《眼福(208)“色々な花(1)!?!”❖21-256》

《眼福(208)“色々な花(1...
クサボタン(草牡丹)     ... クサボタン(草牡丹)      キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Clematis stans Sieb. et Zucc.

《”草牡丹!?!”大和市林間❖’21/09/10❖》
クサボタン(草牡丹);
ボタンに似ているというのでこの名が付いた由。
ボタンヅル と同様に葉が似ているだけで、花は似ていない。
茎は直立し、木質化する。葉は対生し、3出複葉、長い柄がある。
小葉は、卵形、3浅裂し、先が尖り、縁に不揃いな粗い鋸歯がある。
茎頂及び葉脇の集散花序に下向きに長さ1~2㎝の花をつける。花弁は無い。
萼は狭鐘形、花弁状の萼片は長さ1.2~2㎝で淡紫色、外に反り返って巻く。
クサボタンの茎は直立、高さ1m程になる。雌雄異株の花がつく。
令和参年(皇紀2681年)9月13日、記」



#植物
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《囈(38)“懐かしの高山植物(8)!?!”❖21-255》

ヤツガタケキンポウゲ(八ヶ岳金... ヤツガタケキンポウゲ(八ヶ岳金鳳花)    キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Ranunculus yatugatakensis Honda et Kumaz.
ヤツガタケキンポウゲ(八ヶ岳金... ヤツガタケキンポウゲ(八ヶ岳金鳳花) は、中々お目にかかれない“幻の・・・”花といえようか!
ひと目につかない様な所で咲いている。  
八ヶ岳連山を望む入笠山側からの... 八ヶ岳連山を望む入笠山側からの景観。登山のアプローチが短いのが分る。
貴重な植物群の保全を切に望みたい。どの山頂も日帰り登山が可能。
それにしても特異な山岳帯と感じる。
《八ヶ岳という固有名詞が付く地域固有の植物(2)!?!》
ヤツガタケキンポウゲ(八ヶ岳金鳳花) ;
八ヶ岳の固有種。1928年、熊沢正男(東大生)氏が長野県八ヶ岳で最初に発見した。
高山帯の湿っ た岩場に生える。茎はあまり分枝せず、高さ10~30㎝。
根出葉は3つに深く裂けた後、さらに3つに裂け、裂片は線形になる。
花は湿った岩上にまばらに、茎頂に1個だけ黄色花をつける(直径1~1.5㎝)。
北岳に産するキタダケキンポウゲよりも少数しか見つけられなかった(半世紀前)。
見つけた周辺には、 ヤツガタケシノブ、タカネシダ等の希少植物も見れ良き環境だった。
ヤツガタケキンポウゲは、キタダケキンポウゲよりも背が高い、が花が小さイノが特徴的か。
キタダケキンポウゲの花は閉じ気味(知る限り)に比べると察かに違いがあったと記憶する。
令和参年(皇紀2681年)9月12日、記」
#植物
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《囈(37)“懐かしの高山植物(7)!?!”❖21-253》

《囈(37)“懐かしの高山植物...
ヤツガタケキスミレ(八ヶ岳黄菫... ヤツガタケキスミレ(八ヶ岳黄菫) スミレ科(Violaceae)
学名:Viola crassa subsp.borealis var.yatsugatakeana




キバナノコマノツメ(黄花の駒の... キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪) スミレ科
学名:Viola biflora
別名: スミレ






《八ヶ岳という固有名詞が付く地域固有の植物(1)!?!》
ヤツガタケキスミレ(八ヶ岳黄菫) ;
ヤツガタケキスミレ(八ケ岳黄菫)は八ヶ岳連峰に自生する特有のスミレ。
八ヶ岳黄菫は、赤岳から硫黄岳の稜線砂礫地で見れる。タカネスミレ亜種の一つ。
タカネスミレはキバナノコマノツメが高山 の砂礫地などに進出した種と言われる。
ヤツガダケキスミレは、地下茎で横に広がる性質を持たず群生せず、まばらに見れる。
又、山上でも比較的早く咲く。クモマスミレよりも早く6月下旬から咲き始める。
ヤツガタケキスミレの特徴は、葉に光沢がない。次に黄色い花の唇弁が先が丸い。
花柄は長さ3 ~7cmで先に長さ1-1.2cm。花弁は倒卵形。
側弁基部は無毛。距は短く黄緑色、葉が円形で無光沢。托 葉には、鋸歯がある。
黄色で唇弁に赤紫の筋があり、タカネスミレと比べると細長い。
花径2㎝前後。上弁や側弁は後方に反り返る。萼片は緑色で赤紫のザラザラ。
隔離型のタカネスミレの仲間だが、八ヶ岳でしか確認されていない。
又、タカネスミレとの違いは、葉に光沢がなく、そして微毛がある。

