“PSPの皆さんに感謝”《襍感・/・東日本大震災に思う1》

以上・・河北新報記事より

『2011年 (平成23年) 3月11日(金)午後2時46分 東北地方太平洋沿岸に発生した大震』
東日本大震災から5年を以ってしまった。11日には、被災各地で追悼式典が行われたが、
上記新聞記事を読むと我々首都圏人の支援、もっともっと地道に継続しなくては、と思う!!

3月10日、北茨木の山村を訪ねた。そこは、生活道路が未だ未整備だ。
大震災時の崖等の崩落で主要道路から山里に向かう枝道は、全く修復されていない。
震災後に林の中を整備して近道を整備した。軽自動車1台が通れる道幅の道路。
ボランテイア協力のもと整備した道のみが、未だ唯一の生活道路だ。
実際に住居10戸に満たない場所だが、道路整備は後回し。こんな実情の所もある。
東日本大震災は、津波被害が大きすぎ・・・酷すぎて、
マスメディアも小さな地すべり・山崩れ等の災害は余り掲載していない。

津波被害で町全体が崩壊してしまった各市町村は、漸く復興(物的に)にめどが付いた感じが見えた。
だが、5年の月日が過ぎても現状か!!それほどに酷い、言語に失する。
大人は、頑張るしかない。でも子どもたちの心のケアーが大変だ・・・と想ってきた。
そんな中で、若者、子供さん達に笑顔が見え始めた。しっかり前を見据えて生活している。
津波で亡くなった後輩、そのお子さん達と再開した。彼等の健気な姿を拝して、涙が落ちた。
あれこれ思いを持って帰宅した。ブログルを開いて、目の前の文面、嬉しかった、感謝の念で一杯です。
僕は、被災者でもなく、この5年の間、少し、関わって来ただけの人間だが、当事者のように嬉しかった。

『この未曾有の災害から5年。PSPinc社員一同、謹んで追悼の言葉を申し上げます。
私たちはこの災害を風化させることなく、語り継いで参ります。
私たちは、PSP Children's Foundation を通じて、災害に被災した子供達のサポートを続けて参ります。』

生意気、且つ微力過ぎて口憚るが、「継続は、力なり」と痛感してる、お世話になっているブログルです。
内倉さん初め、尽力頂いている皆さんに改めて感謝、厚く御礼申し上げたく存じます。



#ブログ #東日本大震災

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“春らしい花々!”《襍観・/・点描‘16-18》

ナノハナ(菜の花) アブラナ科《Brassicaceae (Crucifera)》
学名:Brassica rapa var. amplexicaulis、Brassica napus L.
別名:アブラナ(油菜)、ナタネ(菜種)、西洋油菜
マンネンロウ(迷迭香) シソ科(Lamiaceae/Labiatae)
学名:Rosmarinus officinalis
   Rosmarinus officinalis L.‘Hinoharu Blue’
別名:ローズマリー ‘日野春ブルー’、 ローズマリー・ホワイト

啓蟄(今年は、三月五日)も過ぎ「冬籠りの虫が這い出る」頃となった。
花を愛でるだけではなく色々な花の背景を想って見たいと。。。!
資料の寄せ集めだが、勉強・・自分のためにも認めてみたい。
 
ナノハナは菜種油のアブラナ(油菜)と観賞用や野菜にするハナナ(花菜)の総称。
原産は、西アジア~北ヨーロッパ。野菜としては、弥生時代には渡来していた由。
食用にされたものが、後に照明用や食用の油をとるために栽培されるようになった。
明治初期に菜種油を採るためにヨーロッパから輸入もされ始めた。
1965年頃までは作付け面積も多くよく畑で見られたものだ。
現在は、余り栽培されていない。逸出したものが土手などで野生化している。
野菜用品種もあるが畑に植えられているのを花で見分けるのは難しい。
在来のアブラナと区別せずにアブラナと呼ばれることもある。
アブラナは葉が柔らかくて皺があり淡緑色。葉の基部は茎を抱く。
萼片が花時に開出し種子の色は黄褐色。
カンザキハナナは観賞用又は花芽を食用とするように改良されたもの。
葉に縮れが多く、12月から花が咲く。
カラシナ Brassica juncea (L.) Czern.もよく似ているが、
やや花が小さく、葉が茎を抱かない(セイヨウカラシナ)。
以下の野菜も変種として分類されていて、黄色の花がよく似ている。
学名に混乱が多いので注意が必要。
ハクサイ Brassica rapa L. subsp. pekinensis (Lour.) Hanelt、又は var. glabra Regel
カブ Brassica rapa L. var. rapa 
ミズナ Brassica rapa L. var. nipposinica (L.H.Bailey) Kitam. 
コマツナBrassica rapa L. var. perviridis L.H.Bailey
ノザワナ Brassica rapa L. var. hakabura Kitam.

