江戸時代から新しい年号に変わり5年、面相の妖怪な古道具屋の<喜蔵>の庭に、ある夜小生意気な少年<小春>が空から落ちてきたところから物語は始まります。
<小春>は自分は「百夜鬼行」の道中にはぐれた鬼だといい、戻るべき行列を見つけなければいけないのですが、人間嫌いの<喜蔵>もなぜか<小春>には心を開き、二人の奇妙な生活が始まりますが、<喜蔵>の周りで次々と奇妙な事件が起こります。
この<小春>、本来<龍>と呼ばれた「猫股」と呼ばれる妖怪でしたが、その上の大妖怪の位を仕留めるためには、情を通じた飼い主の首を捧げなければなりません。
まだ江戸時代の物の怪がまかり通り時代を舞台として、人間と妖怪の交流を通して粋で軽妙な会話が楽しめ、ほのぼのとしたエンディングに心落ち着く一冊でした。
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