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今年の読書(62)『季節風 秋』重松清(文春文庫)

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今年の読書(62)『季節風 秋...
『季節風』というタイトルで、<冬・春・夏・秋>と四部作が出ていました。
どれも12の短篇が収められています。一番新しい『季節風 秋』を読んでみました。

以前に著者の自叙伝的な 『鉄のライオン』 を読みましたが、いい味わいの短篇集だったので、今回も期待しながら読んでみました。

親子関係、夫婦関係、幼馴染等、人間生活のどこにでも起こりえるえる物語ですが、実に味わい深く読めました。
「あとがき」に著者自らが書かれています、<「おまえはどんなものを書いているんだ?」と問われたなら、きっと「これを読んでくれればわかります」と、この四冊を差し出すだろう>との言葉通り、まさに著者の人間を観る視点が浮き彫りになる内容でした。

・・・肩を抱き寄せて。「長生きしてや、お父ちゃん」-ふるさとの言葉で言った。
・・・子どもたちは、これから長い人生を、勝ったり負けたりを繰り返して生きていく。運動会のようなさっぱりした勝負は、そう多くはないだろう。
・・・おとなには、わかっても言わないことがあるんだよ、うん。言ってもつらくなるだけだったら、言わないほうがいい。

さりげなく各短篇に出てくる文章に、著者の思い入れがにじみ出ています。
ほのぼのとしながらも胸が熱くなる人間ドラマ、ぜひ手にしていただきたい一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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エメラルド
Commented by エメラルド
Posted at 2012-05-16 08:19

読後感の良い小説のようですね。これは読んでみたいです。〆(._.)メモメモ

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ファルコン
Commented by ファルコン
Posted at 2012-05-17 02:21

今年初めての著者として、2冊目ですが、人間的は洞察が鋭い作家だと思います。
さりげない日常の行為のなかから、「人間性」あふれる文章を書かれているようですね。

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