*  *  *  *  *  *  *

マンネンロウ(迷迭香)と言ってすぐに分かる御仁は少ないと思われる。
ハーブとして英名のローズマリーがごくごく一般的と思うのだ。
地中海沿岸に自生。日本には中国経由で江戸時代に渡来したとされる。
香油をとったことから、中国名の「迷迭香」が和名になったらしい。
青色の濃い園芸品種、‘日野春ブルー’(マンネンロウ)が好きだ
枝は株が古くなると屡々下垂する。葉は線形、裏面が白い。前年枝に花を咲かせる。
ラテン語のRos Marinus(海の露)が語源。海岸の崖から滴るように花をつけることに由来。
花の特徴は、枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し鮮やかな青い唇形の花。
葉の特徴は、葉は線形で、向かい合って生える(対生)。
葉には柄はなく、縁は内側に巻いている。
葉の表面は濃い緑色で、裏面は短い毛が生えていて白っぽい(何とも奇妙で面白い)。
そしてれっきとした樹木である。庭木として絶品でも在る。
30~200cm 立性のもの、そして匍匐性のものがある。


「藤沢市長久保公園 2016/2/21」

#ブログ #樹木 #花

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“春一番の野草!”《襍観・/・点描‘16-17》

セントウソウ(仙洞草) セリ科(Apiaceae/Umbelliferae)
学名:Chamaele decumbens (Thunb.) Makino
別名:オウレンダマシ(黄連騙し)
林縁に静かに佇んでいるように見ゆる。
少し引いて見ても何とも愛らしい。


森林に生える小さな多年草。花は白色。葉柄は紫がかる。
セントウソウは、他の花より一番早く咲くことから、
「先頭」という意味の名前が付いたという説もある。
別名のオウレンダマシはどちらかというと、
花よりバイカオウレンなどの実に似ることからのようだ。
セントウ(仙洞)とは、仙人の住む洞窟のことらしい。
日の当たらない林や、登山道などでよく見かける。
セントウソウ属は、1属1種、日本特産。
葉は混生し長い柄のある2回3出葉で、小葉は卵形で鈍鋸歯がある。
葉の間から複散形花序を出し白い小さな5弁の花をつる。
小さい花弁が内側にカールしているのが特徴。
別名はセリバオウレンに葉が似ていることによる。
蔵王山麓では4月頃、見れた。果実は5月中に熟して落ちてしまう。
小葉や裂片の隙間は変化が大きい。葉柄の基部は左右に広がっている。
総苞、小総苞や萼はない。5個の花弁の先が少し曲がるのが特徴だ。
雄しべは5個、長く花弁から突き出る。葯は白色。花柱2個も長い。
花期としてみると今年は少し早いように感じる(普通3~5月)。
林内、林縁にひっそりと咲く風情は楚々としている。
在来種(日本固有種)である。北海道、本州、四国、九州で見られる由。


「筑波山麓 2016/2/27」


#花

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“雛祭り”《襍感・/・凡声‘16-3》

アケビは、今も昔も輪飾り(今風に言えばリースか)に用いられている。
2枚の画像吊るし雛の現代版だが、古布を使っている。
何ともユーモラスではないか!! 海が近いので魚がモチーフに。