酷似している花にキバナノコマノツメ (黄花の駒の爪)がある。
1700m以上の高山帯に多く湿り気ある岩場の隙間や、草地に生育している。
草丈5~15㎝くらい。黄色。下弁には赤紫色の脈が数本入る。
直径1.5~2㎝前後。上弁、側弁が反り返る。萼片は、淡緑色。
高山帯でしかみられない黄色いスミレで、スミレと名前がはいらない唯一のスミレ。
葉の先が少し凹んでいるものも多い。
「ヤツガタケキスミレ」と「キバナノコマノツメ」の見分けはどうするか、まず咲く場所が違う。
ヤツガタケキスミレが咲くのは稜線の(横岳から硫黄岳の間)砂礫地だけだ。
キバナノコマノツメのように湿った草地のようなところには生えない。
台座ノ頭の横あたりにコマクサが咲く礫地がある。ヤツガタケキスミレの自生地もほぼ同じ。
またヤツガタケキスミレは地下茎で横に伸びるという性質を持たず、従って「群生」しない。
あちらこちらにポツリポツリと咲くだけ。その咲き方もコマクサにそっくりと言ってよい。
次に花弁だが、ヤツガタケキスミレは四つの花弁が反り返り重なるようにくっついている。
キバナノコマノツメも反り返っているが反りが甘く、花弁はわりと離ればなれだ。
そして前の方に一つだけ伸びる花弁。キバナノコマノツメは先がちょっと尖り気味。
対してヤツガタケキスミレのそれは巾広で丸くてまるでシャモジのような形をしている。
先は尖るどころか反対にへこんでハート型になっているものも多い。
更には葉の色艶。ヤツガタケキスミレは、葉に細かい産毛が生えていて艶はまるでない。
その毛のせいで葉の色は遠目にかなり白っぽく見える。
キバナノコマノツメの葉は緑濃くてつやつやだ。そして、咲く時期が異なる。
キバナノコマノツメは、6月が花盛り。対してヤツガタケキスミレは、コマクサと同じ7月に開花。
ヤツガタケキスミレは八ヶ岳にしか自生していない固有種。生育場所も狭い範囲だ。
7月にコマクサと一緒に硫黄岳周辺で見れる姿は、実に瀟洒だ。
令和参年(皇紀2681年)9月11日、記」
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《囈(36)“懐かしの高山植物(6)!?!”❖21-254》

《囈(36)“懐かしの高山植物...
《囈(36)“懐かしの高山植物...
《囈(36)“懐かしの高山植物...
《囈(36)“懐かしの高山植物...
ミヤマダイコンソウ(深山大根草... ミヤマダイコンソウ(深山大根草)     バラ科 (Rosaceae)
学名:Geum calthaefolium var. nipponicum




《ガレ場を好む黄色い花!?!》
ミヤマダイコンソウ(深山大根草) ;
ミヤマダイコンソウは,高山の岩場で見れる。夏山シーズン初めに黄色の花がつく。
ミヤマダイコンソウはダイコンソウの仲間で、根生葉に特徴がある。
一見切れ込んだ円形の葉に見えるが、正確には複葉の頂小葉で柄に小さな側小葉がある。
高山の黄色い花で同様な特徴を持った花はない。似た花のミヤマキンバイは、葉が3小葉。
ミヤマダイコンソウの特徴は根生葉の側小葉だが、茎葉が小さく柄がなく茎を抱く事。
花茎は細長く伸び上部でまばらに枝を分け、直径2cm程の鮮黄色5弁花を2~3枚つける。
花弁は、円形~広倒卵形で先は少しへこむ。雄蕊と雌蕊は多数。
子房に粗い毛があり、花柱は関節がなくてダイコンソウの様に曲がらず、花後に伸びる。
萼片は披針形で5枚、斜開して花後も反曲しない。萼片間の副萼片は萼片より短い線形。
令和参年(皇紀2681年)9月10日、記」
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《囈(35)“懐かしの高山植物(5)!?!”❖21-253》

