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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(50)『凍結捜査』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(50)『凍結捜査』...
神奈川県警の不祥事を調査するために全国から集められた5人の刑事が活躍する 、『検証捜査』 (2013年7月19日刊行)に始まる「捜査」シリーズも4作目の 『時限捜査』 (2017年12月14日刊行)に次ぐのが、本書『凍結捜査』(2019年7月25日刊行)です。

捜査を通じて交際を始めた警視庁捜査一課の<神谷悟郎>と北海道警函館中央署の<保井凛>ですが、東京から休暇で出向いた<保井>との逢瀬でしたが、函館で婦女暴行事件を起こした容疑者<平田和己>が、東部に2発の銃弾を撃ち込まれた銃殺死体で発見され、<凛>は捜査に専従。<神谷>は、東京に戻ります。

過去に、<平田>に暴行された被害者<水野珠希>を担当した<保井>は、<珠希>が行方不明であることに危惧を覚えます。<平田>の身辺調査を進めますが、手掛かりが見つからないなか、<水野珠希>が東京のホテルで<平田>と同様の手口の射殺死体で発見され、<凛>は東京出張として<神谷>と協力して東京で捜査を始めます。

そのころから<凛>は正体不明の「女」に付きまとわれ始めます。<神谷>の尾行で「女」は公安の外事関係者と判明、二つの事件は、対ロシア関係が絡んだ事件の様相を帯び、捜査は上層部より打ち切りの指示が出てしまいます。

『検証捜査』に登場した埼玉県警の<桜内省吾>、警視庁の<永井高志>や福岡県警の<皆川慶一郎>などの特殊班のメンバーが要所に顔出し、シリーズとして読んできている読者には、楽しみな彩りです、遠距離恋愛として離婚歴のある<神谷>と<凛>との今後の展開も楽しみです。

よだんですが、<凛>が捜査中、一人取り残された<神谷>は函館の町で「R」という店でハンバーガーを食べるのですが、この「R」は、「ラッキーピエロ」だと思います。



#ブログ #読書 #文庫本

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今年の読書(49)『気候正義』宇佐美誠編著(勁草書房)

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今年の読書(49)『気候正義』...
これからの数世紀にわたり、地球温暖化問題が人類を悩ます最大の課題になることは間違いないことです。気候変動に伴う直接の災害にとどまらず、気温上昇に伴う疫病、居住に適さなくなった土地からのあふれ出る難民、政治紛争など、その影響は計り知れません。

それでも、現状は温暖化への政策対応は遅々として進んでいません。一般の関心は決して高いとはいえない状況です。選挙で具体的な争点になることはなく、新聞・テレビをみても、一応カバーしておかねばならない話題ではあるとしても、その扱いは市民たる者ある程度の知識は持っておこうよという程度のものです。

『気候正義』は、我が国を代表する法哲学者のひとりで、世代間問題の研究をリードしてきた京都大学の<宇佐美誠>教授によって編まれた論文集です。感情に働きかけることを通じ、温暖化問題への関心を高める類の著作ではありません。

温暖化問題への対応策を編み出すにあたって必要な「ものの考え方」について、世界の哲学者の間で交わされている議論を整理し、独自の思考を交えることで、我が国の読者の思考枠組みをステップアップすることを狙いとして編集されています。「ものの考え方」は、人の行動を内面から変えることで、世界の様相を一変する力を秘めています。本書を契機に温暖化問題への世間の関心が劇的に高まることはないでしょうが、「ものの考え方」を変えることを通じ、感情に訴えかけることにもまして、温暖化対策を進める力となることを期待しています。
#ブログ #読書 #単行本

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今年の読書(48)『去就:隠蔽捜査6』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(48)『去就:隠蔽...
『隠蔽捜査』 に(2008年1月29日文庫刊行)はじまり、前作 『自覚:隠蔽捜査5.5』 に次ぐシリーズ8作目が本書『去就』(2018年2月1日文庫刊行)です。

主人公は大森署署長の<竜崎信也>、東京大学法学部卒のキャリアとして、警視庁総務課長としてエリートコースを歩んできていましたが、息子の不祥事で、警視長の肩書のまま大森署の所長に降格人事を受けながらも、持ち前の警察官としての原理原則を貫きながら、職務に励んでいます。