三月三日は、「雛祭り・・女の子のお祭り」
五月五日は、「端午(たんご)の節句・・男の子のお祭り!?!
と我々年代は思っている。
女子のすこやかな成長を祈る節句の年中行事と教わってきた。
「男雛」と「女雛」、桃の花を飾って、雛あられや菱餅を供えたものだ。
白酒や寿司など家族で飲み食いをして楽しんだことを思い出す。
我々世代前後の人間(戦前戦後生まれ)は、和暦(太陰太陽暦)の行事を尊んだ!!
明治の改暦以後、グレゴリオ暦(新暦)でも3月3日を「上巳、桃の節句」と呼んでいる。
雪国地方では、旧暦3月3日に祝うようだ(東北・北陸など積雪・寒冷地に多い)。
旧暦の3月3日は桃の花が咲く時期であるため「桃の節句」とも呼ばれることが多い由。
「雛祭り」はいつ頃から始まったのか判らないが、歴史を見ると時代背景が垣間見れる。
古い時代の名残り「立雛」や「坐り雛」(寛永雛)これらは男女一対の内裏雛を飾っただけ。
時代が下ると人形は豪華さを増し十二単の装束を着せた「元禄雛」、大型の「享保雛」などがある。
だが享保年間に幕府によって大型の雛人形や豪華な雛人形が禁止された。
『御触書宝暦集成』十五では、「雛は八寸以下、雛諸道具は蒔絵は不可」とも。
江戸時代後期に「有職雛」とよばれる宮中の雅びな装束を正確に再現したものが現れ、
今日の雛人形につながる「古今雛」がとうじょうする。
武家文化の時代に「雛人形」は、宮中の殿上人の装束(平安装束)を模している。
この感覚が日本的文化・伝統文化であると思えるのだ。
古くから嫁入り道具のひとつとされたため雛人形を新たに求めるは母方の親家が担ったものだ。
現代日本では男雛を右(向かって左)に配置する家庭が多く結婚式の新郎新婦もそれに倣っている。
が、人形の配置の仕方は、近代前後で変化があり、それが現在も地域差として残っている。
壇上の内裏雛は内裏の宮中の並び方を模している。かつての日本では「左」が上の位であった。
人形では左大臣(雛では髭のある年配の方)が一番の上位で天皇から見ての左側(我々の向かって右)。
飾り物の「左近の桜、右近の橘」での桜は天皇の左側になる。
これは宮中の紫宸殿の敷地に実際に植えてある樹木の並びでもある。
明治天皇の時代までは左が高位という伝統があったため天皇である帝は左に立った。
明治の文明開化によって日本も西洋化し、後に最初の即位式を挙げた大正天皇は西洋に倣って右に立った。
それが皇室の伝統となり、昭和天皇はいつも右に立ち香淳皇后が左に並んだ。
それにならい、男雛を右(向かって左)に配置することが一般的となった。
現在でも畿内や西日本を中心に旧来の配置を続けている家庭もある。
社団法人日本人形協会では、男雛を向かって左に置くのを「現代式」、右に置くのを「古式」としている。
又、雛祭りが祝日でない理由;
江戸時代雛祭りは「五節句」のひとつとして「祝日として存在した」とされる。
しかし、明治6年の新暦採用が「五節句(=雛祭り)」の祝日廃止となって、
さらに「国民の祝日」より「皇室の祝日」色が濃くなった。
このため、戦後になって新たに祝日を作ろうとする動きが見られるようになる。
祝日制定にあたり3月3日の案や、新年度の4月1日の案も出ていたが、
最終的には5月5日の端午の節句を祝日(こどもの日)とする案が採用された。
北海道・東北をはじめ寒冷で気候の悪い地域の多い時期を避け、
全国的に温暖な時期の5月にしたというのが大きな理由のひとつとされる。
だが、祝い事行事、伝統的日本の行事としてもっと盛り上がらないものかと素朴に思う。
節句(せっく)は、中国の陰陽五行説に由来して定着した日本の暦の一つであり、
伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる日。
日本の文化・風習。節供(せっく)、古くは節日(せちにち)とも。
この日には、日本の宮廷において節会と呼ばれる宴会が開かれた。
年間にわたり様々な節句が存在しており、そのうちの5つを江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めた。
それが人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句の五節句である。
「御節供」と呼ばれた節句料理はもともと五節句の祝儀料理すべてをいっていたが、
のちに最も重要とされる人日の節句の正月料理を指すようになった。
そして、今日では「おせち」として、正月三が日もしくは七日の松の内の間に食べるものを指すようになった。
ただ、今日でも人日の節句の七草粥など「節句料理」として残っているものがある。
節句に飾られる人形(雛人形、五月人形など)は、節句人形(せっくにんぎょう)とも称される。
人日(じんじつ)1月7日(七草の節句・七草粥)。
上巳(じょうし)3月3日(桃の節句・雛祭・菱餅や白酒など)。
端午(たんご) 5月5日(菖蒲の節句・菖蒲酒。関東では柏餅、関西ではちまき)。
七夕(しちせき)7月7日(七夕・・たなばた、裁縫の上達を願い素麺[3]が食される)。
重陽(ちょうよう)9月9日(菊の節句・・菊を浮かべた酒など)。
・・・以上、内容は - Wikipediaより転載・・・