《囈(35)“懐かしの高山植物...
コメバツガザクラ(米葉栂桜) ... コメバツガザクラ(米葉栂桜)    ツツジ科(Ericaceae)
学名:Arcterica nana



《ガレ場を好む楽しい花”米葉栂桜”!?!》
コメバツガザクラ(米葉栂桜);
北八ヶ岳・北横岳したの坪庭で観た花。6月初め(八ヶ岳南北各所で見れる)。
エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ等と同じく砂礫地、岩礫地の地面を這うように育つ。
高山の岩場に生える「ツガザクラ」の仲間だが、葉が広く「コメバツガザクラ属」。
「コケモモ」に似ているが、花が丸っこく口がすぼまっている違いがある。
また、花が3輪1セットで咲く。花冠は、白色で長さ4-5mm、先端は浅く5裂し、雄蕊10本。
ハイマツ帯の風衝草原や雪田周辺にカーペット状に広がるようだ。
ツガザクラの様な針金状の葉ではなく當に米葉でである。
*      *      *
今、この坪庭と呼ばれるすぐ近くまで北八ヶ岳ロープウエイで行かれる。
麓の北山地区山麓駅(標高1,771m)から山頂駅(同2,237m)までを約7分で駆け上がる。
山岳パトロールのバイトをしていた1965~6年は建設中で見回りに時折参った場所。
この地の建設現場で黒曜石が見つかった事もあって調査に参加した。
このロープウエイ開設当初(1967年)は、「日本ピラタス横岳ロープウェイ」と呼んでいた。
令和参年(皇紀2681年)9月9日、記」
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《囈(33+1)“懐かしの高山植物(3+1)!?!”❖21-252》

《囈(33+1)“懐かしの高山...
《囈(33+1)“懐かしの高山...
ミツバオウレン(三葉黄蓮) キ... ミツバオウレン(三葉黄蓮) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Coptis trifolia (L.) Salisb.




《囈(33+1)“懐かしの高山...
《囈(33+1)“懐かしの高山...
ウスギオウレン (薄黄黄蓮) ... ウスギオウレン (薄黄黄蓮) 学名:Coptis lutescens Tamura
早春から初夏まで花期がながい。セリバオウレンの変種。
雄花は白色~淡黄色、淡紫色を帯びる。花径は1㎝位。
葉は根生葉が3回3出複葉、淡黄色の花故に、薄黄黄蓮と言われる。
《稜線近くで観る黄色い花”三葉黄蓮”+α!?!》
ミツバオウレン(三葉黄蓮);
背丈が低く、他の植物の下になって名前由来の三葉を見ることは割りと少ない。
漢方薬の薬草の オウレン  に似、葉が3枚あるのが名前の由来。
花びらのように見えるのはガク片で、黄色く小さなのが本物の花びら。
和名の由来は、オウレンに似て3小葉を持つ事。又、根茎を黄連ということから。
根茎は黄色~橙色。葉は根生し、3出複葉。小葉は、無柄で鋭い鋸歯縁、厚く光沢がある。
細い花茎の先に直径約1㎝の花を1個だけつける。萼片は5個、白色の花弁状で大きい。
花弁は長さ0.8~1.6㎜、棍棒状の黄色の蜜腺だけになっている。雄蕊は、長く30~60個。
オウレンは キクバオウレンやセリバオウレンを含めた広義の Coptis japonica を指し、
一般的にはキクバオウウレンを指す。小さな白色の花弁がある。 
*      *      *      *      *
八ヶ岳連峰には、南八ヶ岳連山と北八ヶ岳連山がある。総じて八ヶ岳連峰と呼ぶ。
連峰の東側麓の小海線沿線は、観光開発が進み悪く云えば俗化してしまった。
初めて清里の駅に降り立った頃は、駅前に雑貨屋さんが一軒あるのみだった。
大きな建造物といえば、清泉寮と八ヶ岳ロッジ(国民宿舎・今はない)位だった。
野辺山は、国鉄(現JR)駅として最高高度の駅としては知られていたが。。。!
他方、八ヶ岳連峰の西側麓は、余り開発されておらず、緑が色濃く残っている。
硫黄岳稜線を北に下り夏沢峠を西に少し下った森林の中にオーレン小屋がある。
この山小屋名は、薄黄黄蓮に由来すると聞いた。
1965・6年の夏にオーレン小屋には大層お世話になった。
64年夏は、長野営林局の山岳パトロール(監視)のバイトでよく利用させて頂いた。
翌年は、厚生省の山岳指導員(国立公園関係)で数度寄らせて頂いた。
懐かしい。当時の小屋主さんが現役でご活躍に由。一度訪ねてみたい。
令和参年(皇紀2681年)9月8日、記」
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《囈(33)“懐かしの高山植物(3)!?!”❖21-251》

