男は、一時間に一本のバスに乗り遅れまいと、バス停まで歩いていた。
天気がいいのだろう、保母さんらしきおねいさんと散歩中の園児たちを見かけた。ふだんから車の通りの少ない道路なので、もってこいの散歩コースだと思う。
道端には、黄色い花片を咲かせている野草が密集している場所がある。
「先生きれいなお花ね」
「そうね。黄色のきれいなお花ですね」
「なんて名前?」
「えっ、ん・・、??」
お節介な男は、みかねて
「エンコウソウ(猿猴草)ですよ」
「おっちゃんなにそれ?」(ムム、おっちゃんときたか)
「花の茎がね、手長猿の手足みたいに長くなって咲いているでしょう。茎が横になって伸びているのが、分かるかな?」(ムム、先生口調になっている)
「そうか、エテコソウか!」
「違うんだよ、エ・ン・コ・ウ・ソ・ウ」
「猿のエテコソウ!!、猿のエテコソウ!!」
手長猿のイメージが強いのだろう、間違ってはいるが、園児たちと言い合っても仕方がない。それにしてもこの年齢で、悪い言葉を知っているのには閉口した。
あとは先生にまかせよう。
男は、急ぎ足でバス停に向かった。
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Posted at 2008-03-13 14:20
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