以前ブログルで伝承的雛祭り(つるし雛)を記したことがあった。
洋風な行事、催ものもよろしいが、和の美を思うこともよろしいのではないかって思う。



#ブログ #伝統文化

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“樹木の花!”《襍観・/・点描‘16-16》

フサアカシア(房アカシア) マメ科(Fabaceae)
学名:Acacia decurrens var dealbata
別名:ハナアカシア,ミモザ,ミモザアカシア
英名: Silver wattle
絵になる房花、そして針葉。


2月末頃から咲き始め、園芸分野では「ミモザ」と一般的に呼ばれている。
20~30の小さな花の集まりを房状に付ける。
ギンヨウアカシアの様に葉が隠れるほどの黄色一色ではない。
艶やかではないが、落ち着いた感じである。大型の濃緑色の葉がいい。
公園樹に多用されている。広がりを持つ雰囲気が公園には似合っている。
家庭の庭では大きくなりすぎ、同じように見える木は多分ギンヨウアカシア。
2-3月に濃い黄色の花を枝先に多数付け、花の後には種を含んだ豆果が下垂する。
原種は、オーストラリアの南東部、ニューサウスウェールズ州~ビクトリア州、
タスマニア島に分布し、乾燥した硬葉樹林や森林地帯に生えている。
高さは20~30メートルにもなり、樹皮は灰色から灰緑色、あるいは褐色で平滑、
年輪を重ねると深く剥離する。葉は青灰色から銀色、ときに緑色で2回羽状複葉。
10~30対の羽片があり、ひとつの羽片は10~60対の小羽片で構成されている。
早春を彩り枝先や葉腋に円錐花序を出し、明るい黄色の花を咲かせる。見事だ。

「藤沢市長久保公園 2016/2/21」



#樹木 #花

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“樹木探し!?!”《襍観・/・点描‘16-15》

フウ(楓) フウ科(Altingiaceae) 学名:Liquidambar formosana Hance
別名: サンカクバフウ(三角葉楓)、タイワンフウ(台湾楓)
(樹木の全体像)
望遠レンズを持ち合わせていなくて実の存在が鮮明ではない。
実が落ちる前に上向きに伸びた状態を見つけられた。
枝の勢いと樹皮や実の状態で上向きになることがあるらしい。
枯れ落ちたタイワンフウの実。
更には、樹皮を見ると
「アメリカフウ」の樹皮は、彫り込みが深い(左)
「タイワンフウ」は深くない(右)ので並べて見ると分かり易い。
当日見たのは右側の樹皮だ。
若木の樹皮は、アメリカフウ・タイワンフウ共になめらかな状態。
決定的に判別できるのは、葉の形。
以上のことから先日、拝見したPDさんの樹木は「台湾楓}と見た。
暫く前に表紙で「この木の名前は?」という題名を見た。
早速スレッドを拝見してみると、コメントが記されている。
そっかぁ!と、調べもせず、、検証もせず、なるほどと..。
一点、葉の状態から思うままに、コメントしてしまった。
近似の植物が、結構多い。判断で実に苦労する。
コメントのやり取り、拡大画像等の追加紹介で樹木名は???
だが、合点が行かないところがある。ほぼ特定出来たものの!?!
親達の手元の資料の中に「確証」に近い記述を見つけ納得した。
「樹木」のそれぞれ(同種)、一本一本でも違いがある。
木の各所を見て慎重に特定する「姿勢」に欠けていたと大いに反省をした。
その思いで、特定してみた樹木を見に都市公園を訪ねて見た。

本当は、「夢待ち桜」が開花したか??を見に行ったのだがついでに^^)。
(「夢待ち桜」は、今年も葉だけで来年に期待しよう)

日頃、「野草」に夢中になって、地表ばかり見ていた不明を思い知る。
樹木、1本でもこれなのに・・・植物全体を見れる事など???
人工頭脳・ロボットの進化を待ちたいが、、、時間が無い!!
そんな「爺」の歳を思うと焦ってしまう。

フウ(楓) フウ科(Altingiaceae) 学名:Liquidambar formosana Hance
別名: サンカクバフウ(三角葉楓)、タイワンフウ(台湾楓)