八ヶ岳 横岳~硫黄岳 稜線。 八ヶ岳 横岳~硫黄岳 稜線。
コマクサ(駒草)      ケ... コマクサ(駒草)      ケシ科(Papaveraceae)
学名:Dicentra peregrina (Rudolph) Makino
稜線からの斜面に群落がある。 稜線からの斜面に群落がある。
コマクサとウルップソウ(ウルッ... コマクサとウルップソウ(ウルップソウが終わるとコマクサが咲き始める)の共演。
中に白色コマクサが見えた(稀少... 中に白色コマクサが見えた(稀少な姿)。
標高2500m前後??の高所に... 標高2500m前後??の高所に華麗に魅せるコマクサ。
《ガレ場を好む瀟洒な花”駒草”!?!》
コマクサ(駒草);
 エーデルワイス  やコマウスユキソウと並び称される「高山植物の女王」。
「ガレ場」と呼ばれる高山の細かい礫地帯、そして岩場で見れる不思議さ。
仔細は知らないが、花をつけるまでに数年~20年もかかると聞く。
人気が沸騰!!盗採被害が続出、絶滅した自生地も数多い、と。。。!
コマクサの種は、柄に付いた実の殻が割れ、種がこぼれ落ちるだけでなく、
実をぶら下げている柄が折れ、殻ごと斜面を風で飛ばされ種を撒き散らす。
そして広い範囲に生育地を広げる由(50年も前と今を見比べると実感できる)。
「駒草」の名は、花の形が馬の顔に似ている!?!からに由。
強風の吹き荒れる高山の植物、理にかなって背は低く、花も2~3cmと小さい。
コマクサをケマンソウ科(Fumariaceae)に分類してる論文も見受けられる。
根は砂礫中に長く伸び、葉は粉白色、2回3出複葉、小葉も細分裂し、地を這う。
花は淡紅色。花弁4枚、中側の2枚は突き出し外側2枚は反り帰り基部が丸く膨らむ。
雄蕊は6個。萼片は、2個。 白花品はシロバナコマクサ(form. alba) と呼ばれる。 
孤高の地での植物を園芸的に商売に供するのは、控えて頂きたいと希する。
限定的で萬人の目には触れづらい?それらの稀少植物等は、公共施設にあればいい。
そうした事が、役割分担だろう。環境保全を思うのである。
令和参年(皇紀2681年)9月7日、記」
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《囈(32)“懐かしの高山植物(2)!?!”❖21-250》

《囈(32)“懐かしの高山植物...
ウルップソウ(得撫草) オオバ... ウルップソウ(得撫草) オオバコ科(Plantaginaceae)
学名:Lagotis glauca Gaertn.
(八ヶ岳 南横岳~硫黄岳稜線上)
日本の在来種として・・・日本の... 日本の在来種として・・・日本の領土・国土に咲く花と堂々と表せる日が来たらんことを。
《囈(30)“山のバイトで出会った高山植物(1)”》
ウルップソウ(得撫草) ;
高1の赤岳登山に始まり、高3の夏に北八ヶ岳を歩いた。色々な花と出会った。
大学に入学して山行資金を貯めるため山でのアルバイトができないか、と探していた。
山小屋の見習いアルバイトをしたが、一箇所にいるのが嫌で半月努めてやめた。
幸運な事に営林署の山岳パトロールのバイトを紹介して頂き、その夏は山中を歩き放題。
そこで最初に見つけたのが、南横岳~硫黄岳の間の砂礫地で見つけた、ウルップソウ。
長い花穂を伸ばし青紫色の花をつける。日本では横岳と白馬岳、礼文島でしか見れない。
1819年に発見された地が花名となった。かつては、北海道根室支庁得撫郡に属していた。
ウルップ島(得撫島)は北方領土4島のすぐ北側で現在はロシアが実効支配している。
日本政府は国際法上、帰属未定地であるとしている場所。
名前由来は、アイヌ語で「紅鱒」を意味する「ウルプ 」。古くはハマレンゲ(浜蓮華)と称していた。
葉は、卵円形または広楕円形で厚い肉質・縁が波状重鋸歯、表面は濃緑色で光沢が ある。
7月~8月になると花茎を伸ばし多数の花をびっしりと付け、下から咲き上がる。
花穂は円柱形で各花に苞葉がある。花は青紫色、雄蕊は花冠上唇基部に付き花弁より短い。
八ヶ岳では横岳のお花畑に群落がある。横岳から硫黄岳に向かい少し下がったところ。
環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT)。
「令和参年(皇紀2681年)9月6日、記」
#ブログ #植物
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《囈(31)“懐かしの高山植物(1)!?!”❖21-249》

