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今年の読書(53)『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子(幻冬舎文庫)

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今年の読書(53)『置かれた場...
2012年に刊行され200万部を超えるベストセラーになった本書ですので、すでに読まれた方も多いと思います。

著者の<渡辺和子>(1927年2月11日~2016年12月30日)さんは、キリスト教カトリック修道女 (修道女名:シスター・セント・ジョン)であり、1963年、36歳にて 岡山県ノートルダム清心女子大学の学長に就任。1990年、学校法人ノートルダム清心学園の理事長に就任という経歴の持ち主です。

本書で初めて知りましたが、陸軍教育総監だった父<渡辺錠太郎>は、昭和11(1936)年2月26日、自宅で青年将校らの銃弾を浴びて射殺されましたが、彼女は座卓の陰に隠れその現場を目撃、難を逃れたという2・26事件の悲惨な経験者という事実に驚愕するとともに、本書にて述べられている言葉の一つ一つが心に重く響く一冊でした。
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今年の読書(58)『職業としてのAV女優』中村淳彦(幻冬舎新書)

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今年の読書(52)『断絶』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(52)『断絶』堂場...
<堂場瞬一>ファンなら架空の県庁所在地としての汐灘市を舞台にした<汐灘サーガ>シリーズはよくご存じだと思います。
本書は 『長き雨の烙印』 に次ぐ第2作目に当たりますが、単独に読んでも差しさわりはありません。

引退を決意していた汐灘出身の大物代議士<剱持隆太郎>は、後継者指名問題で頭を悩ませていました。一人息子の<一郎>を後継指名と考え、そのための教育を施してきたと言っても過言ではありませんでしたが、秘書の<椎名>から<一郎>のことである相談を受け、正義感と倫理観の狭間で揺れ動きながらも、<一郎>のため、ひいては汐灘の将来の活性化のためにと、ある工作をしてしまいます。

翌日、汐灘の海岸で、顎を散弾銃で撃ち抜かれた女性の遺体が発見されます。顔が半分崩れていたため身元は不明ですが、状況からも、そして鑑識の調べでも自殺と判断されてしまいます。だが、遺体が妊娠していたこと、女性が猟銃で自殺した前例があまりないことなどから、県警本部の刑事<石神謙>は自殺とは断定できずに所轄のけいじの協力を得て、独自に捜査を始めます。しかし有力な情報も得られないまま、上からの命令で捜査は中断に追い込まれてしまいます。密かに捜査を続ける<石神>の元に、遺体の身元を知らせる密告電話が入り、女性が地元の大手ゼネコン・汐灘建設の東京支社に勤めていたことが判明します。汐灘建設、それは現在、<剱持一郎>が社長を務める会社でした。

<剱持>の後継問題にも壁が立ちはだかります。現職の県知事が<剱持>に立候補を宣言、そしてまた別の代議士が県議を候補に立てようと画策していることが判明します。

読者はこのあたりで<一郎>が犯人ではないかとの予測ができるのですが、代議士の政治問題と、<石神>の出生問題も絡み合い、剣持親機だけではない父と息子の関係が複雑に絡み合う収束は見事でした。
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今年の読書(51)『新傭兵代理店・復活の進撃』渡辺裕之(祥伝社文庫)

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今年の読書(51)『新傭兵代理...
「傭兵代理店」シリーズは、『傭兵代理店』で始まり『傭兵の岐路』で終わる全11巻が、シリーズの第一弾です。

本書は第2段目の幕開けの1巻目に当たります。前シリーズでは、日本において非公式に特殊任務をこなし政府にも徴用されていましたが、国際犯罪組織の陰謀で日本における「傭兵代理店」はつぶされてしまいました。

そんな折、アルジェリアで起こったテロ襲撃の調査に出向いた各国のメンバーが拉致される事件が起こります。

日本から出向いたメンバーを救出すべき<藤堂浩志>は昔のメンバーを揃え、拉致された日本人を奪還すべく熱い砂漠での戦いが始まります。
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今年の読書(50)『花だより』高田郁(ハルキ文庫)