高さ40mに達する落葉高木。葉柄は8-10cm。葉身は3中裂、長さ、幅と共に7-15cm。
裂片は卵状3角形で鋭尖頭、細鋸歯がある。
フウは葉が互生するがカエデは葉が対生する。
街路樹でカエデそっくりな紅葉を見かけることがある(高木)が、
それは北米~中南米原産のモミジバフウ(アメリカフウ)である。
日本には大正時代に渡来し、街路地・公園に多用されてると資料にあった。
フウは、漢字で「楓」と書くのだがカエデの仲間ではなくフウ科の高木。
以前は、マンサク科に分類されていたが、フウ科として新たに独立分類された。
街路樹では排気ガスで紅葉はくすんでしまうが、公園等ではカエデやモミジに勝る。


以下の解説;生原 喜久雄(はいばらきくお 東京農工大学名誉教授 森林生態学)

フウ 落葉高木。大きいものは樹高20~25メートル、直径80センチ以上になる。
原産地(中国)では樹高40メートルと大きくなる。幹は通直、樹形は端正雄大で、枝条が多い。
フウ属は北米(モミジバフウ)、中央アメリカ、アジア西部(フウ)・東部に計4種を産する。
フウは江戸時代の享保年間(1716~1736年)に渡来して、江戸城や日光に植えられた。
皇居吹上御苑には当時植えられたものと思われる大木が現存するという。
日本では中新世(2300万年~539万年前)、鮮新世(539万~180万年前)の地質に見つかっている。
フウ(タイワンフウ)とモミジバフウ(アメリカフウ)は日本の公園や街路樹に植えられている。
陽樹~中陽樹で、適潤で肥沃な壌土でよく生育し、生長は早い。
本州(関東以南)、四国、九州、沖縄の公園、街路樹やニュータウンなどに植えられている。
萌芽力はあるが、剪定をきらう。

日本では一般に漢字の「楓」は「かえで」と読み、カエデ科の紅葉する樹の総称として用いられる。
原産地の中国では、楓はモミジではなく、フウ属のフウをさす。
これは日本の古くからある大和言葉「かえで」に漢字「楓」を間違えて当て嵌めたことで分かりにくい。
文学の分野では楓をカエデと読ませている書が多い。

「風変わりな果実」
フウの果実 秋から冬にかけてプラタナス属のスズカケノキ(日本に自生しない)の果実に似た
鈴のような光沢のある堅い球形(およそ3センチの螬果が集まった集合体)がぶらさがる。
果実の周囲には柔らかい細い針のような雌花の花柱がついており、風変わりな形をしている。
成熟(10月)した果実を振ると翼のある種子が出てくる。
プラタナス属の果実は指で押すとばらけるが、フウの果実は堅く、足で踏んでもつぶれない。

「萼片および花弁(花冠)を持たない樹」
花にあるすべての花弁のことを花冠という。
萼(がく)とは花のもっとも下部にある葉が変化した器官で、
蕾の時期の花全体を包み、萼の個々を萼片という。萼と花冠を合わせて花被という。
萼と花冠との区別がはっきりした花を異花被花、萼と花冠のほとんど区別のない花を同花被花という。
花被をもたない花を無花被花(裸花)といい、進化段階で比較的低いといわれる樹木である。
フウは花被をもたない無花被花である。
他に高木で花被をもたない無花被花の主要な樹木として次の樹があげられる。
ヤマモモ(ヤマモモ属) 常緑樹、雌雄異株、日本に自生するヤマモモ属1種のみ。
ヤマグルマ(ヤマグルマ属) 常緑樹、両性花、1属1種。
フサザクラ(フサザクラ属) 落葉樹、両性花、1属3種。
カツラ(カツラ属) 落葉樹、雌雄異株、1属2種。
トチュウ(トチュウ属) 落葉樹、雌雄異株、1属1種、中国原産。

