無患子の実《襍木 ・/・古往今来208》


ムクロジ(無患子) ムクロジ科(Sapindaceae)
学名:Sapindus mukorossi Gaertn.

春に花びらがはっきりしない花が、花片を4~5枚付け咲く。
雌雄同株で雄花と雌花が別々に咲く。
だが、高木で且つ葉に邪魔されて中々見ることが出来ない。
先日、ムクロジの実がなっている所に出会った。
実の皮を水に溶かすと石鹸のように良く泡立つ、子供の遊び材料である。
これから初冬にかけて葉が綺麗に黄葉する。
黄葉は、上部から始まり序々に下がってくる。
高木のムクロジは、上部が枯れ始めても下部はまだ緑、そんな姿を見ることもある。
そんな頃薄くなった実の皮を剥くと中に黒い実を見ることができる。
以前は、この黒い種子を羽根突きの珠に使われていた。
「無患子」とは、「子どもが患うことが無いように」という意味。
『研究者ノート』
夏に枝先に淡緑色の小さな花を円錐状につけ、
果実は晩秋に径2センチほどになり中に黒い種子が1個あります。
種子は羽子板の羽の錘や数珠に使われ、また、食用にもなります。
果皮にはサポニンを含み、石鹸の代用になります。
学名Sapindusはsapoとindicusの2語からなり「インドの石鹸」を意味します。
木名の由来;
種子が黒いことから、実黒地(みくろじ)が変化してムクロジとなった。
(筑波大学・小西達夫)

10月26日誌「大和市泉の森」


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奥紅葉白熊《襍草 ・/・古往今来207》


オクモミジハグマ(奥紅葉白熊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai

首都圏の山岳地等でごく普通に見られる地味な植物。
山地の木陰に見られ、葉がモミジに似ている事で名付けられた。
ハグマ(白熊)とは、ヤクの尾の毛のことだとか。
仏具の払子(ほっす)や槍、兜などの飾りにする。
オクモミジハグマは、全国に自生してるらしいが、
モミジハグマは近畿地方以西に分布し葉が掌状に浅裂~中裂する。



10月25誌「筑波山麓」

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筑波平江帯??《襍草 ・/・古往今来206》

花期が終りに近い?もっと瀟洒だったように記憶する。

アサマヒゴタイ(浅間平江帯) キク科(Asteraceae)
学名:Saussurea nipponica subsp . savatiri
別名: ツクバヒゴタイ(筑波平江帯)

花の和名は、複雑怪奇!?!発見場所が、浅間・・筑波・・は分かるが、
「平江帯」となると??  貝原益軒の大和本草にあるが意味不明。
「肥後躰」(肥後細川家写生帖)にも記載があるとか。。。!
キク科トウヒレン属のアサマヒゴタイは、長野県や茨城県で見えるが準絶滅危惧種。
ちなみに、ヒゴタイも近畿~九州で見られるが自生地は極端に狭いらしい。
生なく滅なし・・今見れれば良いのではあるまい。
動植物の生存環境を狭め悪化させてるは、我々、人間であろう。
共存共栄をねがって止まない。


10月24日誌「筑波山麓」

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福王草《襍草 ・/・古往今来205》


フクオウソウ(福王草) キク科(Compositae)
学名:Prenanthes acerifolia (Maxim.) Matsum.

花弁の倍位の長さある雄蕊が特徴的か!!
三重県・福王山で発見された古都で名付けられた由。
山地の薄暗い林内に見える慎ましい花だ。
茎や萼など全体に腺毛あり、葉は互生、翼がある長い柄につく。
掌状に3~7裂し、基部は心形。
細長い花序の花柄の先にまばらに頭花を下向きにつける。
そして10個前後の舌状花が集まっている。
在来・日本固有種。
神奈川県内では、丹沢山登山道、堂平周辺で見られる。
がしかし、この辺りには山蛭が沢山生息している。
どなたにでもお薦めとはいかない。

訪問先で久し振りに出会えた花である。

10月23日誌「筑波山麓」


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団扇大文字草《襍草 ・/・古往今来204》


ウチワダイモンジソウ(団扇大文字草)ユキノシタ科(Saxifragaceae)
学名:Saxifraga fortunei Hook.f. var. obtusocuneata (Makino) Nakai

ユキノシタ属で沢沿いに多く見られるダイモンジソウの変種。
他のダイモンジソウ等の葉は、深く切れ込んでいるが、
この種は、切れこみが浅く、団扇の形のように見えることから和名になった由。
静かに咲き誇る、10月も半ば、あたりは紅葉し始めていた。


10月22日誌「筑波山麓」


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箒木《襍草 ・/・古往今来203》


ホウキギ(箒木) アカザ科(Chenopodiaceae)
学名:Kochia scoparia
別名: ホウキグサ(箒草)、コキア

訪れた公園入り口で目を引いた紅葉!?!したホウキギ。
実まで赤くなる。その後、紅葉が進むと実は落ちてしまう。
葉の落ちた細い茎を束ねると、箒になる。
秋田県の郷土料理「とんぶり」の素材だとか。
ホウキギの成熟果実を用いる由。
畑のキャビアとか称されるようだが!!
食したことはない。
赤に染まる・・・って感じの光景だった。

10月21日誌「藤沢市長久保公園」


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七変化《襍木・/・古往今来202》

中々の雰囲気ではないか!?!
摂食中なのか?? 同系色で・・・名前分からずの虫さん??

