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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(60)『冷やかな肌』明野照葉(中公文庫)

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今年の読書(60)『冷やかな肌...
前作に読みました 『その妻』(中公文庫) の前に刊行されています『冷やかな肌』です。
前作は、明野照葉の最新作ということで優先して読みましたが、この作品も<明野ワールド>が広がり、女性主人公の「女」のしたたかさが描かれています。

総合商社「ダイショー」に勤める<相沢夏季>と年下の<小谷野良佳>と二人は、急成長している飲食店「シノワズリ」に、共同事業の展開を視野に入れての調査目的で出向させられます。
出向先では38歳ながらにして、経営母体である「王琳」の取締役であり、フランス人の夫があり、野菜を仕入れる農家と交渉しながら、3店舗の「シノワズリ」の人員配置までこなす<渡辺真理>の力量に圧倒されてしまいます。

その反面、感情を乱すことなく冷静に物事の判断をこなしてゆく<渡辺>の姿に、何か特別な思惑が隠されていることに気付き始め、<良佳>と二人で<夏季>は「王琳」や<渡辺>の周辺調査に乗り出してゆきます。

<「女」の執念・怨念・すさまじさ>という言葉がぴったりとくる<明野ワールド>ですが、<したたかさ>も加わり、いつもながら楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(59)『中国の「反日」で日本はよくなる』宮崎正弘(徳間書店)

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今年の読書(59)『中国の「反...
「尖閣問題」や東シナ海の公海上でおきた<おおなみ>に対する「レーザー照射」事件など、中国の動向が気になるところです。

中国の反日政策に対して、面白いタイトルだとおもい読んでみました。

著者は、中国ウオッチャーと言われるだけあって、現在の中国の分析、特に<習近平>を中心に据え、細かい軍内部の人事関係を網羅しており、面白く読めました。

欧米諸国が中国への投資を引き上げ、「チャイナ・プラス・ワン」のもと他の東南アジア諸国に活路も見出す中、日本だけがいまだ中国に固執する企業が多いのに警告をならしています。
安倍総理のASEAN諸国への積極的な訪問も、中国に対し懸念を抱く各国からの歓迎され、日本の立場の変換期が来たと著者は説きます。

社会における所得配分の不平等さをはかる「ジニ係数」も、中国は騒乱多発の警戒数(0.4)を超えて(0.63)と算出されています。
中国国内の暴動はこれからも予見でき、「反日感情」をあおることで共産党幹部の汚職問題等から国民の目をそらそうとする政策が垣間見れ、チベット・モンゴルの民族問題も含み国内情勢が不安定な中、今後の動向が気になる中国です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(58)『幻想郵便局』堀川アサコ(講談社文庫)

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今年の読書(58)『幻想郵便局...
著者は、2006年『闇鏡』にて、第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビューした作家で、この『幻想郵便局』も、分類的にはファンタジーノベルで、癒し系の物語りです。

就職先が決まらない<安倍アズサ>は、狗山のてっぺんにある登天郵便局にアルバイトとして務めることになりますが、不思議な人々や現象と遭遇してゆきます。

登天郵便局は、黄泉と現世をつなぐ希少な場所にあり、黄泉の出先機関としての役目を背負っています。
本来は<狗山比売>の社があった場所なのですが、追い出された<狗山比売>が封印をとかれ、再び戻ってひと悶着が起こります。

地獄にも極楽にも行けない<真理子>に取りつかれる<アズサ>ですが、<真理子>が殺された事件を解決したりと、「探し物をみつける」という特技が生かされ、ほのぼのとした登場人物たちともども楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(57)『ふがいない僕は空を見た』窪美澄(新潮文庫)

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今年の読書(57)『ふがいない...
昨年11月17日(土)に全国公開されました映画『ふがいない僕は空を見た』の原作本です。
5編が収録されており、第1編の『ミクマリ』が、2009(平成21)年の<女による女のためのR-18文学賞>の大賞を受賞、その後同作品を含めたタイトルの単行本で、<本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位>、<本屋大賞2位>、<第24回山本周五郎賞>を立て続けに受賞しています。