大森署管内にてストーカー行為を受けていた娘<寺川真智子>が行方不明との通報が母親からあり、本人からのストーカー被害の届出により、拉致したのは、<下松洋平>だとしての捜査本部が設置されます。そんなおり、<真智子>の会社の同僚<中島重晴>が刺殺体で発見され、重ねて<洋平>の父親から猟銃の紛失届が出ている報告があり、二人の逃亡先が絞られ、捜査の結果、被害者に思えた<真智子>が<中島>殺しの犯人説に辿りつきます。

捜査本部が忙しく動いている中、管轄する第二方面本部のノンキャリアの<弓削>方面本部長が横槍を入れてくるなか、<竜崎>は警備指揮権に関する命令を出しますが、これがのちに越権行為だとされ、「特別監査」の対象になってしまいます。

事件解決後の、国家公務員の警察官としての<竜崎>の面目躍如の部分は、おもしろく、また異端児<戸高>刑事とコンビを組まされた<根岸紅美>の登場も期待できるキャラで、今後の活躍が楽しみです。

本文庫本の帯には『棲月:隠蔽捜査7』の広告が載っていましたが、単行本(1728円:2018年1月22日刊行)ですので、文庫化されるまで楽しみに発行を待ちたいとおもいます。
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今年の読書(47)『冬姫』葉室麟(集英社文庫)

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今年の読書(47)『冬姫』葉室...
本書は、尾張国の戦国大名<織田信長>の次女として生まれ、のちに蒲生氏郷の正室となる「冬姫」(永禄4年(1561年)~寛永18年5月9日(1641年6月17日))の、10歳から物語は始まり、亡くなるまでの戦国時代の武将の娘としての数奇な障害を描いた歴史長編小説です。

永禄11年(1568年)、<近江六角>氏の旧臣の<蒲生賢秀>が<織田>氏に臣従したとき、<信長>は<賢秀>の子<鶴千代>(後の蒲生氏郷)を人質として取りましたが、その器量を早くから見抜いて、永禄12年(1569年)の大河内城の戦い後に自らの娘「冬姫」を与えて娘婿として迎えました。2人の間には息子の<蒲生秀行>と娘(前田利政室)をもうけています。

その後、夫<氏郷>は<豊臣秀吉>に臣従し、陸奥会津92万石の大名になりますが、文禄4年(1595年)に40歳で死去。後継の<秀行>は家臣団の統制がままならず会津から宇都宮12万石に減封・移封されました。

「冬姫」も共に宇都宮に移りましたが、関ヶ原の戦いで<秀行>が東軍に与して功を挙げたことから会津60万石に戻されます。しかし慶長17年(1612年)に<秀行>が30歳で死去し、その跡を継いだ孫の<蒲生忠郷>は寛永4年(1627年)に25歳で死去しました。<忠郷>には嗣子がなく、<蒲生>氏は断絶しかけましたが、「冬姫」が信長の娘であることと、<秀行>の妻が徳川家康の娘(秀忠の妹)<振姫>であったことから特別に、姫の孫にあたる<忠知>(忠郷の弟)が会津から伊予松山藩20万石へ減移封の上で家督を継ぐことを許されました。その<忠知>も、寛永11年(1634年)に嗣子なくして早世し、結局は<蒲生>氏は無嗣断絶となりました。

「冬姫」は、晩年を京都嵯峨で過ごし、寛永18年(1641年)5月9日、81歳で死去しています

赤穂事件を扱った 『花や散るらん』 でも歴史的史実に基づきながら、「雨宮蔵人・咲弥」の架空の夫婦を登場させていますが、本書でも、「冬姫」の警護役として「鯰江又造」・忍びの「もず」が登場、いい脇役として色を添えていました。
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今年の読書(46)『柚子の花咲く』葉室麟(朝日文庫)

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今年の読書(46)『柚子の花咲...
著者の時代小説を読むといつも感じるのは、結末のさわやかさが素晴らしいのだと、改めて感じさせてくれる一冊でした。

鵜の島藩領内の沼口宿にて、一人の武士の遺骸が海岸で見つかりました。男は隣接する日坂藩の青葉堂村塾の教授「梶与五郎」で、鵜の島藩家老の三男でもありました。

村塾で「梶」のかっての教え子「筒井恭平」は、恩師が殺された真相を探るべく、隣藩へ出向き捨て身の態勢で、恩師の複雑な家庭環境と人間関係のしがらみを解き明かしてゆきます。

