米国系企業に勤務中の1996年に発表した『Cの福音』で、華々しく作家デビューしました。
翌年会社を退職して執筆活動に専念し、『猛禽の宴・Cの福音』でゆるぎないファンをつかんだと思います。
ハードボイルとアクション、緻密な行動力の主人公、<朝倉恭介>が主人公のシリーズでした。
今回は、まったく180度違う分野での小説です。
大企業四井商事食料事業本部穀物取引部長の肩書を持つ<山崎鉄郎>が、出世街道を外され、同級生の<熊沢健二>に誘われて故郷である宮城県緑原町の町長になり、町の150億円にも登る累積赤字を解消するために、奮闘する物語です。
起死回生の策として考えたのが、工場誘致に失敗して遊んでいる3万坪の土地を利用して、老人向けの施設(プラチナタウン)を実行することでした。
冒頭に費やされる四井商事での大豆取引の描写は、本筋とはずれているのではと思いまがら読み進みましたが、老人向け施設の企業体として四井商事が登場することで、伏線として総合商社の企業とはどのようなものなのかの意味合いが与えられていたようです。
元気なうちはいいのですが、歳を取ると共に介護が必要となった時に、何処でどのように余生をすごすのか、考えさせられる一冊でした。
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Posted at 2012-03-20 06:34
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Posted at 2012-03-21 01:03
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Posted at 2012-03-20 11:20
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Posted at 2012-03-21 01:05
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