高校1年生の<斉藤良太>は、12歳年上の主婦<あずみ>と不倫関係にあり、<あずみ>の趣味であるコスプレの姿でセックスに励む日々が続いています。
同級生の<松永>は<斉藤>に気持ちを寄せているのですが、人妻としての<あずみ>にのめり込んでゆく中で、彼自身性欲とは違う感情が生まれ、自分自身の原点に悩みをかかえます。

第1編だけを呼んで、「これで映画一作撮れるのかな」と不思議に感じましたが、それぞれの登場人物たちのが残り4編に主人公として話がすすみます。第1編と絡み合い、複雑な人間模様を浮き上がらせ、「なるほど」と納得すると共に、著者の文章力にみいられました。

<斉藤>の母親は助産院を開いていますが、女でひとつで息子を育てる環境の中で、生きることの痛みと喜びを中心に据えて、どこまでも優しく読者に語りかけてくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(56)『もぐら 闘』矢月秀作(中公文庫)

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今年の読書(56)『もぐら 闘...
「もぐら」<シリーズ>として5作目になる『もぐら 闘』です。
主人公は、元警視庁組織犯罪対策部に所属していた「もぐら」こと<影野竜司>です。

新宿のビル街にあるオープンカフェ似て大規模な爆破事件が起こり、多数の死者がでますが、その中にiPS細胞の研究に関わる研究員がいたことがわかり、また爆破に用いられた手口が、共に「ONGAWARA」という企業に結びついてきます。

<シリーズ>前作で昏睡状態に陥った恋人<紗由美>の看護で、浜松市内にある医療施設でリハビリの付き添いをしている<竜司>ですが、入院患者が突然姿を消すという不審な出来事が続き、人体実験が行われていることを突き止めてゆき、この施設も「ONGAWARA」と関連があるのが判明します。

トラブルシューターの「もぐら」として、警察の人間ではありませんが、元同僚との連携プレーで事件を解決してゆきます。

捜査責任者の<垣崎>は、功をあせるあまり情報屋の<波留間>に翻弄されますが、最後は立ち直り一皮むけた人間に成長して終わる場面は、思わずニヤリとして読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(55)『鬼神曲』化野燐(角川文庫)

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今年の読書(55)『鬼神曲』化...
副題に「考古探偵一法師全」と付いていますが、『葬神記』に次ぐ<考古学ミステリー>シリーズの第二冊目です。

第一冊目は読んでいなくても独立した内容ですので困りはしませんでしたが、前作との関連が出てきますので、シリーズ物としては順番に読むのが王道のようです。

主人公は遺跡発掘アルバイトをしている<古屋達司>で、考古学の学芸員<呉>から出雲市に近いD町にある「鬼の墓」の調査で訪れるところから始まります。
調査目的地では、地元大学の古代史同好会の顧問<篠田史子>をリーダーに4人の学生メンバーと合流するのですが、人里離れたセミナーハウスに宿泊中、次々と学生たちが殺人事件の被害者になっていきます。

古代史に絡む「鬼」伝説を主軸に、考古学に冠する雑学も楽しめましたが、ミステリーとしては読者にすべての情報を提示しておくという手順を踏んでいない感じがしないでもなく、また「考古探偵一法師全」も最後だけの登場で、<シリーズ>の主人公誰なのかなと疑問のまま読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(54)『Dカラーバケーション』加藤実秋(創元推理文庫)

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今年の読書(54)『Dカラーバ...
2003年「インディゴの夜」で、第10回創元推理短編賞を受賞、2005年受賞作を含む連作短編集『インディゴの夜』を刊行、以後も連作短編集としてこの『Dカラーバケーション』(2012年2月)で4冊目になります。

登場人物たちは、渋谷のホストクラブ「club indigo」の女性オーナー<高原昌>を中心に個性あるホスト達が登場、<高原>を中心に難事件などのトラブルを解決してゆくという筋立てです。

<高原>の台詞として、「相手が誰だろうと気が乗らない、ノリが違うと思ったらそっぽを向き、梃子でも動かない。実に分かりやすいが扱いは面倒。それがこの連中だ」とあるように、一筋縄ではいかないホスト達の活躍は、なかなか会話のやり取りも面白く、肩を張らずに気楽に読めました。

