らしく、新作が出ると新聞の広告欄によく名前を眺めておりましたが、読んでみたい作家ではありませんでした。
先月、米ミステリー界の最高峰である「エドガー賞」の最優秀長編部門に、同氏の『容疑者Xの献身』が受賞は逃しましたがノミネートされていると知り、どんなものかと読んでみる気になりました。
ノミネート作品ではなく、『あの頃の誰か』というミステリー短篇集で、8話が収められています。
どの短篇も作品としては古く、1989~1997年に発表されたもので、今まで収録されていない短篇ばかりです。
年代を感じる描写が多く、
・・・・生意気そうな女が、長方形の箱のようなものを持っている。巷で噂の携帯電話だ。
・・・・恋人がいなくても、とりあえずイブの夜にホテルを予約するというのが、最近の男たちのトレンドだ。<1990年>
・・・・カウントがツースリー(今はスリーツー)になった。<1994年>
・・・・DINKSという言葉知っているだろう。<1989年>
また登場する自動車も、ベンツ・BMW・レクサス・ポルシェといった馴染みの車名が出てきます。まさに上記の描写と合わせ、バブル全盛期の<あの頃の誰か>に捧げる短篇集のようです。
Posted at 2012-05-10 10:53
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Posted at 2012-05-11 00:38
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