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今年の読書(50)『花だより』...
副題に「みをつくし料理長特別巻」とありますように、第1巻の 『八朔の雪』(2009年5月)にはじまり、10巻目の 『天の梯』(2014年8月)で完結した物語のその後が楽しめ構成になっています。

「つる屋」の店主<種一>のあわただしさから、大坂に戻った<澪>を訪ねようとする、珍道中や、<澪>の幼馴染の<あさひ太夫>の郭での生活の裏話、<澪>と添い遂げられなかった<小野寺数馬>夫婦の現況など、「みをつくし料理長」ファンにとっては、おなじみの登場人物たちが、登場しますので、過去の場面を懐かしく思い出しながら読み進めます。

最後の章では、<澪>の実家があった四ツ橋近くにて、料理屋を再開することになり、めでたし目立たしの中で、読み終えることができました。
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今年の読書(49)『男たちのワイングラス』今野敏(実業之日本社文庫)

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今年の読書(49)『男たちのワ...
好きな作家の<今野敏>であり、酒に関連するタイトルが使われていますので、思わず手に取りましたのが本書です。新刊本ではなく1989年に同社からすでに刊行されています。

主人公の<私>は、表向きは相山流の茶道の師匠なのですが、裏の顔として祖父が編み出した中国拳法の極意を継いでいる武道の達人でもあります。

タイトルにお酒の名称が入る連作短編の8話が納められています。

物語の舞台は、富士見ヶ丘商店街のはずれにあるバーで、マスターの<シノ>は、元その筋の人物。そこに集う<私>と、幼馴染で美人の<三木菫子>、神の兵士を辞任するアイルランド出身の神父<ベンソン>のもとに、なにがしらのトラブルがふりかかってきますが、そのたびに<私>の裏の顔をやむなく出さざるを得なくなるという構成です。

その解決方法と結町は、煮たりと楽しめる爽快さでした。
#ブログ #読書 #ぶんこぼん

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今年の読書(48)『ねんねこ書房謎解き帖』加古屋圭市(実業之日本社文庫)

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今年の読書(48)『ねんねこ書...
関東大震災で職を失った17歳の<石嶺こより>は、仕事を求めてカンダ神保町の裏通りにあ小さなる古書店「ねんねこ書房」を訪れます。

店主の<根来佐久路>は、本業の傍ら「よろず相談」を引き受けており、たまたま面接時の時に相談者と巡り会わせた<こより>は、<佐久路>から、謎解きを掛けられ、正解すれば店員とする約束を取り付けます。<佐久路>からはヒントとして、<芥川龍之介>の『羅生門』を渡され、<こより>は見事に解き証し無事に店員となります。

本書には、5編の短編が納められ、「よろず相談」の謎解きが文豪の名著を中心に読み解かれ、「世界の答えは、すべて書物の中にかかれている」と<佐久路>に語らせています。

「よろず相談」の報酬は古書店の本を買ってもらうこととし、合わせて震災で行方不明になった<佐久路>の妹<さくら>の情報協力を求めるのですが、本書ではみつかりません。

連作短編として、続巻が発行されそうな筋立てですので、名著の再確認もでき、楽しみなシリーズになりそうです。
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今年の読書(47)『ネコと昼寝』群ようこ(ハルキ文庫)

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今年の読書(47)『ネコと昼寝...
<群ようこ>の「れんげ荘」シリーズは、第1弾 『れんげ荘』 (2011年)、第2弾 『働かないの れんげ荘物語』 (2015年)に続き、本書『ネコと昼寝 れんげ荘物語』が第3弾となります。

10万円で、心穏やかに楽しく暮らそうと、 45歳の<キョウコ>は、大手広告代理店を早期退職し、都内の古い安アパート「れんげ荘」へ引っ越しました。数年後、<キョウコ>は相変わらず貯金を切り崩す生活を送っています。第1弾・第2弾では、ささやかな幸せを求めて、散歩、読書、刺繍、個性豊かな住人たちとの交流をとおして、穏やかに暮らす<キョウコ>が描かれています。