フウ属のフウやモミジバフウの紅葉は赤色、橙色、黄色、紫色などさまざまな色で染まる。
ナンキンハゼ(中国原産)も同様である。
秋になると葉柄の基部に離層(特殊な細胞層で、酵素の働きで細胞層が崩壊すると葉が落ちる)
が形成されるとともに葉中の移動しやすい貴重な養分は樹体の方に転流される。
転流というのは、植物体内で、吸収された養分などがある器官から他の器官に運ばれることをいう。
落葉広葉樹の養分の転流量を調べた報告は少ないが、窒素やリンでは20~70%が転流するという報告がある。
寒さで葉緑素は破壊されアミノ酸に分解されると、今まで見えなかったカロチノイドの色(黄色)が現れる。
一方、葉への水分や養分の補給や光合成で作られた糖の移動が停止すると、
酵素によってアミノ酸や糖を原料としてアントシアンが合成される。
アントシアンは赤色、橙色、黄色、紫色などの原因になる植物色素の総称である。
植物色素の生成は葉中の窒素などの養分濃度、光・温度環境、葉の老化の程度の影響を受けやすい。
フウはこれらの影響をうけやすいため個々の葉で色が異なったり同一の葉でも部分的に色が異なる紅葉が現れる。
コナラ、ハルニレ、ウリハダカエデなどは同じ種でも紅色に紅葉した樹と黄色に紅葉した樹が見られる。
「葉肉内にシュウ酸カルシウム(Ca)の結晶」
フウだけでなく、マンサク科の樹木は葉肉にシュウ酸石灰の結晶がある。
サトイモのいがらっぽさ(えぐさ)、ヤマイモのとろろが皮膚についた時のかゆみ、
スイバ(酸葉、スカナンポ、イタドリの別称、タテ科の多年草)や
カタバミ(酢漿草、カタバミ科の多年草)の酸味はシュウ酸石灰による。
マンサク科の葉をかじると酸味と苦味を感じる。
代謝の過程で生じた植物にとって有害なシュウ酸をCa塩として固定させ無害にしていると考えられている。
「楓香脂(ふうごうし)と路路通(ロロツウ)」
フウの枝を切ると、やや芳香がある。
樹脂にも独特の芳香があり、樹脂を乾燥させたものは「楓香脂」と呼ばれ、桂皮酸、
桂アルコールエステルなどを含み、薬用(結核、かいせん)に用いられる。
果実を乾燥させたものを「路路通(ロロツウ)」といい、リュウマチ、利尿等に煎薬として服用する。
アジア東部原産のフウ属の一種(L.orientalis)の樹皮から採取した芳香を有する灰色の半流動性樹脂を
「蘇合香」といい、沈香に配合して種々の香料、化粧用、薬用とする。
「近縁種のモミジバフウ(アメリカフウ)漢字名 紅葉葉楓」
モミジバフウの紅葉 近縁種のモミジバフウは北アメリカの中南部(東南部)から中部にかけて分布。
日本にはフウよりも遅く、大正時代に渡来し、公園や街路樹としてフウよりも多く植えられている。
フウと同じぐらいの大きさになるが葉の形は異なる。モミジバフウの葉は掌状の5個の脈が目立つ。
自生している立地は水分の多い立地なので、乾燥地は好まない。樹皮は暗褐色で深い溝があり、
若枝にはニシキギやハルニレのようにコルク質の翼がある。
紅葉はフウと同様に、黄色、橙色、紫紅色の葉が交じって美しい。花や果実もフウとほぼ同じである。
2009年の全国の一般道での街路樹ランキングによれば、モミジバフウの植栽本数は第7位(19万6千本)。
特に中部・四国、中国、九州地域で人気が高い。
分布状況から暖地性の樹であるが、耐寒性はかなり高いようである。
埼玉県の飯能市にもモミジバフウの並木がある。
都内でも街路樹として植えられている。日本では上野公園が有名。
【まとめ】
フウは中国名「楓」の音読。中国は別に楓香樹の名がある。
学名のリッキド(liquid)・アンバー(amber)は「液体の琥珀」で樹皮から香りの良い樹脂が採れることから。
種小名は「台湾の」の意味。英名はChinese sweet-gum。
分布:黄河から南に広く分布し、西は四川省・貴州省に至り、南は広東省に、東は台湾に至る。
葉:長枝に互生、短枝に束生。葉身は長さ、幅ともに7~15cm。掌状に3中裂し、3脈が目立つ。
先は尾状に尖り、基部は心形、縁に低く鋭い鋸歯がある。葉柄は5~10cm。紙質で表面は光沢のある濃緑色。
側生枝は短枝化しやすく、1年枝は仮軸分枝で、ジグザグに屈折する。
幹:樹皮は帯紅黒灰褐色。成木になると縦に浅く裂ける。楕円形の皮目が多数ある。
樹形:幹は直立、樹冠は卵形。
花:雌雄同株、風媒花。4月頃、葉の展開と同時に淡黄緑色の花を開花する。
雄花および雌花ともに花弁がない。雄花は頭状のものが総状に集まって枝先に上向きにつき、雄しべの葯が目立つ。
雌花は20~40の花が頭状花序に並び、垂れ下がり、雌花の赤色の花柱は長さ1cmで目立つ。
果実:螬果が多数集まった直径25~30mmの球状の集合果で、外周は花柱が脱落しないで宿存した軟刺で囲まれ、
クリのイガの様に見える。種子(直径7~9mm)は楕円形で翼があり風散布。種子が落下しても果実が多く枝に残る。
用途:庭木、公園樹、街路樹、並木。材は淡紅黄白色で堅く建築材、舟材や器具材となる。盆栽としても用いられる。
中国ではこの葉をもって蚕を育成し、これを楓蚕(ふうさん)といい、その絹は珍品とされている。