表題の「Dカラー」はダイヤモンドが絡む事件に乗り出すのですが、最高ランクの表示としての意味合いが含まれています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(53)『こころのつづき』森浩美(角川文庫)

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今年の読書(53)『こころのつ...
著者の<家族小説短篇シリーズ>として、 『家族の言い訳』・『こちらの事情』(双葉文庫) ・ 『ほのかなひかり』(角川文庫) ・ 『小さな理由』(双葉文庫) に続き、5冊目になります。
今回も8話の短篇が収められていますが、それぞれに愛情のこもった物語りで、ほのぼのとした読後感で心が温められます。

第一話の「ひかりのひみつ」を読めば、表紙のイラストの意味がよく分かるのですが、未婚の母の子供として生まれ義父との家庭の中で素直に育った主人公<奈々>の明るさが、逆にホロットさせられるラストでした。

どの短篇も家族をテーマにしていますが、著者自身があとがきで、<家族小説をたくさん描く内に、家族とは肉親だけなのだろうかと疑問に思うようになりました。友人、知人、仕事仲間、それからペットなどなど。縁あって触れ合うことになった間柄すべてを”家族”と呼んでいいのでは・・・>と述べられています。

そんな目線でそれぞれの大切な絆を描いた8つの物語りが、じんわりと心に響く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(52)『ヘッドライン』今野敏(集英社)

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今年の読書(52)『ヘッドライ...
東京放送ネットワーク(TBN)の夜の11時のニュース番組『ニュース・イレブン』の遊軍記者<布施京一>が、主人公で、 『スクープ』 の続編にあたります。
番組の編成会議などの欠席が多く素行には問題があるものの、記者としての独特の感と、夜に飲み歩く世界で幅広い人脈を築き上げており、他社に先駆けて数々のスクープをモノにしています。

夜な夜な酒を飲み歩いている中、10代の女性が3人ほど失踪しているという「噂」を聞きつけ、若い女性の未解決のバラバラ殺人事件と関連させて独自で調査を進めていきます。

刑事たちがよく呑みに来る居酒屋『かめ吉』で、未解決事件を担当している特命捜査第二係の<黒田祐介>が、密かにバラバラ殺人を調査しているのが分かり、持ちつ持たれつの関係で、真相を付きつめてゆきます。

即時性が問われるテレビのニュース番組ですが、テレビ局内の動き、マスコミの使命、警察内部の公安部と刑事部の軋轢など、読みどころが多く楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(51)『隠れた指 虫物語』李清俊(菁柿堂)

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今年の読書(51)『隠れた指 ...
著者は、韓国の作家として数多くの文学賞を受賞されている作家で、2008年7月31日肺がんにて68歳で死去されていますが、死後に大韓民国より「金冠文化勲章」が授与されています。

表題の二編は、共に1985年に発表された作品で、2010年8月に菁柿堂から刊行されました。

『隠れた指』は朝鮮戦争最中を舞台に、三姓里に住む幼馴染の<東準>と<顯千>が青色党員(南側)と黒色党員(北側)とに思想的に分かれ、<顯千>は<東準>に対する妬みを政治的問題に置き換えて、相手側の裏切り者を「指さし」させて処刑するという残忍な行為を行わせます。
<東準>は監禁の身から逃げ出し、なんとか無事に青色部隊と合流、故郷の三姓里に黒色党員の制圧に向かい、今度は<顯千>に対して同じ「指さし」行為をさせるのですが、<顯千>は自ら指を切断していて「指さし」行為をできなくしていました。

戦争という人間の理性が失われる状況下で、告発や裏切り、策略と陰謀が絡まり合い、またそれらに無関心な村人たちが描かれていて、とても重たい内容です。

残念ながら翻訳者の文体は、隊長や部下といった上下関係があやふやな感じを覚え、また戦争下の会話にしては穏やか過ぎ、原作文は読みこなせませんが、訳文は読みやすいとは言えません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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