有名広告店代理店に勤め、バブルで使い放題の接待費で毎日宴会、有名ブランドの服やバッグで身を飾っていた<ササカワキョウコ>(45歳)は、世間体を気にする価値観の母親と二人で、息詰まる生活を送っていました。
母親が70歳を超え、兄夫婦が母親と同居するのを機会に、会社も辞め仕事もせずに、月10万円だけで生活をしようと決心して、実家を飛び出します。
探しだしたのは、共同トイレと共同のシャワー室がある、月3万円の木造アパート「れんげ荘」です。
古いということで2階は空き家のまま、1階には60歳を超えた<クマガイ>さん、自称旅人と称する20歳過ぎの女性、割烹店にて板前修業中の<サトウ>くんが住んでいます。
引っ越した季節の良い春先から、梅雨時には押し入れにカビが生え、夏には蚊に悩まされ、冬には寒さに震え上がる不便な一年の生活を通して、お金では買えない心の贅沢さを感じてゆきます。
著者には『贅沢貧乏のマリア』という、『贅沢貧乏』を書かれた森茉莉さんの評伝がありますので、精神貴族としての森茉莉に触発された作品だと思います。
解説の中で岸葉子さんが、<生活のリズム化とは、削ぎ落としてゆくことだけではないのだ。だいじなの価値観の軸をシンプルにすること>と述べられていますが、まったく同感です。
自分自信の軸がぶれることなく、物質的な満足感など求めず、心の贅沢を感じる生き方で過ごしたいものです。
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Posted at 2012-04-27 13:01
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Posted at 2012-04-28 00:23
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