『モミジバフウ(紅葉葉楓) フウ科(Altingiaceae)
学名:Liquidambar styraciflua
別名・別読み: アメリカフウ』

「藤沢市長久保公園 2016/2/21」

#樹木

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“優美な色合い・・椿!!”《襍色・/・点描‘16-14》

ツバキ(椿)【花車】 ツバキ科(Theaceae)
学名:Camellia japonica‘Hanaguruma’


ハナグルマの花姿は、白または極淡桃地に紅の縦絞りが入る八重、二段咲き。
産地:江戸、花の大きさ:中~大輪、花期:12~4月。
葉形:楕円、中形。樹形:立性、強い。[来歴:「本草花蒔絵」(1739)に載る。
以上、誠文堂新光社・発行、日本ツバキ協会・編「日本ツバキ・サザンカ名鑑」より。
常緑なのに一部の葉が紅葉することもある。落葉もせず、暖かくなると緑色に戻る!!
茶せんのような形をした雄蕊。散るときは、咲いた状態と同じ姿で落ち散る。
何故か??中にある一本の雌蕊だけが残る。これ又、自然界の妙だ。
赤と白の絞り模様の「花車」、ツバキの園芸種は日本で500種以上とか!!
酷似のサザンカは花びらが一枚一枚散るが、ツバキは、がくの部分から丸ごと落ちる。
日本原産種は、ユキツバキとヤブツバキ。カンツバキは、サザンカの改良品種。
よく云われる椿油(つばきあぶら)は、ヤブツバキやユチャの実を絞ったもの。
※紛らわしい植物に春山茶花がある※
ハルサザンカ(春山茶花) ツバキ科、学名:Camellia vernalis
花の形は山茶花似だが、椿同様に花びらがくっついたまま落下する。
雄蕊も椿同様に筒状。子房には毛が密生する。
サザンカとヤブツバキの雑種で両方の性質を持ち、春に咲くことで名前が付いた由。



「藤沢市長久保公園 2016/2/21」


#花

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“野草の葉っぱ”《襍観・/・点描‘16-13》

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草) シソ科(Lamiaceae)
学名:Lamium purpureum

身近な「森」で今年最初に想った草花、姫踊り子草。
帰化植物で全国的に見られ“侵入外来生物”等と云われる草花。
笠をかぶった踊り子の姿を思わせることから付いた名前に由。
ロゼットの姿で冬を越し、この時期になると開花し始める。
シソ科の特徴的な茎(四角形)で高さ10~25cm位になる。
葉は対生、長さ1.5~3cmの卵円形で鈍い鋸歯があり網目状の脈が目立つ。
オドリコソウ属で日本固有種のオドリコソウは春の舞姫と云われるが、
このヒメオドリコソウ、葉の形、表情が豊かで楽しい。
若葉はお浸し等の食用、根は煎じたものを付けると打撲傷や腫れ物に効く。
葉の付き方を見ていると、上に出る葉は下の葉が陰にならないように生え、
下の葉ほど葉柄が長く、上から眺めるとすべての葉が見える。
すべての葉に太陽が当たる仕組みになっている!!この容姿が中々美しい。
葉で自己主張しているって感じだ。
ヒメオドリコソウ、ミチタネツケバナ、ハコベ、ナズナ、ホトケノザ、
マメグンバイナズナ、スズメノカタビラ、トキワハゼ、オオイヌノフグリ、
オランダミミナグサ、ノミノフスマ、ヒメウズ、ヒイラギナンテン、
ナノハナ、セントウソウ、ツルニチニチソウ、フクジュソウ、タンポポ、
ミスミソウ、レンギョウ。野に花々が見え始めた。



