1996(平成8)年、『蛇を踏む』で第115回芥川賞を受賞され、それ以後も各種の作品賞を受賞されています。
芥川賞作品を読んで以来の、川上弘美さんの作品です。
堅い「刑事物」が続きましたので、恋愛小説で気分転換してみました。
恋愛小説ですが、恋焦がれるという若い男女が織りなすたぐいではありません。
結婚7年目を迎えている33歳の<のゆり>は、匿名の電話で主人の卓哉が3年越しの浮気をしていることを知らされます。
普通なら怒り狂い離婚問題となるのでしょうが、怒ることもせず淡々とした生活を続けていく中で、叔父や専門学校で出会う男子大学生、女子大時代のゼミの先輩等の関係を通じて、ゆるやかに心が変化してゆくさまが描かれています。
最後には「別れよう、わたしたち」の台詞を卓哉に向けて言いますが、結論じみた場面で終わることなく、お腹が減ったということで二人でラーメン屋に向かう場面で終わります。
切ないまでも移ろいやすい女心の変化、叔父との東北旅行で旅館から見上げた<風花>が、揺れる女心を見事に表現したタイトルに凝縮されています。
- If you are a bloguru member, please login.
Login
- If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
Request Account
Posted at 2012-04-06 02:37
People Who Wowed This Post
Posted at 2012-04-06 12:17
People Who Wowed This Post