干拓を巡り隣藩との境界でのもめ事を主軸に、子供時代の「梶与五郎」との村塾の出来事を回想しながら、恩師の口癖の教え「桃栗三年、下記八年、柚子は九年で花を咲かす」の言葉通り、武士として、人間として大きく成長した「恭平」の生き方に感動しながら、教育とは何かという本質に迫る内容でした。
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今年の読書(45)『花や散るらん』葉室麟(文春文庫)

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今年の読書(45)『花や散るら...
「時に元禄十二年十二月十四日、江戸の夜風を震わせて・・・」の語りが入る<三波春夫>の『俵星玄蕃』(1969年)は、赤穂浪士の討ち入りが主題で、私の大好きな歌のひとつです。

本書は、赤穂3代目藩主<浅野 長矩>と高家の<吉良上野介>との「忠臣蔵」とも呼ばれる「赤穂事件」の流れを中心に据え、京の郊外で静かに暮らす元水戸徳川家奥女中取締役の「咲弥」と「雨宮蔵人」という架空の夫婦を登場させ、江戸幕府と京の朝廷との対立を伏線とする、武士の心意気を描いた作品です。

標題の「華や散るらん」は、能の「熊野」に出てくる「いかにせん都の春もおしけれど馴れし東の花やちるらん」から引用されています。

「華やちるらん」の言葉に著者は、男女のこころの結び付きや夫婦・親子の絆、そして武士たる者の矜持を端的に表し、「赤穂事件」という史実に沿わせ、自らの思い描く人の世の世界を見事に構築させた作品だとおもいます。また、「赤穂事件」の裏の世界を知りえた貴重な時代小説でもありました。
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今年の読書(44)『冬の光』篠田節子(文春文庫)

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今年の読書(44)『冬の光』篠...
著者の作品は、『アクアリウム』 ・ 『沈黙の画布』 などを読んでいますが、『仮想儀礼(上・下)』 の文章力に圧倒され、綿密な作品構成に惹かれています。久々の文庫本の新刊『冬の光』(2019年3月10日発行)が目に留まり手にしました。

あらすじだけを書きますとありきたりの小説のようですが、そこは著者の巧みな構成で、最後まで読み手を引き付けて放しません。

高度成長期に企業戦士として働いてきた<高岡康宏>62歳は、家庭外に学生運動の同志としてつかず離れず20年来の女<笹岡紘子>との関係が家族にばれ、家庭内で浮いた生活をしていました。東北大震災でボランティアに出た帰り、四国遍路に出向き、帰りのフェリーから転落したのか亡くなったのが発見されます。事故か自殺かわからないまま、次女の<碧>は、真相を確かめようと、父の残したメモを頼りに四国88か所を訪ね歩きます。

<康宏>の視線で描かれる<紘子>との関係、<碧>の視線での父親像と家庭環境が交互に語られ、<康宏>の人生観が浮かび上がっていきます。

家族とは、男女の関係とは、人にはそれぞれの人生があり、それを見つめる人々にもまた、それぞれの人生があるはずです。その触れ合いやすれ違いが人間同士の関係なのだと、改めて感じさせ切なくさせてくれる物語でした。
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今年の読書(43)『日の昇る国へ』佐伯泰英(新潮文庫)

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今年の読書(43)『日の昇る国...
第一巻『死闘』(2008年1月5日:徳間文庫刊行)に始まり第十一巻『帰還』に終わる<古着屋総兵衛影始末>シリーズに次ぎ、新シリーズとしての<新・古着屋総兵衛>シリーズも、第一巻 『地に非ず』 (2011年1月28日刊行)に始まり本書第十八巻の『日の昇る国へ』(2019年6月1日刊行)にて完結となりました。

恒例の「古着市」の開催直前に。将軍家近習の旗本「古瀬」が売り上げの一部を上納せよとの圧力を大黒屋にかけてきます。「古瀬」は無益の小普請組から瞬く間に将軍家近習にのしあがった男であり、総兵衛たちが背後関係を探りますとあくどい商売の呉服店「きき」が浮かび上がりますが、無事に始末をつけ、第十回目の「古着市」はいつも通りに開催されます。

