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- 今年の読書(29)『上州すき焼き鍋の秘密』倉阪鬼一郎(宝島社文庫)
重たい「刑事物」が続いていますので、息抜きに時代小説を手にしてみました。
主人公は関東八洲を取り締まる役人<藤掛右京>ですが、小料理屋を構える料理人という裏の貌を持っており、店を預かっているのは、強盗の一味から抜け出した<佐吉>です。
今回の取り締まりは、「鬼瓦の喜三郎」の残党を捕まえる役目に相方の<江坂三十郎>と上州に出向きます。
宿泊に出向いた旅籠が残党一味の店で、そこで供された「すき焼き」が、仲間内の合図で、<藤掛>の暗殺の実行を意味していました。身の危険を察した<藤掛>は事なきを得ますが、「すき焼き」の具材である<牛肉>から、一味の裏の世界の繋がりを知り残党の処理を行います。
各地各地の名物料理を楽しみながら、<藤掛>一家のほのぼのとした家族に癒され、面白く読み終えれました。
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