<シリーズ疫病神>と副題が付いていますが、『疫病神』(新潮文庫化)・『国境』・『暗礁』に次いで4作品目が、この『螻蛄(けら)』(平成24年2月1日刊行)です。
エンターティナメントという言葉がありますが、まさにこの作品の為にあるようにと思えるほど、娯楽性に富んだ面白い小説です。
自称建設コンサルタントと称する堅気の二宮と、二蝶会の経済ヤクザの桑原の二人が織りなすドタバタ喜劇、会話はすべて関西弁ですので、台詞の言い回しが漫才の雰囲気があり、深刻な話も笑いで済ませてゆく姿は、関西人ならではの行動だと思います。
今回は、信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺に伝わる絵巻物をシノギのネタとして、大阪・京都・名古屋・東京と縦横無尽に金の為に動き回りますが、最後は読んでのお楽しみです。
読み終えて、映画『悪名』を思い出しました。桑原に八尾の浅吉役の勝新太郎、二宮にモートルの貞役の田宮二郎を当てはめますと、ぴったりの配役だと思います。
1000円で750ページの小説、読んで損はない一冊だとお勧めします。
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Posted at 2012-04-03 04:32
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Posted at 2012-04-03 13:36
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Posted at 2012-04-06 02:59
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Posted at 2012-04-06 12:37
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