「大和市泉の森 2016/2/16」




#葉っぱ #野草

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“St-Valentinstag”《襍感・/・凡声‘16-2》

バラ「ブルームーン」(薔薇) バラ科(Rosaceae)
学名:Rosa‘Blue Moon’
ハイブリットティーローズ(強香)、藤色(薄紫色)
作出1964年;ドイツ Math.Ⅱ.Tantau 
20世紀を代表する青系の薔薇で世界中で好まれている品種。
バラ「オンディーナ」(薔薇) バラ科(Rosaceae)
学名:Rosa‘Ondina’
ハイブリッドティーローズ、作出1986年:日本 小林森治
花弁が痛みやすく、デリケートな薔薇。

薔薇園芸種で最も好きな2品種。
ブルームーンは、異国で初めて頂いた思い出の花。
オンディーナは、母の育てた遺品。

§     §     §

日本では、2月14日「テルニの聖バレンタイン」が有名だが、
キリスト教を精神的な基盤とする西洋の歴史には、
もう一人の聖バレンタインが存在する。
<カトリック聖人ーレティアの聖バレンタイン>
レティアの聖バレンタインが生まれたのは歴史的にはゲルマン民族
大移動の頃、亡くなったのが西暦475年1月7日(南独のパッサウ)。
オランダ人(Niederlandと言う低地ドイツ語を話す北ドイツ地方出身、
北西ドイツと現在のオランダ周辺)。
レティアの聖バレンタインは修道会の任務で435年に南ドイツのパッサウ
(Passau)へ転勤になり司教として働いていた。
だがキリスト教に改宗したゲルマン民族信者がもたらした深刻な問題があった。
彼らの信仰は、ゲルマン民族土着神話の影響でキリスト教教義を歪めていた。
そしてイエス・キリストの神聖を認めないアリウス派に傾斜していった。
その為にレティアの聖バレンタインは、パッサウ教区から追い出され、
巡回司祭として各地を渡り歩いた末、
イタリア語を話す南チロル地方のツェノブルク村に留まり、
そこで当時は世間から阻害されて一定の地区に隔離されて生活していた障害者
(てんかん者、ライ病人などを含む)の為に献身的に生涯を捧げた。
<聖バレンタインの意味>
バレンタインはラテン語の名前で、「健康」や「丈夫」を意味する。
<何の守護聖人なのか?>
てんかん者、ライ病人、身体障害者、痛風病人、動物の疫病
レティアの聖バレンタインは今で言うマザー・テレサのように
病人の為に献身した聖職者だった。
1月7日の聖日は、余り知られていない。
キリスト教徒的に見ると日本で言う「テルニの聖バレンタイン聖日」
2月14日の「女性が男性にチョコレートを渡す日」??
これは、日本でのみ行われている単なるイベントでしかない。
西欧では、男性側からのプレゼントがほとんどである。
日本ではチョコレート屋さんが仕掛けた、と言われているが、
ドイツでは花屋さんと宝石屋さんが仕掛けたと言われている。
チョコレートを贈る習慣は聞かない。花は、薔薇が多い。
「義理チョコ」なんて・・・どなたが考えだしたのだろうか??
ドイツでは恋人や夫婦限定イベントであって。。。
女性・男性にかぎらず「義理チョコ」など贈ろうものなら・・!
「浮気をしよう」と誘われているように勘違いされてしまう。

「St-Valentinstag 2016/2/14」








#ブログ

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“猫・・視線!!”《襍観・/・点描‘16-12》


所用の帰り住宅街を散歩していると可愛い猫を見つけた。
名前は{あんこ」、知り合いである。
猫の目線・・・視線の先は!!
襲いかかる、捕獲するつもりではないだろうが??
振り返って見ると小鳥が柵にとまっている。
「ジョウビタキ」???よくわからないが可愛い小鳥。
しばらくすると裏の公園に飛んでいった。
追いかけパチリ。。。上手く撮れないものだ。
今年は、動くものも追いかけるか!?!
「大和市西鶴間 2016/2/13」


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