<キョウコ>と同じく大手広告代理店に勤務していた女性社員による過労自殺のニュースは、記憶に新しい。著者の<群ようこ>は本書(単行本)の刊行に寄せて「最後の最後まで耐えずにえいっとやめてしまうか、休職するという選択肢はなかったのかと胸が痛むけれど、<キョウコ>は働いている人であれば必ずといっていいほど考える、『こんな会社、やめてやる』を実現した」「いちばん嫌で辛いところからは逃げればいい。しかし生きることから逃げてはいけない」としています(角川春樹事務所『ランティエ』より)。

早期退職を決断する人の大半は、再就職、趣味への没頭、地方に移住して自給自足など、第2の人生への希望を持っているはずですが、<キョウコ>の場合、早期退職から数年経った現在も第2の人生の幕を開ける気配はありません。第3弾となる本書は、自分の将来や母親への不安を感じつつ、穏やかで自由な暮らしを満喫する<キョウコ>が描かれています。

 「彼らはやめた時点から矢印が上に伸びていっている気がするが、自分はやめたときの点のまま」と自覚しつつ、「会社や同僚、男女の裏も表も知ってしまい、心底疲弊してしまったので、働くのはいや」。「会社をやめて結婚もせず、古い倒れそうな木造アパートに住んで、よそのお宅の飼いネコの来訪を待ちわびる中年女。自分では不幸だとも陰気だとも思っていない」のがキョウコの心境だ。

バリバリ働くキャリアウーマンから無職へ転身することで、<キョウコ>は肩身の狭い思いをし、時間を持て余し、不安を感じる。同時に、今の生活になってよかったことがいくつも心に浮かぶ。選択肢は多様にあって、より居心地の良い道に進むのも1つの手だと、本書はほのぼのと教えてくれます。
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今年の読書(46)『エキナカには神様がいる』峰月皓(メディアワークス文庫)

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今年の読書(46)『エキナカに...
本書『エキナカには神様がいる』は、1日に数十万人が利用する燕町駅のエキナカを舞台に、人々の関わり合いから生まれる5つのドラマが描かれています。

「第一話 背中」「第二話 視線」「第三話 嘘」「第四話 思い出」「第五話 駅のスケッチ」の5つの短編で構成され、1つの作品に登場する人物が、別作品にも現れる構成をとっています。登場人物同士のつながりが、作品を追うごとに徐々に広がっていきます。

自殺が頭をかすめるほど、疲労困憊した男性会社員。4年前に元彼から逃げてきたが、その元彼が再び現れて戸惑う花屋の店員。エキナカを1人きりで彷徨う小学生の男の子。詐欺被害に遭って間もなく、駅でスリに遭った高齢の女性。そんな彼らを見かけると、<中神>は居ても立ってもいられなくなる。「駅は、みんなが集まる場所だから」と、全力で助けに動きまわります。

第五話は主人公<中神>自身にスポットが当てられ、彼がなぜ絵を描き、駅での揉めごとを仲裁し続けてきたのか、その背景にある彼の父親への思いが描かれています。<中神>を中心に広がる人々の縁、思いやりの連鎖が、燕町駅全体に行き渡り、読み手にも温かい気持ちを感じさせてくれる一冊でした。
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今年の読書(45)『落語怪談 えんま寄席』車浮代(実業之日本車文庫)

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今年の読書(45)『落語怪談 ...
本書には、江戸人情噺の古典落語が4題目登場、それぞれの登場人物たちが死んで閻魔様の前で、自分の境遇や行いを騙りながら、閻魔様のお裁きを受けるといった趣の連作短編集です。

取り上げられているのは、まずは<三遊亭圓朝>の作とされますが不確かで<三代目桂三木助>の改作で有名な『芝浜』や<初代春風亭柳枝>の創作落語『子別れ』、その他『火事息子』・『明烏』の4話で、どれも夫婦・親子の人情を絡めた古典落語ですが、語る人物の裏側に潜むよこしまな行いを暴き出していきます。

それぞれ共通する人物が交差して描かれ、最後の「サゲ」でも思わぬ「オチ」でしめくくられています。

物語に精通した落語ファンの方には、目からうろこでたのしめる一冊だと思います。
#ブログ #読書 #文庫本

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