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【ニゲラ】として一般的に流通しているのは「ニゲラ・ダマスケナ」ですが、これはその園芸品種として、イギリスの<T&M(Thompson & Morgan)>社で作出されている「アフリカンブライト」です。
【ニゲラ】は、キンポウゲ科クロタネソウ属の1年草で、日本には江戸時代に渡来しています。
和名の「クロタネソウ(黒種草)」は、花後に大きく膨らんだ裂開果を実らせ、熟すと黒いタネを散布させることに由来しています。
葉は細かく裂けて細い糸状をしており、茎は枝分かれしてその先に一輪の花を咲かせます。
花径は3~5センチ、色は白色・青色・桃色等があり、花弁に見えているのは<蕚片>で、本来の花は退化して目立ちません。
「ブラッククミン」と呼ばれ、カレーのスパイスとして用いられるタネは<ニゲル・サティバ>という品種から採取されたモノです。
樹高1メートル程の鉢植えでしたが、大輪の春咲きの<ボタン(牡丹)>を見つけました。
ボタン科ボタン属の落葉小低木で、原産地は中国、野生種としては5種ほどが自生しています。
日本には奈良時代に渡来、<弘法大師>が持ち帰ったとの説もあります。
同じ属には「シャクヤク(芍薬)」があり、良く似た花姿です。英語ではどちらも「Peony」と呼ばれ、学名の「Paeonia」はギリシア神話の「医の神=Paeon」に由来しています。
<ボタン>は木本植物、「シャクヤク」は冬期に地上部が枯れる多年生の草本植物です。また<ボタン>は枝分かれして横に広がりますが、「シャクヤク」は枝分かれせずに茎が真っ直ぐに伸びています。
早春から春先にかけて咲きだす【オオアラセイトウ(大紫羅欄花)】ですが、はや<種子(長角果)>ができていました。
アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草で、原産地は中国、日本には江戸時代に渡来しています。
草丈は50センチほどになり、花径3センチばかりの花を総状花序に付け、アブラナ科特有の十字形の4弁花で、雄しべが6本、雌しべが1本の 花姿 をしています。
熟すと黒くなる種子ができ、「アブラナ」と同様に油を採取することができます。
開花する時期が4月~5月であり、味の良い旬の<蜆>と関係するのでしょうか、<蜆>の内臓に似ているということで【シジミバナ(蜆花)】と和名が付けられています。
バラ科シモツケ属の落葉低木で、同じ属には 「ユキヤナギ」 や「コデマリ」が含まれています。
花径は1センチほどで、雄しべ・雌しべがありませんので、結実してタネはできません。
葉は7ミリ程度と小さめの楕円形、株は株立ちになりこんもりと茂り、高さ1~1.5メートルぐらいに達します。
原産地の中国では「笑靨(しょうよう)」と呼ばれ、「えくぼ」を意味し、花の中央の窪みを「えくぼ」に見立ています。
花の形は、同じオオバコ科クワガタソウ属の 「オオイヌノフグリ」 に似ている【フラサバソウ】です。
ヨーロッパ原産の野草ですが、日本では明治時代初期に長崎県で初めて確認され、ヨーロッパのモノと同じだと報告したフランスの植物学者が<フランシェ>と<サバティエ>であり、その二人の名前から和名の【フラサバソウ】が命名されています。
「オオイヌノフグリ」と見比べますと発芽時期が遅く、4弁花としての花径も4~5ミリと半分ほどの大きさで、花色も淡青紫色と薄い感じです。
茎は根元でよく分かれ、地面を這うように四方に広がり、先端は少し直立して花を咲かせ、葉と特に<蕚>には長い毛が目立ちます。
袋状になった<唇弁(リップ)>の形が特徴的な、不思議な花姿をしたランで、ラン科パフィオペディルム属に分類されている多年草、東南アジアを原産地としています。
多くのランは着生植物ですが、地上に根を下ろす地生蘭、もしくは半着生であり、少数派に属しています。
花は長い花茎の先に単独かもしくは少数の穂状になり、外側にある上向きの<背がく片(ドーサルセバル)>は幅広く、左右側面の<花弁(ペダル)>は細長く横に伸び、<唇弁(リップ)>の後側には<下がく片(ベントラルセバル)>を持ちます。
名称はギリシア語の「パフィオ(ヴィーナス)」と「ペディロニ(サンダル、スリッパ)」の合成語で、「女神のスリッパ」を意味し、英名でも「Ladyslipper」です。
路傍や空き地で見かける、野草の【オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)】です。
ナデシコ科ミミナグサ属の一年草で、原産地はヨーロッパですが帰化植物として広く分布しています。
全体的気灰黄色の軟毛と腺毛が密生しており、茎は直立し、さじ型の葉を対生させ、茎は頂部で二股分枝、先端に集散花序を構成します。
花径は7ミリ前後と小さく、柱頭は5裂、雄しべは10本あり、白色の5弁花で花弁の先端は浅く2裂しており、花柄は短く密集して咲いた感じです。
和名の(耳菜草)は、葉の形がネズミの耳に似ていることにより、英名でも「Sticky mouse-ear」と呼ばれています。
外側に見えています5枚の淡い紫色の部分は花弁ではなく、<蕚>であり、内側にある淡い黄色の部分が、花弁です。
キンポウゲ科オダマキ属の耐寒性多年草で、開花時期は4~6月頃、この品種は「西洋オダマキ」としては矮性で、草丈は約20センチほどにしかなりません。
日本原産の「ミヤマオダマキ(深山苧環)」を、「西洋オダマキ」と交配させて作出された園芸品種です。
同じ「西洋オダマキ」でも、 「ビジューサフィール」 とは随分と花姿が違いますので、改めて同じ属といえども多様性があるものだと感じさせてくれました。
日本には50~70種の「スミレ」の仲間があり、どれも良く似ていて同定するのに困りますが、特徴ある花姿のときには気が楽になります。
本種はスミレ科スミレ属の常緑性多年草で、数枚の葉を根出状に束生させ、長さは5~8センチ、幅2センチほどの形状で、その株の姿、葉の形、花の形は「スミレ」とよく似ています。
【アリアケスミレ(有明菫)】は、 「スミレ」 のように濃い花色ではなく、基本的に花色は白っぽく唇弁と側弁に少しだけ筋が入るものから、紫の筋が目立ち、花弁そのものが紫色を帯びるものまで変異が大きい品種です。
白っぽい花弁から紫色まで変化に富む色合いを、有明海の空に見立てたのが、命名の由来です。
花径は4~5センチほどの大きさで、【モチツツジ(黐躑躅)】の園芸品種<花車>です。
江戸時代からの改良品種で、花弁が細長い特徴があり、風車の姿に似ているところから、<花車>と名付けられたのではないでしょうか。
ツツジ科ツツジ属の落葉低木で、葉は秋になると紅葉し、芽を囲む一部を除き、大きく成長した葉は落葉します。
花弁は5枚あり漏斗型、明るい紫紅色の花弁に濃い紅色の斑点が上部の裂片に見られます。
花の<蕚・葉柄・葉の両面>などに腺毛が多く生えており、底から分泌される液滴によって粘着性があり、花粉媒介をする昆虫以外を捕殺し、花への害を守っており、この粘りが「鳥もち」などと似ていることが、名称の由来になっています。
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