桜子と婚姻を済ませた総兵衛は、新造船「カイト号」を引き取りに、バタヴィア迄桜子と一緒にイマサカ号にて日本を離れます。

「カイト号」を引き取った総兵衛一行は試験航海を繰り返し、船員共々新しい船に慣れていきますが、総兵衛は日本に戻らず、日の昇る国アメリカを目指して旅立つことを決心します。

日本の大黒屋の行く末は、徳川幕府との関係は、鷺沢一族の行く末はなどと読者としては気になる部分も多く残るところですが、長きにわたる物語としては、頃合いの完結かもしれません。
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今年の読書(42)『いざ帰りなん』佐伯泰英(新潮文庫)

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今年の読書(42)『いざ帰りな...
<佐伯泰英>の「新古着屋総兵衛」シリーズも、第16巻 『敦盛おくり』 に次ぐ本書『いざ帰りなん』で17巻目になりました。

<総兵衛>率いる鳶沢一族のに運び方の<文介>の動きがおかしいと<北郷陰吉>の報告を受けて、<総兵衛>は、身辺調査を<陰吉・平十郎・忠吉・林梅香>らに委ねますが、若年寄りの<京極高久>が金貸し<三留屋>と組み、古着市の乗っ取りをはかっていることを突き止めます。

古着市開催が迫る中、<総兵衛>たちは、<京極>の屋敷に乗り込み、<京極>の暗殺を裏の貌として働き、事なきを得ます。

一方、大黒丸とイマサカ号の交易船団は、新造船カイト号の建造のめども立ち、2年ぶりに日本へ戻ってきます。

日本では、京都に出向いた<総兵衛>と<坊城桜子>の仮祝言が執り行われ、盛大に開催された「古着市」でも披露され、大黒屋としての基盤が固まっていきます。無事夫婦になったふたりは、<総兵衛>を船団長として新造船のカイト号の引き取りと交易に旅立ちます。

本書で、<総兵衛>の配下となった元秋月藩主の<筑後平十郎>の過去が語られ、彩りを添えていました。
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今年の読書(41)『検事の信義』柚木裕子(KADOKAWA)

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今年の読書(41)『検事の信義...
たまたま手にした 『朽ちないサクラ』 が気に入り、前回(40)の 『最後の証人』 に続き<柚月裕子>の最新作が本書です。

第1作目の『最後の証人』では、ヤメ検として弁護士として登場している<佐方貞人>ですが、シリーズとしては検事として『検事の本懐』・『検事の死命』に続く4作目が本書で、「裁きを望む」「恨みを刻む」「正義を質す」「信義を守る」の4篇が組まれ、これらのタイトルに主人公の検事<佐方貞人>の人物像が浮かび上がる構成になっています。

「裁きを望む」は、ある住居侵入および窃盗の容疑で逮捕・起訴された若い男の論告求刑公判で、佐方が「無罪」を論告するという異例の場面で始まります。

無罪論告はきわめて珍しく、全国の裁判所で年に1、2例あるかないかです。被告人はある資産家の家に侵入し、高価な腕時計を盗んだとして起訴されていた。しかし、証拠調べが不十分で、また被告人が被害者の非嫡出子であることがわかり、スキャンダルな展開となっていました。

腕時計は事件の前に被害者から被告人に手渡されていました。警察に逮捕されたときに、そう証言すれば起訴されることはなかったと思われた。まるで起訴されることを望んでいたような被告人の思惑とは何か。このあと、遺産相続をめぐる「トリック」や地方検察庁内部での人間関係が絡み、<佐方>は厳しい判断を迫られます。

そのとき、<佐方>が考えたのは「罪はまっとうに裁かれなければならない」という当たり前のことでした。ところが被告人は別のことを考えていました。種明かしになるので、詳しく書けませんが、<佐方>はある奇手に出ます。このあたりは著者がとくに知恵を絞ったに違いありません。

かつて検事を主人公にしたリーガル・ミステリーがなかった訳ではなく、<小杉健治>の 『決断』 に登場する東京地検の<江木秀哉>なども魅力的でした。<柚月>さんはシリーズ前作の『検事の死命』(2013年9月5日)から6年経て、新たな検事像を確立させたようです。
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