山本俊輔氏の 『絶望中学』 を読んだのが今年の4月で、まだ大津市の市立中学2年生がいじめで自殺した報道はありませんでした。
現在の中学校の現状をあぶり出す内容で、重たい気分で読み進めたのを思い出します。
今回の『ヘブン』は、大津市のいじめとまったく同じ状況を、目の前にさらけ出しています。
この作品は、「芸術選奨文部科学大臣新人賞」と「紫式部文学賞」を同時に受賞した作品で、初出は2009年9月ですから、大津市事件以前に執筆されています。
受賞作だからではありませんが、もっと社会問題として取り上げるべき内容だと感じました。
14歳の<僕>が、ある日同じいじめを受けているクラスメートの女子<コジマ>から手紙を受け取り、被害者同士として気持ちを分かち合いながら学校生活を過ごす過程が、細かく描写されていきます。
善悪や人間のエゴイズム、友情、家庭問題に対処しながら、14歳の<僕>がどのように変容してゆくのか、圧倒的な技量で書きすすめられていきます。
今の現状をを見つめ直す機会として、ぜひ全中学生に読まんでほしい作品です。
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Posted at 2012-07-30 06:29
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Posted at 2012-07-31 00:37
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Posted at 2012-07-30 18:30
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Posted at 2012-07-31 03:37
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Posted at 2012-07-31 09:13
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Posted at 2012-07-31 23:28
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