尾瀬ヶ原より高度が少し高い位置... 尾瀬ヶ原より高度が少し高い位置にある大江湿原、尾瀬ヶ原より1週間以上開花が遅い。
ヤナギラン(柳蘭) アカバナ科... ヤナギラン(柳蘭) アカバナ科(Onagraceae) 
学名:Epilobium angustifolium L.
Chamerion angustifolium (L.) Holub subsp. angustifolium   
英名:fireweed
(大江湿原・・・借り物画像)
《囈(31)“懐かしの高山植物...
上2枚の画像は、西欧山岳地帯で... 上2枚の画像は、西欧山岳地帯でよく見かけるヤナギラン属。
Epilobium dodonaei subsp.(スイス・ベルニナ山麓エンガディン高原)
南アルプス・北岳周辺で観られる... 南アルプス・北岳周辺で観られる、ヒメヤナギラン(姫柳蘭)別名:キタダケヤナギラン)

ヒメヤナギラン (姫柳蘭), ... ヒメヤナギラン (姫柳蘭), キタダケヤナギラン (北岳柳蘭) Dwarf Fireweed, River Beauty Willowherb (Chamerion latifolium, Epilobium latifolium)ーー画像は借り物ーー
《”自然保護運動家が好んだ柳蘭”》
ヤナギラン(柳蘭);
尾瀬沼東の大江湿原、そこには、茎高3mもの柳蘭が見える。
あの光景をして、“柳蘭の丘”と命名された御仁がおられた。
ヤナギランという植物、花が下~上へと順次咲きあがっていく。
雄蕊だけの花が先に開き(熟して花粉を出し)花粉を出し終えると、
雌蕊の花先が熟して十字に開いて柱頭が現れ受粉する。
なんとも不思議な、自家受粉を避ける仕組み!?!
雄蕊が熟す間を雄性期、雌蕊が熟す間を雌性期という由。
こうした仕組みを雄性先熟と呼び、変った生態をみせる植物が柳蘭。
草名の由来は、葉が柳に似て、かつ花が蘭のように美しいことから。
北米では山火事跡に大発生することがあり、fireweedと呼ばれている由。
柳蘭、茎は直立し分枝しない。根茎は太く、長く伸びて群生する。
葉は互生で披針形、細かい鋸歯あり。葉柄はなく、裏面は帯白色。
紅紫色の花は、直径4㎝前後。花は、下から上へと咲きあがる。
花弁は4枚、長さ1~1.5cmの倒卵形で先は円く短い爪がある。
萼片4個、長さ1.5cmの線形で4個、外面に屈毛が生え、花と共に落ちる。
雄蕊は8個で雌蕊より先に熟して花粉を出す。雌蕊は1個。
初め曲がった雄蕊の葯が裂開したときに直立し、のちに4裂して反り返る。
園芸植物の様に艶やかな花、夏の高原を代表する花として登山者に人気だ。

欧州アルプスの標高2000m辺りで自生しているエピロビウム・フレイスケリ。
茎高20~40cmで日当たりの良い岩礫地や氷河の推積土の上などに群生。
その光景を若い時、実際に目にした。可憐な花、の一言だった、と思い出す。
又、柳蘭似で茎高低く4~30cmで花が大きい姫柳蘭(キタダケヤナギラン)がある。
日本には自生していないと言われた昔だが、昭和61年に北岳で発見された。
葯が裂開する前から花柱は反り返っている。実際に見たものが同種か否か??

