《 雅羅・/・〝蔓植物〟❖ ’24-176 ❖ 》

ウマノスズクサ(馬の鈴草)の全体。
以前、この辺左側にも茎が出ていたが消えてしまった。
消えてしまった場所の右側に茎が立ち立派に花がついている。
面白い形の花だ。
ウマノスズクサ(馬の鈴草) ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)
 学名:Aristolochia debilis Siebold et Zucc

〚 〝里山緑地の希少蔓植物〟泉の森(湿生植物園北側)2024/6/16  〛
土手などに生える多年生のつる草。
和名は花の形を馬につける鈴に見立てたもの。
茎は長く伸び周りの物にからむ、蔓性で全体無毛。
葉は互生し、三角状卵形で全縁。長さ4~7cm。
基部は両側が耳状に張り出し、質は厚く葉先は心形。
葉のわきから花柄を出し長い筒状花を横向きにつける。
花弁はなく、3個の萼(花被)はラッパ状で長さ3~4cm。
基部は球形に膨らみ、先端は斜めに切れた形で三角状に尖る。
合着した花弁状の筒になって花柄と続く。
花の外側は黄緑色、筒部の内側には逆毛がある。
舷部は内側が紫褐色、上端が三角状に長くなる。
雄蕊6個、雌蕊1個は筒の球形の基部にある。
雌性先熟で、雌性期には筒部の逆毛が長い。
ハエが入ると出られなくなる程に。
が、雄性期には逆毛が萎縮しハエが出られるようになる。
冬期には地上部は枯れる等々、理にかなった機能構造を持つ。
似た花にオオバノスズクサがあるが、大型で全体が有毛。
花の基部は球形にならず、舷部の上端は三角状に伸びない。
ウマノスズクサは、丘陵地の森林内部や周辺では全く見られない由。
沖積地(ちゅうせきち、川の流れ等で土砂が蓄積した地)に自生。
都市宅地化の影響で生育場所を減らしているのが現況だ。
原因は、川べり等を役所が定期的に無選別に刈りとってしまう。
それ故か、神奈川県内でも自生地は減少の一途をたどっている。
弱肉強食は自然界の理だが、人間のエゴではあるまいか。
ジャコウアゲハ(麝香揚羽)という黒色揚羽蝶)の幼虫の食草だが、
ジャコウアゲハも沢山いるものではないらしい(駆除もできない)。
だが、幼虫が多数とりついてしまうと、大きな葉がなくなってしまう。
成長点となる新芽をすべて食い尽くしてしまった樣を昨年も見た。
ウマノスズクサからしたら脅威の害虫だが、草自体は阻止できない。
傍観者の人間は、如何なる対応をしたらよいものだろう、悩みは深い。


「令和陸年(皇紀2684年)6月24日、記」


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《 雅羅・/・襍囈〝希少種〟❖ ’24-175 ❖ 》

泉の森・コツクバネウツギ(中央上部)。
表土上に横木等で土留しているが??


〚 〝里山緑地の希少低木〟2024/6/20  〛
コツクバネウツギ(小衝羽空木) リンネソウ科 (Linnaeaceae)
学名:Abelia serrata Sieb. et Zucc.
※ APGⅡによりスイカズラ科からリンネソウ科 になった。 ※
《  泉の森内一個所で見れる低木樹  》
泉の森には、コツクバネウツギ(小衝羽空木)が2樹見える。
コツクバネウツギは、中部地方以西〜九州が自生地と資料にある。
泉の森でこの樹を2013年頃より見てきた。(観察中の表示ありで)。
が、仔細は不明。未だ観察結果の発表が公式には無い。
神奈川県の植物誌(2018年版)でも相模原市の樹のみが紹介されている。
(神奈川県植物誌1674頁、KPMNA0182769.1675頁図参照)
泉の森の“コツクバネウツギ”は、未掲載。
10数年来、観察して来たが“コツクバネウツギ”と確信している。
筑波実験植物園で花・葉等を見たことがある。
そんな泉の森の“コツクバネウツギ”の生育(立地)環境が悪化している。
先日、ボランティアスタッフの人々が、応急処置を施しておられた。
泉の森には、他に“センダイタイゲキ”“ワダソウ”“イチヤクソウ”等々、
この地として貴重・希少な植物がある。
慎重かつ早急に生育環境の保全を要望したい。

「令和陸年(皇紀2684年)6月23日、記」


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