シチヘンゲ(七変化)  クマツズラ科(Verbenaceae)
学名:Lantana camala
別名: ランタナ、コウオウカ(紅黄花)

花の色は様々だが、実の色は同じで黒く熟す。
鳥たちは、種子に毒ある為か?果肉だけ食す?
実際には、種子が硬くて噛み砕けないらしい!!
ランタナ・イエロー・スプラッシュと呼ばれる黄色一色の品種もあるが、
この花の特徴は、花の最初は黄色で次第に内側からオレンジ、赤に変化する。
それ故、シチヘンゲ(七変化)の和名がついたらしい。
ランタナと呼ばれる方が普通か??中南米原産の常緑低木野生種。
日本では、露地栽培できることから、園芸用として流通している。
白花のランタナ(園芸種)もあったりで結構人気があるらしい。
日本には江戸時代後期に渡来。野生化もしている。
だが、オーストラリアや東南アジアでは有害帰化植物とされる。
世界の侵略的外来種ワースト100と言われるが、
人間の身勝手、と思える。


10月20日誌「藤沢市長久保公園」


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初開花の庭花!?!《襍草・/・古往今来200》



サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草)  ユリ科(Liliaceae)
学名:Tricyrtis ishiiana (Kitagawa & T. Koyama) Ohwi & Okuyama
又は、スルガジョウロウホトトギス(駿河上臈杜鵑草)
T.ishiiana (Kitagawa et T.Koyama) Ohwi et Okuyama var.surugensis Yamazaki

* ! * ? * ! *
自然自生地が、絶滅すると危惧されてる山の沢筋・岩場に見られる貴重、且つ稀有な花。
相模上臈杜鵑草と駿河上臈杜鵑草は、兄弟のような本家と分家のような関係。
この稀有な花が突然、両親が手入れをしていた庭の片隅に10月2日に開花した。
母が倒れる前から茎・葉だけは見ていたが百合の種類程度で、気にもとめず、
両親にも聞いたことがない。母亡き後、父を介護すべく同居した以後も、
父に特段、花名を聞かなかった。それというも花を付けた事がなかったから。
両親と同居していた我が妹も初めて見たと言う。
長い間の土壌での同化で花まで咲くようになったのか???「めでたい花」だ。
とりわけ僕自身にとっては、感慨深い。この10月に40年にも及ぶ、
僕自身、そして仲間と収集・研鑽してきた史料集が纏まった。
己の人生での一つの区切りが、これでできる。
又、ここにあるはずのない花が咲いてる(両親は、園芸種を嫌っていた)。
雑草と呼ばれる野の草を好み集めていた。そんな雑然とした庭に咲いた花。
相模上臈杜鵑草か、駿河上臈杜鵑草と推測してる。
外観・葉の形状からすると駿河上臈杜鵑草に近いか??

母亡き後、温室にあった鉢植えの草花は、お仲間が引き受けてくださった。
残った庭の花の中で、カザグルマ・テッセンが数年前に突然、開花。
そして今回の杜鵑草、喜ばしい出来事。感謝に絶えない。

杜鵑草の詳細は、別項にて記してみたい。

10月19日誌「大和市・居所」



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百合の木の葉《襍木・/・古往今来201》


ユリノキ(百合の木)    モクレン科(Magnoliaceae)
学名:Liriodendron tulipifera L.
別名: ヤッコダコノキ、グンバイノキ、ハンテンノキ、チューリップの木

ユリの花に似ていると云われるが、チューリップに近い。学名もtulip tree。
日本に渡来した明治時代には、日本ではチューリップがなかったので、ユリとなった!?!
葉は黄葉する。葉の形がやっこ凧や軍配、半纏(はんてん)に似ることから別名がついた由。
原産の北米で自生する木の中には50~60mもの巨木もあると聞く。
インディアンは、この木を削りくり抜きカヌーを作っていたと記録にある。

公園の片隅にそびえるようにして立っているユリノキ、そして枝・・葉。
スッキリと晴れ上がった空が清々しかった。  秋本番。


10月17日誌「藤沢市長久保公園」


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《襍木・/・古往今来198》苗代茱萸


ナワシログミ(苗代茱萸) グミ科(Elaeagnaceae)
学名:Elaeagnus pungens Thunb. ex Murray

庭木として用いられるが、暖地の海岸近くに自生している。
樹高約2.5m位の常緑低木。密に分枝し短枝の先がトゲになることがある。
葉は互生し、長楕円形で革質。葉腋に数個の花を開く。
見た通り花弁がなく、銀白色の萼筒の先が4裂する。
果実は長さ約1.5cm位の長楕円形で、翌年の初夏に赤く熟す。
果実は食用、薬用。花名の由来は、苗代を作る頃に果実が熟すことから。
実もナシ地の色模様、花も同じような模様。地味だが面白い。



10月16日誌「藤沢市長久保公園」


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