僕にとって思い出深い大江湿原にある柳蘭の丘(初めて行った頃は無名だった)。
病弱だった小学3年生の夏、両親と大学生、総勢10名で尾瀬の植物観察に行った。
鳩待峠~山の鼻小屋泊~龍宮小屋泊~長蔵小屋泊~沼山峠。
植物観察が目的の山歩き、植物写真撮影が目的だった故、ゆっくりと歩けた。
長蔵小屋周辺で遊びまわった思い出はあるが、はっきりと覚えていない。
それにしても山行中、出会った登山者は、数名だった。今では!?!
長蔵小屋で親達が何か話をしていた間に大江湿原を小屋の人が案内してくれた。
そこは、長蔵小屋創設者の故平野長蔵さん一族の墓所がある神聖なる場所。
しっかり覚えていないが、大学生になっって親から聴いた事等、然と記憶にある。
故平野長蔵さんの御子息でもある故平野長英氏が命名した“柳蘭の丘”。
平野長英氏のご子息、長靖氏、このお二人は、自然保護運動の先駆者。
今ある尾瀬の環境保全に尽力されたが、長靖氏は、36歳の若さで遭難死。
環境庁が創設され初代長官が残した第一の功績に尾瀬の環境保全がある。。。!
その保全に奔走されていた長靖氏の遭難死は、言葉をもてなかった。
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《囈(30)“青春時代に見た高山植物(3)!?!”❖21-248》

ツクモグサ(九十九草)科(Ra... ツクモグサ(九十九草)科(Ranunculaceae)
学名: Pulsatilla nipponica
稜線の脇でひっそりと咲いている... 稜線の脇でひっそりと咲いている。眼下に見えるは、清里・野辺山高原。
《南八ヶ岳・赤岳周辺の花!?!》
ツクモグサ(九十九草);
八ヶ岳で特筆される高山植物は、ツクモグサだろう。本州では八ヶ岳と白馬岳で自生する。
八ヶ岳の赤岳から硫黄岳間、特に「横岳」周辺の西斜面に集中して 自生している。
学名通り日本固有種。あとは北海道の数山にしか自生していない希少な植物。
八ヶ岳の稜線付近では、6月上旬から咲き始め7月頃まで花を見せてくれる。
北海道の利尻山、ポロヌプリ山、ニセイカウシュッペ山、ニペソツ山、芦別岳、ピパイロ岳、
そこから 東北の山々には存在せず、八ヶ岳・後立山連峰にのみ、不思議だ。
又、ツクモグサは梅雨時に咲くが、雨や曇りだと花は開かない。故に中々お目にかかれない。
草丈15cm。花の直径約3cmでニンジンのように細かく裂けた掌状の葉がある。
葉は3枚輪生、花弁状の萼の外側には軟毛が密生している。
花茎の先端に1個、上向 きに2.5~3cmの淡黄色の6弁花(花弁状の萼片)をみせる。
オキナグサより花は大きく、花茎も葉も咲き初めは長毛 に覆われるが、やがて無毛になる。
漢字名の「九十九草」、この花を八ケ岳で発見した山草愛好家の城数馬(じょう・かずま)が、
敬愛した父の名「九十九」を付けたと言われている。
城 数馬は1864(元治元)年に久留米藩士の家に生まれた。
司法省法学校を経て帝国大学法科大学仏法学科を卒業し弁護士として活躍した人物。
山・野草の愛好家で日本山岳会の創設(1905年)にも参加した山屋でもあった。
東京大学理学系研究科附属植物園日光分園(通称、日光植物園)の開設 にも参加している。
八ヶ岳では、ツクモグサを始めウルップソウ、ミヤマツメクサ、クモマナズナ等の新種を発見。
多くの植物愛好家が”花の山”八ヶ岳を登るき っかけをもたらしたと言われている。

八ヶ岳では、まだ沢筋に雪が残っている時期に稜線でひっそりと咲いている。
だが、麓から稜線(自生地)までは短時間で到達できる(登山自体難しくない)。
そんな利便性で心ない登山者・写真撮影者が増えていると聞く。
安易に登山道を離れ山中を歩きまわることはやめて欲しく希する。
九十九草開花頃は、多くの高山植物はまだ発芽していない。
高山植物は、繊細だ。一寸踏むだけで、成長直前の新芽には大きなダメージ。
登山道においても植物を踏まないように慎重であって欲しい。
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